フットハットがゆく【219】「OBとは」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【219】「OBとは」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2012年2月1日号の掲載記事です。

OBとは

バスに乗っていますと、後ろの席で女子中学生がこんな会話をしておりました。
「『鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス』って誰やった?」
「え〜っと、秀吉?徳川秀吉?」
「あ、そうか。」
いえいえ、間違ってますよ〜!それ違うから。
「殺してしまえホトトギス」は、信長!織田信長!そして秀吉は徳川ではなく、豊臣!いろいろ間違ってるよあんたたち!と、後ろを振り返って教えたかったけど、いきなり見知らぬ女子中学生に話しかけたら不審者と思われそうなので黙っていました。
それにしても、最近の女子中学生は、信長、秀吉、家康の区別もつかんのかいな〜!と思いつつ、まぁでも歴史に興味が無ければそんなもんか。

逆に僕なんかは、若い子の会話に出てくるアイドルの名前がぜんぜん覚えられません。
AKB48(エーケービーフォーティーエイト)という女子のカワイコちゃんが集団で作っているアイドルグループがありまして、これは東京の秋葉原…略してアキバ(A Ki Ba)からとった名前だそうです。
AKB48の大阪版はNMB48(エヌエムビーフォーティーエイト)といいまして、NMBは「ナンバ」から来とるそうです。僕なんかはこのAKBとNMBがごっちゃになりまして、「NBA48」といってしまった次第です。
NBAはアメリカのプロバスケットボールですね。
AKBだろうがNMBだろうがどうでもいい気もしますが、ファンの人や当のアイドルさんには失礼な話なので、ちゃんと覚えます!

よく考えると、AKBとかNMBはまだスペルが違うからましな方です。
僕はテレビ番組のディレクターをしておりますが、仕事でよく使う単語で、スペルが同じでも意味が異なる、というものがあります。
その代表は『HD』(エッチディー)ですね。
コンピューターの「ハードディスク」(Hard Disk)として使う場合と、映像のハイビジョンを意味する「ハイ デフィニション」(High-Definition)として使う場合があります。
だから「HD画質でHD録画」といえば、ハイビジョン画質でハードディスクに録画する、という意味になります。
あと、『DV』という言葉もややこしいですね。僕らが仕事で使う場合はたいてい、「デジタルビデオ」(Digital Video)のことです。
でもよくニュースで使われるDVはいわゆる家庭内暴力「ドメスティック バイオレンス」(Domestic Violence)であることが多いですね。
「HDのDVでDVをHD録画」…意味は自分で考えてくださいねw。

あと、一般的には『OL』というと「オフィス レディー」(Office Lady)のことでしょうが、僕らが使うOLは「オーバー ラップ」(OverLap)といって、画面を重ね合わせることをいいます。
さらには『OB』というと、卒業生のこと(Old Boy)をいったり、ゴルフのOB(Out of Bounds)として使うことが多いでしょうが、僕は密かに「大バカ」(Oh Baka)の隠語として使っています。
信長と秀吉をごっちゃにする女子中学生はOBだと思いつつ、それをネタにこういうしようもないエッセイを書いている僕自身もOBということですねw。

 

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