フットハットがゆく【114】「なんやかんや筋肉! PART2」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2006年8月1日号の掲載記事です。
なんやかんや筋肉! PART2
前回、僕の好きなお笑い芸人「なかやまきんに君」にちなんで、筋肉のことを書いた。
「筋肉は鍛えれば成長する」というテーマで、喉、舌、顔面、眼の筋肉について書いたが、今回はその続編を書く。
指…
指は人間の体のなかでも特に微妙な動きができる。
その指も筋肉の収縮で動く。これはとある専門学校の絵の先生から聞いた話であるが、毎日絵を描いていると、指の筋肉が発達して、だんだんとイメージに近い絵が描けるようになるそうだ。
「私は絵が下手だ」とはなから諦めている人、それは絵を描くための指の筋肉が発達していないから、頭でイメージしたものが表現できないのであって、毎日毎日絵を描いて筋肉を鍛えれば、ある程度上手な絵が描けるようになるのである。
この原理は書道や手芸などにも通じる。
指の筋肉をよく使うといえば、やはりピアノやバイオリンをはじめとした楽器類だ。
1日練習を休めば腕が落ちる、といわれるピアノなどは10本の指をフルに使うので、まさに繊細でバランスのよい筋肉を必要とする。
僕も昔ピアノを習っていたのでよくわかるが、利き腕の親指、人差し指あたりはもとからよく動くのだが、それ以外の指はなかなか思うように動かず、特に薬指は「折ったろか!」と思うほどどんくさい動きをする。
そんなやつまで利き腕の人差し指と同じくらい動くように鍛えないといけないので、ピアニストさんはほんと大変である。
胃…
急に内蔵に飛ぶが、胃も筋肉の作用で動く。
内蔵に関しては分泌物などの微妙なバランスで「強い胃腸」「弱い胃腸」が左右すると思うが、では筋肉はどうだろう?
胃に入った食べ物は、胃液と胃の筋肉の収縮・弛緩によって消化されやすいように溶かされる。
胃の筋肉を鍛えるには、この収縮と弛緩の回数を増やせばいいのだが、そのためには、消化しにくいものを食べるか、常に何かを食べておらねばならず、どちらも体に悪そうでダメだ。
そもそも胃の筋肉は自分の意思では動かせないので、鍛えにくい筋肉なのだ。
いや、ただ一つ方法がある。「胃が縮む思い」を意図的に繰り返せばよいのだ。
でもそれをするとストレスが溜まり、胃酸過多から胃に穴があいたりするので、やっぱりダメか。
心臓…
最後に筋肉の固まり、心臓について書く。
心臓は筋肉の収縮で血液を体内に循環させるポンプの役目をしているが、心臓を鍛えるのはやはり適度な運動が一番である。
よく動かせば鍛えられる、という原理からいくと、毎日怖い映画を見てドキドキするのもある意味心臓の筋肉が鍛えられるのだろうけど、やっぱりそういうドキドキは心臓に悪い。
同じドキドキなら、女の子に恋した時のドキドキの方が健康的だ。
よって、心臓の筋肉を鍛えるには日々の適度な運動と常に恋をしていること…それがよい。
ただし失恋した場合はハートに傷がつくので要注意だ。
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