フットハットがゆく【226】「地球オリンピック2」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2012年9月16日号の掲載記事です。
地球オリンピック2
前回、地球規模でのオリンピックをした場合、どの生物が勝つか書きましたが、今回はその続編です。
○大食い選手権
これに勝つには、やはり体が大きい方が圧倒的に有利です。
地上で一番大きな動物といえば、いわずと知れたアフリカ象です。
一日に飲む水は100l、食べる草の量は200㎏だそうです。
しかし上には上がいます。海の最大動物シロナガスクジラ…主食は小さなエビに似たオキアミで、一日に食べる量は約6000㎏!
オキアミの個体数にして約600万匹といいます。
600万といえば、人間の都市でいくと千葉県の人口ほど。
一日で千葉県の人間が全員食われてしまうという計算です。
1匹で毎日600万生命を殺すクジラもクジラですが、それでも絶滅しないオキアミの繁殖力も異常、地球生命の神秘を感じます。
逆にクジラがいないと海はオキアミだらけになってしまうのでしょうか?
○大食い選手権2
体重別選手権で計算してみましょう。
シロナガスクジラは体重160tに対しての6tの食料ですから、一日体重の約4%弱を食べます。
アフリカ象は体重7tに対し200㎏の食料だから体重の約3%弱。
ちなみに人間が一日に食べる量は体重の1~3%だそうです。
ここで一日に体重の25%も食ってしまう動物を紹介しましょう。
ラッコです。40㎏の体重に対し、毎日10㎏もの貝類を食べるそうです。
さらに一回の食事で考えると、自分の体重より重い生き物を丸呑みにするヘビや、自分の体重の何倍もの血液を吸うヒルなども、スーパー大食漢といえましょう。
○睡眠選手権
食った後は寝る!ということで一日の睡眠時間の長い生き物はというと?
優勝はナマケモノ…なんと一日20時間睡眠です。
準優勝はコウモリなどで、一日18~19時間、洞窟でぶら下がったまま寝ているわけですね。アルマジロ17~18時間、ネコ13~14時間、ネズミ12~13時間、といった感じに続きます。
人間は平均8時間くらいです。
基本的に肉食動物の睡眠時間は長く、草食動物は短いといわれています。
また、人間に飼われている動物は睡眠時間が長く、野生の動物は短いです。
野生のウマやシカは立ったまま寝るし、睡眠時間は2~3時間といわれています。
○寿命選手権
食って寝て、長生きしましょう!
ということで寿命を競ってみますと、諸説ありますが、やはりイメージではゾウガメが地上最長寿ではないでしょうか。
250年生きたという公式記録もあるようです。
この記録の審判員は人間(寿命80年として)が4代以上にわたって見届けなければなりません。
他にも200年近く生きたであろうと推測される動物に、ムカシトカゲ、ホッキョククジラ、赤ウニ、アイスランド貝などがあるそうです。
さらには北極海に住む海綿動物は、成長が著しく遅く1,500年以上生きるとか、クラゲの一種で自己再生を繰り返すものは事実上数億年生き続けるなど、人間の審判が何人いても正式記録測定不可能な選手もいます。
さすがは地球、底知れぬ生命力を持っていますね。
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