山の一家*葉根舎「葉根たより」【43】|MK新聞連載記事

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山の一家*葉根舎「葉根たより」【43】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、山の一家*葉根舎(はねや)の「葉根たより」とその前身記事を1998年12月16日から連載しています。
MK新聞2020年7月1日号の掲載記事です。

大森梨沙子さんの執筆です。

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葉根たより

卯の花、野ばら、あざみ、きんぽうげ、常盤はぜ…
今年も満ち満ちた緑に華やかな彩りを添え、様々な鳥たちの唄も響き合い、毎年少しずつ違う様子、まだ名を知らない花や鳥、山は発見に尽きることがありません。
「蟷螂生(かまきりしょうず)」「梅子黄(うめのみきばむ)」先日カマキリの赤ちゃんたちを見つけました。そして、そろそろ梅の実が色づき始める頃。梅干しは最も大切な保存食。今年も梅仕事ができると思うと、嬉しくなります。

<芒種>

今年もいよいよ田植えの季節です。うちの田んぼは六反で十四枚。整備された現代の田んぼと比べたら、山の中の田んぼは小さく、形は様々で畦塗りが長く、水を引くのも一苦労。でも、山の奥の今は使われていない田んぼを見ると、この村では一番いい田んぼを使わせてもらっていることがわかります。
現在、村で田んぼをするのはうちだけ。村を切り開いた先人へ想いを馳せる農作業。田の水、土、草木、鳥、虫、古のものたちと交じり合い、時間も空間もこえ、一つの呼吸をするような感覚です。
畑ではカブや小松菜を毎朝摘み、ジャガイモ掘りももうすぐです。
卵をあたためるキジのお母さん、三匹の猪のお母さんと猫よりも小さなウリ坊二十匹くらいのお散歩、ぴょんぴょん可愛らしいけれどあらゆるものをかじるウサギたち、綺麗な虫、困った虫など、この冬は暖かだったため一段と賑やかな山になっています。
気候と共に変化する状況、私たちも常に変化を求められます。

<家族の眼差し>

お米が大好きな子供たち。田植えの大切さは肌で感じているようで、当たり前のようによく動いてくれます。朝からお昼をはさみ夕方まで、いつものお手伝いより長くても文句を言わずに、今日すべきところを見つめやり切ってくれ、本当に大助かりです。
六年前までは夫のげんの兄弟たちと一丁の田んぼを全て手植えしていましたが、それぞれの地を見つけ旅立ち、今はうちだけになってしまったので、二条植えの小さな手押しの田植え機を使っています。
田植え機で植えていき、その後を子供たちが歩き、穴が空いたところや田んぼの隅を手植えしています。
気づけば大きな力になっている子供たち。子供たちから学び、成長させてもらっています。

<交差する時>

あしもとの草むらにポツポツと赤いものが可愛らしい。ほとんどは蛇苺、たまに草苺。数日おきに朝摘み、蛇苺は度の焼酎に漬け、虫刺されの薬に。草苺はおやつに。
先日摘んでいたらアリの行列と出会い、あまりの長さに子供たちを呼ぶと出発と到着を探しながらこれまた長いこと眺めていました。私はその隣で草むらのスケッチ。こうした時が尊いものに感じます。

<からだのーと>

今年の夏至は六月二十一日新月、大安。北半球では最も昼が長く、太陽エネルギーが高まる日。プチ断食をすると、太陽エネルギーの充電になります。夏至の二十日前後は梅雨期。暑さが増してくると、梅干しや梅酢が美味しく感じます。防腐殺菌効果があるので、ぜひ活用して下さい。切り干し大根や海藻などの乾物類も、身体の水分調整をしてくれるので取り入れてみて下さい。
わが家は畑にハウスがないのでまだ野菜が少なく、食べやすい野草も減ってくる頃なので、作っておいた乾物類が活躍する時期です。梅雨を迎えると乾物は痛みやすくもなります。季節のめぐりと食は本当によくできていて、いつも感心しながらご飯作りをしています。

<展示案内>

五月に京都府綾部市のギャラリーカフェ日々で予定をしていた個展「風またたく」は、六月十九日から七月七日の開催となりました。夏至と七夕の日は午後から在廊予定です。節目の日に、山の風を感じていただけたら嬉しいです。
七月一日から十日は、静岡県三島市のギャラリーエクリュの森で開催される展示へ参加予定です。今年の二月から六月のコロナ期に作家たちは何を制作していたか、がテーマになっています。
世界の大きな節目となっている今、何を感じ考え過ごしたか、過ごしてゆくのか、少しずつ戻ってくる日常に流されることなく向き合い続け、丁寧な選択をしながら暮らしてゆきたいです。

(2020年6月9日記)

葉根舎について

haneya8011@gmail.com
HP:https://www.yamano-haneya.com

MK新聞について

「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

ホームページからも最新号、バックナンバーを閲覧可能です。

MK新聞への「あ~す農場」の連載記事

1998年12月16日号~2016年6月1日号
大森昌也さん他「自給自足の山里より」(208回連載)

2017年1月1日号~現在
大森梨沙子さん「葉根たより」(連載中)

葉根たよりのバックナンバー

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