山の一家*葉根舎「葉根たより」【47】|MK新聞連載記事

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山の一家*葉根舎「葉根たより」【47】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、山の一家*葉根舎(はねや)の「葉根たより」とその前身記事を1998年12月16日から連載しています。
MK新聞2020年11月1日号の掲載記事です。

大森梨沙子さんの執筆です。

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葉根たより

清き秋風、あたたかなお日さま、朝晩の冷えこみ…少し寒さの到来が早く感じますが、ひきしまりつつ、心地よい季節となりました。
秋分を迎え、山、草木花、田畑、気も充実し、実りに恵まれるありがたい季節。
「菊花開(きくのはなひらく)」「露始降(しもはじめてふる)」
菊の花開き、下旬には初霜が降りることもある時期。空気に、草花に細い線を感じます。

<秋の深み>

お野菜の少なかった今年、マコモタケ、里芋、新生姜ができ始め、南瓜や大根の間引き菜も瑞々しく食卓を彩ってくれるようになりました。
秋の日に輝く金色の稲穂、黒米の稲穂、ススキのグラデーションも美しく、稲刈りは九月下旬に始まり、餅米、イセヒカリなど遅い品種は十月中旬に。ウサギたちにかじられながらの収穫ですが、今年も感謝です。
八月に蒔いた白菜もよい苗になり、畑へ定植。畔には嫁菜、溝蕎麦、黒花引き起こし、藤袴、蓼、水引草、釣船草…少し頂いては花器へ。
草花と通して自分と向き合う。姿勢を正すことで通る軸、つながる感覚。こたえは外にはなく、自分の中にあること、身体が知っていることを深く感じます。秋の深さと共に…。

<つないでゆく営み>

毎年十月には、村のおまつりがあります。といっても、わずか七軒になったうちの村のおまつりはとてもシンプルなもの。宮司さんにお祈りをしていただいた後、おやつを食べ、くじ引きを楽しみながら皆で過ごす。
村人が少ないので、おまつりの準備の方が大変です。まず、お宮さんの草刈り。年に一度しかできなくなってしまったので、草たちはもう木のように大きく太くなっています。
七軒といっても、動ける方は四軒ほど。集まった十人のうち、半分はわが家。子供たちの手も大きな力になります。そして、のぼりをあげ、縄ないをし、お供えを準備する。
減り続ける家に、昨年から地域おこし協力隊の募集を始めました。すると、思ったよりたくさんの方が見学に来て下さり、来春からお子さんが三人いる、元気な家族が来て下さることとなりました。
うちの記事が載った雑誌を見たことがきっかけだそうです。つながってゆくご縁がありがたく感じます。
静かにじっくりと暮らしてゆく私たちらしく、村をつなげてゆけたらと思います。

<からだのーと>

10月25日は、旧暦の9月9日「重要の節句」です。陽性な数である「九」が重なるので「重陽」。尊ばれてきためでたい日です。各節句にはそれぞれシンボルの植物があり「重陽の節句」は「菊の節句」とも呼ばれ、菊が宇宙エネルギーを受け取る媒体となるそうです。菊の花を生け、菊茶を頂いて過ごしたいですね。
平安時代には重陽の日、菊の花に植物染料で黄色に染めた綿をかぶせ、明くる朝に菊の香りと朝露を含んだその綿で体を拭き、菊の薬効により無病で過ごせることを祈ったそうです。
そして、10月20日から11月6日(立冬の前日)は秋の土用。呼吸器や皮膚の疾患が増えるので、甘いもの、冷たいもの、乳製品、油物はなるべく控え、ご飯、お味噌汁、お漬物といった素食、少食を心がけ、よく噛んで頂きましょう。おかずをつけるなら蓮根がおすすめです。
寒くなりゆく季節にしっかり整えてゆく時期となりましたね。

<展示案内>

11月は高砂市の苔玉とこぎん刺しのギャラリー、雨久花―mizuaoi―さんで展示をします。高砂市や加古川市、稲美町、播磨町が協力して毎年行われている「まちかどミュージアム」というイベントの一環になっています。三、四、十、十一、十四、十五、十七日の十一時から十七時に開催します。三、十七日は在廊しますので、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。
11月21日から23日の十時から十七時は、あさご芸術の森ギャラリー四季彩の「202震災復興支援チャリティ作品展」へ参加します。朝来市の作家さんたちが続けている展覧会、手に取りやすい作品が並びますのでこちらも是非。
過ごしやすい秋、気をつけながらも、みなさまがのびのびと季節の空気を味わい、めぐりゆく時を感じることができますように。

(2020年10月10日記)

葉根舎について

haneya8011@gmail.com
HP:https://www.yamano-haneya.com

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MK新聞への「あ~す農場」の連載記事

1998年12月16日号~2016年6月1日号
大森昌也さん他「自給自足の山里より」(208回連載)

2017年1月1日号~現在
大森梨沙子さん「葉根たより」(連載中)

葉根たよりのバックナンバー

 

 

 

 

 

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