フットハットがゆく【133】「無事か?球児!」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【133】「無事か?球児!」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2007年5月16日号の掲載記事です。

無事か?球児!

先日の大型連休の時に、姪(7)、甥(5)と一緒に公園野球に明け暮れた。
野球といっても、プラスチックのバットとボールで、ただ投げて打って捕るだけのことを延々と繰り返した。
そこで思った。「やっぱり野球は面白い!」。
僕は昔から野球が下手なのであるが、自分が思ったところにボールを投げられた時の快感、バットでジャストミートできた時の快感、しっかりキャッチできた時の快感…これはやっぱり気持ちのいいものだ。
名前も知らない小さな公園で、僕は藤川球児となり、甥っ子はイチローとなる。
知らない子(仮想松坂大輔)も混じって野球をして、本当に楽しかった。

さて今回は、僕が少年野球や草野球で経験した珍プレーを紹介しようと思う。

Wトンネル…

少年野球では、左バッターや流し打ちの技術を持った選手が少ないので、打球はだいたい三遊間から左中間へ集まる。
その時僕はライトを守っていたが、打球がなかなか飛んで来ないので、かなり暇であった。
すると、打者がセカンドゴロを打ち、それを二塁手がきれいにトンネルした。
あまりにきれいなトンネルだったのでライトの僕はびっくりして慌てた。
そしてこれまたきれいに僕の股間をボールが抜けていった。「日本の高速道路か!」といいたくなるようなトンネルの連続で、ランニングホームラン…。
ベンチに戻ってセカンドの選手にポンと肩を叩かれたときは、複雑な気持ちであった。…ドンマイ!

牽制デッドボール…

その時僕は一塁ランナーであった。
相手投手が一塁に牽制したので慌ててベースに戻ったら、一塁手はボ~ッと突っ立ってよそ見をしていた。
普通ならボールはそのままファールゾーンに転がり、ランナーは楽々二塁…ということになるのだが、その時のボールは一塁手の顔面にゴンと当たってベースの前に落ちた。
一塁手はもんどりうって顔を押さえたが、ボールは後逸していないので、僕もただあたふたするのみ…。
ちなみにその一塁手の怪我はたいしたことなかったが、眼鏡のフレームが曲がってしまい、それを直すために試合が中断した。…ドンマイ!

危険なネット裏…

高校時代、僕はラグビー部であったが野球部の友達がある朝、ほっぺたに妙なアザをつけて来た。
直線と曲線を混ぜた幾何学模様である。
「なにそのアザ、どうしたん?」と聞くと、「ネット裏に立っていたらボールが飛んで来て当たった…」とのことだった。
野球場などのバックネットは金網で出来ており、あまりたるむことがないが、練習などでグランドに置かれるバッティングゲージなどのネットは、わりとたるむので、ネットの真横に立っているとボールに当たることがある。
友人はネットを挟んでボールがほぼ直撃した形で、網目とボールの縫い目が同時にアザになってしまったのである…ドンマイ!

まぁ、エラーをして恥をかいたり、たまには痛い目に遭ったりすることもあるが、それでもめげることなく無事、球児は大人になり、また野球を楽しむのである。
カキーン!

藤川球児 1980〜 高知県出身、阪神タイガースの絶対ストッパー。

藤川球児 1980〜 高知県出身、阪神タイガースの絶対ストッパー。

 

 

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