フットハットがゆく【288】「MLBの時間」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【288】「MLBの時間」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2017年11月1日号の掲載記事です。

 

MLBの時間

この新聞が出る2017年11月1日は、MLB(メジャーリーグベースボール)のワールドシリーズが7戦までもつれた場合の最終戦の日に当たりますね。
僕が原稿を書いている時点では、地区シリーズでマー君こと田中将大のいるヤンキースが勝って、リーグ優勝決定シリーズに駒を進めたところです。
ダルビッシュ有と前田健太のいるドジャースもリーグシリーズに進んでいるので、絶好調の日本人3投手がリーグ優勝し、ワールドシリーズでぶつかり合うなんてことになったら、会社を休んで見なくちゃね(笑)。

 

仮にニューヨーク(NY)・ヤンキースと、ロスアンジェルス(LA)・ドジャースが戦うとなると、アメリカの東海岸と西海岸で時差が3時間もあるので、見る方も大変です。
同じ国の中に時差が3時間もあるという感覚は、日本人にはわからないものですね。

昔NYでヤンキースの試合を初めて見た時、夜の7時から始まった試合が11時にさしかかり、京都人の僕としてはそろそろ地下鉄の終電がなくなりやばいぞ! と思い試合終了を待たずにホテルに帰ってしまいました。
しかし後から聞くとNYの地下鉄は24時間営業だそうで、なるほどそれでヤンキースタジアムの皆さんも、夜中になっても平気で観戦しているわけですね。
そして国内に時差がありますから、東海岸の12時は、西海岸の9時なわけです。
より多くのアメリカ国民がテレビで東海岸の野球を楽しめるように、ヤンキースの試合は遅めに始まると言われます。
どんなに遅く始まって遅く終わっても、24時間サブウェイがある大都会NYですから怖いもの無し!

 

さてそんなMLB中継ですが、日本で生放送を見る場合は、東海岸マイナス13時間、西海岸マイナス16時間の時差、地球の丸さを感じる絶好の時差!? ということで、生放送の中継は日本ではだいたい朝の8時(東時間夜7時)から11時(西時間夜7時)に始まります。
日本とNYの時差は14時間じゃないのか? という人もいますが、アメリカではサマータイム(夏時間)が実施されているので、野球シーズンはぴったり1時間早い時間になるのです。この夏時間というのも日本人には馴染みがないのですが、ヨーロッパでも採用されています。

 

僕が昔イギリスにいた時、夏時間の導入日に気づかず朝いつも通りに学校に行くと、もう授業が始まっていて、僕だけ1時間遅刻して笑われました。
毎年夏時間の時期にはこういうおっちょこちょいがいるみたい。
ちなみに夏時間は、戦後の日本でも一時期採用されたそうです。夕方7時に日が暮れるのが通常とすると、夏時間なら8時に暮れることになります。
欧米人の考え方だと、仕事が終わってから明るい時間が多いと、遊んだり出かけたり楽しい時間が増える、経済効果も上がる、ということらしいですが、日本人の場合は日が暮れないと仕事が終わった感じにならないので、明るい時間が長いと残業が増えて大不評、ということで早々に夏時間は中止になったそうです。
いろんな国民性があるものですね! (笑)

 

だいぶ脱線しつつも、ベースボールを楽しむ気持ちは万国共通、シーズンが終わってしまって寂しいですが、来年春の開幕を楽しみにしつつ、この辺で!

 

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