フットハットがゆく【182】「謳歌、猛々しい!」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2009年6月16日号の掲載記事です。
謳歌、猛々しい!
6月6日、岡田ジャパンことサッカー日本代表がアウェーでの激戦に耐え、世界で一番乗りのワールドカップ出場を決めました、万歳!
2010年、南アフリカ大会への切符を手に入れたわけです。
前回ドイツ大会、日本は一勝もできませんでしたからね。
今回はベスト4目標!と岡田武史監督も宣言していますから、大いに期待&応援しましょう!
さて、今回はサッカーの裏観戦方法を紹介します。
気温を意識してみよう!
…ワールドカップは6〜7月に行われますから、国によってはかなり暑いわけです。
一方、大概の人はエアコンの効いた場所でTV観戦すると思います。
だから現地の気温が35℃を越えていても、見ている方は涼しい顔なわけです。
自分は涼しい所にいて、猛暑の中バテた選手に対し「もっと走れや!」と無責任な罵声を発する人を見ると悲しくなります。
現地のピッチの過酷さを確認するには、発表された気温や湿度を意識するのもそうですが、選手が飲む水の量を見ればよく分かります。
ピッチのわきでガブガブ水を飲むシーンを何度も目撃したら、かなりの悪環境です。
実際、僕がフランスワールドカップ(98年)で日本代表を現地応援に行ったとき、ナント(クロアチア戦)での試合は異様に暑く、客席で応援しているだけで立ちくらみ、
最後の方は何度も目の前が白くなりました…そんな中で選手は懸命に走っている…あぁ、がんばれ!
苦しいけど、俺もぶっ倒れるまで応援するぞ!ってな気持ちになるわけです。
体調を意識してみよう!
…サッカーではホームとアウェーで、まるで違ったチームになってしまうことが多々あります。
それはやはり体調管理にあると思います。
プロの人達でも、それはやはり難しいのです。
例えば海外旅行に行ったことがあるあなた、時差ボケを短期間で克服出来ましたか? 土地の雰囲気に慣れず精神的に滅入ったことはありませんか? 現地の水や食べ物にあたったことはありませんか?
慰安旅行ならいざ知らず、仕事での遠征となるとプレッシャーやストレスも桁違い、それが国民の期待を背負ってとなるとなおさらです。
だから海外遠征での試合では、体調万全の選手の方が珍しい…と思って見た方がいいと思います。
ピーピー下痢の選手はピッチに立てませんし、胃がシクシクするとか、不眠症でもうろうとか、めっちゃ悪寒がして関節がミシミシいっているとか…
だいたい、選手入場の時に顔色、血色を見れば「あぁ、万全の体調じゃないな…」とわかります。
それでもピッチに立てばアドレナリン噴出させて走りまくるんですから、「よく頑張った! よくぞそこまで走った!」という気持ちになれるわけです。
今回は裏観戦術2つを紹介しましたが、本当に現地の選手の気持ちになってTV観戦したいなら、7月に扇風機もクーラーも使わず部屋の窓を閉め切り、前日は寝ずに生牡蠣(あればね)かなんか食べておけば完璧です。
…冗談はともかく、ジャパンの猛々しき勝利の謳歌が、南アにこだますることを期待しましょう!
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