フットハットがゆく【227】「晴れても鞍馬」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2012年10月1日号の掲載記事です。
晴れても鞍馬
晴れても鞍馬。近くても東福寺。昨日でも京都、明日でも京都。
などという言葉遊びを、以前、観光タクシーの方に教えてもらいました。
ということで言葉遊びシリーズです。
○Fatboy Slim
ファットボーイ・スリムはイギリスのミュージシャンですが、その名を直訳すると『太った少年・スリム』となり、このシャレが僕はとても好きです。
同じパターンで、デブデブに太った細井さん。やせてガリガリの太井さん。背の低い高井さん。貧乏な金有さん。辛党の佐藤さん。正義という名のいじめっ子。勝男という名の負け組。不細工でも美子。性悪でも良子。天才でもバカボン。
○わしづかみ
辞書によると、ワシが獲物をつかむように、手のひらを大きく開いて荒々しくつかむこと。
ですが、タカも同じようにものをつかみますので、その場合は、『タカのワシづかみ』になりますね。
似た使い方で、よくケンカする犬とネコは犬猿の仲、といえますし、夢半ばで死んだネコは犬死に。
突然、町に紛れ込んだ野良犬はどこのウマの骨か知れない、ということになります。
○左京区の右大文字
京都市の有名な山で通称「大文字山」がありますが、左京区にあるのが右大文字で、右京区にあるのが左大文字です。
なぜそのようなややこしいことになったかというと、御所に天皇様が鎮座される場合、北から南側を向いて座ります。その時、天皇から見て左が左京区、右が右京区となりました。ところがたとえ天皇といえども、北にそびえる山々を眺める時は当然北を向いて座り、その時右手に見えたのが右大文字、左手に見えたのが左大文字になったそうです。
似た話で、最も信用する部下のことを『右腕』といいますが、その人が左利きだった場合、『左利きの右腕』というややこしい状況になります。
酒好きな人のことを左党、逆に酒が苦手で甘い物好きの人のことを右党といいますが、簡単にいうと砂糖好きの人が右党ということになります。
○次男なのにイチロー
MLB選手のイチローこと鈴木一朗選手は実は次男坊というのは有名な話。
映画スターウォーズ シリーズの一番最初に公開されたのはエピソード4、これも有名ですね。
逆にシリーズ4作目にあたるのがエピソード1という、分かる人には分かるが、分からない人にはややこしいですね。
昔、『いっぽんでもニンジン』という歌が流行りましたが、数字的にややこしい言葉を並べてニュースにしてみました。
いくつ数字が出てくるか数えてみてくださいね!
「産後の15人が参加したバーベキューでハチに刺された9人が重傷を追った事件で、3名の余命を巡って4人が誤認逮捕されたとの報道は、7人のろくでなしによる誤報と発覚、結論は裁判の参考人2人に一任されましたが、ろくに記録もされず、とうとう、なあなあで終わりました」。
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