フットハットがゆく【197】「不老意図」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【197】「不老意図」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2010年5月1日号の掲載記事です。

不老意図

『B-TRIBE TV』という、ストリートダンス番組を今年から制作しています。
毎週木曜、夜12時からKBS京都テレビで、大阪や滋賀も映りますのでぜひ見てください!

そのテレビ番組の制作に追われて週に120時間くらい働くような状態が続きますと、忙しすぎて頭がこんがらがりますね。
僕はよく夢を見る方なんですが、ジョーズに襲われたり、ウンチの洪水で溺れる夢なんかを見るとげっそりするもんですが、非現実的な夢は尾を引かないのでまだましです。
車を運転していて事故る夢なんかは、現実的で嫌ですね。
よく、ブレーキが利かなくなる夢を見てしまいます。
居眠り運転の夢もよく見ます。寝てはいけない、寝てはだめだ! と必死で寝るのを我慢しつつ、目が覚めると夢だった…という。
ぐっすり眠りたい夢の中で、絶対に寝てはいけない状況になるのも、いやはや疲れるものです。

でもやはり、もっとも疲れるのは具体的な仕事の夢ですね。
仕事に追われて追われて、5時間くらいかかる仕事を5時間くらいかけて見て、現実ではありえないようなミスをしでかして、冷や汗たらしながらミスを修正して、でもまたミスが発覚して、怒られ、けなされ、げんなりして目を覚ますと夢だった…。
ミスだったのがあぁ夢でよかった…と思いつつ、どっと疲れたまま職場に向かうあの空しさ。
なんだかとても損した気分でした。
こんな夢を見てしまう僕の深層心理をフロイトさんに解析してもらいたいですね。

昔の現場でこんなパターンもありました。
アシスタントに出した指示が、夢の中のことか現実だか分からなくなり、電話をかけて、「1回いったかもしれんけど、○○の件忘れんといてな…」というと、「よっぽどお疲れですね、その指示を受けるのは3回目です」との答え。
現実で出した指示と夢がこんがらがり、しかも3度繰り返すというアブなさ…。

夢のような現実の話もありますよ。
編集と撮影で徹夜徹夜の連続、3日ほど眠れず、しかも3時間後に納品しなければならないのに、まだパソコンで編集中の映像が完成していない状況…。
ああ〜間に合うのか〜〜〜!っと、思ったまでの記憶しかなく、はっと気づくと机に突っ伏して眠っていました。
そして時計を見るとあれから3時間経っていて、納品の時間!! わ〜っ、3時間も眠ってしまった、どうしよ〜っと、思ってパソコンを見ると、なんと映像が完成していました。
その時、グリム童話の「靴屋の小人の話」を思い出しました。
働き者の靴屋さんが、夜中も一生懸命靴を作っていましたが、疲れてうっかり眠ってしまったのです。
すると魔法の小人たちが出て来て靴を作ってくれて、靴屋が朝目を覚ました時には靴が完成していた…という話です。
僕も一生懸命編集していたので、魔法の小人が僕の寝ている間にパソコンをいじって編集してくれたんですね。ありがとう、小人さん!

フロイト 1856〜1939 オーストリアの精神分析学者。

フロイト 1856〜1939 オーストリアの精神分析学者。

 

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