フットハットがゆく【173】「高し王国」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【173】「高し王国」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2009年2月1日号の掲載記事です。

高し王国

毎年恒例の『都道府県対抗女子駅伝』が、1月11日に行われた。
全国47都道府県の女子トップランナーが京都に集結するのである。
僕の家から徒歩30秒で、今出川通を走る4区と7区の選手を沿道観戦できるので、友人知人を呼んで観戦会をした。

12時半にレースがスタート!集まった観戦メンバー7人は、まずはTV観戦。
2区で兵庫の小林祐梨子選手が29人抜きをしたり、京都のスーパー中学生・双子の久馬(姉)の快走があったりと、盛り上がりつつ、たすきは4区にリレー。
僕らは今出川通に出て選手を待つ。
上空を飛ぶ中継ヘリの音がうるさい。物々しい中継車、白バイが通り過ぎると、いよいよ選手が目の前に走ってくる。
京都代表、小崎まり選手に声援を送る。
すると次の瞬間、彼女は前の選手を抜きにかかった!…やったね、声援が届いたで~。

その後いったん家に戻り、再びTV観戦。
先ほど声を出していないメンバーがいたので、
「しっかり応援せなあかんやん」というと、
「なんか、声だすのはずかしい」というので、
「声援ひとつで選手のスピードは0.5秒速くなるんやで。7人で声かけたら3.5秒は速くなるやん」と、滅茶苦茶論を唱えつつ、次は折り返しの7区観戦のために沿道に出る。

京都の7区は昨年この区で区間賞をとった、立命館宇治高校の伊藤紋(あや)選手。
手足の長いスポーツ美人で、スピード感抜群。
トップから少し離れた2位で僕らの前を通過。
「伊藤、行け~ッ!」
「あやちゃーん、がんばれーッ!」
と、知り合いでもないのにちゃん付けで応援。
いやぁ、盛り上がりました(笑)。

その後も続々と47都道府県の選手たちが駆けてくる。
鍛えられた選手たちが目の前、数mのところを一生懸命走る。寒空の下であっても体が熱くなり、感動する。
選手のゼッケンを見て、「北海道がんばれー!」「沖縄がんばれー!」と県名で応援する。
はるばる京都まで来てくれて、感動をありがとう!

さて、再び家に戻りTV観戦。
伊藤選手の頑張りで首位に数秒まで肉薄した京都は、中学生区で双子の久馬(妹)が登場。
解説の高橋尚子さんも舌を巻く歴史的激走で独走態勢を作り、そのままアンカーに繋いでみごと優勝。
京都は大会5連覇!やったね!
で、レース終了後は録画したビデオをチェック…自分たちの沿道応援シーンがテレビに映っていることを確認し、大いに盛り上がった。

次の日、京都新聞の電子版を見ると、今年も区間賞をとった伊藤紋選手のインタビューが載っていた。
「『伊藤、頑張れ』って名前で応援してもらいうれしかった」
…もちろんこの記事は、観戦メンバー全員にすぐにメール送信した。

ちなみに高橋尚子さんは、岐阜県代表でこの大会を何度も走っており、初出場の時はなんと区間47人中、45位だったらしい。
それが後の五輪金メダリストになるんやから、これもまた感動的な話やね~。
今回の駅伝を見る限り彼女の引退後も、日本女子のレベルの高い長距離王国は続きそうだ。

高橋尚子 1972~ 元女子マラソンランナー。2008年引退。現解説者。

高橋尚子 1972~ 元女子マラソンランナー。2008年引退。現解説者。

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