フットハットがゆく【331】「ハチハラ」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2021年7月1日号の掲載記事です。
ハチハラ
最近なんでもハラスメントとつけて、〇〇ハラ、という言葉を作るのが流行っているようなので、ボクも新しいハラスメントを作りました。
『ハチハラ』…虫に興味のない人にハチの話を3時間くらい聞かせるハラスメントです。
実際このハチハラを先日してしまいまして、お酒の上でしたが妹相手に延々3時間もミツバチの話をしてしまいました。
今年の春からミツバチを飼い始めまして、巣箱内の現在の推定数は2万匹です。
元から虫好きでミツバチのこともある程度知っていましたが、実際に飼って知識も実体験も増えていきつつある今日この頃。
つい2日前には夜勤明けの夜中の2時に巣箱をいじって2ヵ所刺されました。
昼行性の虫なので夜中は刺さないと勝手に思い込んでいましたが、甘かったようです。
ボクにとって4、5回目のミツバチ刺されなので、No.4とNo.5として記録に残しています。
No.3は首、4は背中、5は左腕、番号が増すたびに、アレルギー性の拒否反応も増してきたのか、痛さ、そして腫れとかゆみも増してきました。
痛みは24時間まで続き、そのあとのかゆみ、腫れは48時間が経過してもまだ続いています。(現在進行形。観察のため薬は使わず。)
ハチで腫らした腕を見ながら、これから訪れるであろう、No.6やNo.7がどんなことになるのか楽しみです。
ボクは自分を人体実験に使う悪い癖がありますが、皆さんは真似しないでくださいね。実際にはアナフィラキシーショックなどのアレルギーが危険で、2回目に刺された場合が危ないとされています。
ハチの恐ろしい話だけをするとそれこそハラスメントなので、良い話もします。
ミツバチは花蜂なので花の蜜や花粉を集めます。
そして甘~いハチミツを人間に提供します(人間が勝手に搾取しているのですが…)。
そして花の受粉も助けるのでミツバチは益虫、とされています。
そもそも、花蜂を呼ぶために植物は花を咲かせ蜜を持つようになった…ともいわれるので、これはニワトリが先か卵が先か? みたいな話になりますが、本当に生き物の進化というものは不思議です。
ミツバチの行動範囲は半径2~3キロ、車で出かける時も、「この辺りまではうちのハチも飛んでこられるな。」「あぁ、あそこに花が咲いているな。うちの子はあの花を見つけられるかな。」「花が咲いているのは遠くから見てもわかる。花はそうやって自分をアピールして、ハチを呼んでいるのだな。」などとハチ目線のメルヘン思考で花を見るようになります。
見つけた花にミツバチがいたら、「あれはうちのハチかな?」「近くにクモがいるな。あれに食べられないかな?」とハチを見守りながらハラハラしたり…。
そんなこんなで先日第一回目の採蜜を行い、ハチミツをたっぷり頂きました。
ご近所さんにも配り、大好評。
「うちの庭の花の蜜も入っているんかな?」「もちろん入っていると思います!」地元のハチが地元の花から集めた地元のハチミツ、これはもうロマンです。
こんな話をし始めたら3時間とかあっという間に経つのです。
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