山の一家*葉根舎「葉根たより」【34】|MK新聞連載記事

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山の一家*葉根舎「葉根たより」【34】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、山の一家*葉根舎(はねや)の「葉根たより」とその前身記事を1998年12月16日から連載しています。
MK新聞2019年10月1日号の掲載記事です。

大森梨沙子さんの執筆です。

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葉根たより

リリリリ…ジージー 朝夕はすっかり涼しくなり、秋の虫たちの音色が心地いい。
「草露白(くさのつゆしろし)」「玄鳥去(つばめさる)」
草の葉に白露が宿りはじめ、ツバメが南方へ去っていく頃。残暑の厳しさはありますが、雲の形、水の温度、日の傾き、葉の色、空気の質に少しずつ秋色が濃くなってきました。
新学期始まり、また朝五時にかまどへ火を入れてお弁当作りの日々。日の出も遅くなりましたが、虫の音、薪のはぜる音に耳を澄まして、心を込めて。

<あたたかな実り>

今年の夏はよく晴れたため、トマトがたくさん採れました。十二年くらい自家採種を続けているトマト。上へ上へどんどん伸び、どんどん実りました。この完熟トマト、玉ねぎ、米酢、にんにく、しょうが、塩、こしょうをかまどで三時間コトコト煮詰め、ノンシュガートマトケチャップを毎年瓶詰しています。冬になる頃にはよりまろやかになる、大切な保存食です。
そして、白菜、人参、大根など秋野菜の種まき。かわいい芽が出たり、ひらひら飛ぶ蝶に卵を産み付けられたり、虫に食べられて蒔き直したり。雪の季節への食材たち、すくすくと育ちますように。
田んぼは九月下旬から稲刈りが始まります。それまで、台風や獣たちから持ちこたえることを祈る日々。最近はうさぎです。小さいので柵で防ぐことできず、田の水をおとすと田に入り放題。稲の根元をかりかりと。歯を研いでいるのかな、他によい研ぎ場はないかしら。

<風>

先月、鎌で切ってしまった指の怪我、おかげさまでよくなってきたので草刈りを再開。早朝の草刈り、いつの間にか家族みんなになっていてよく進み、気持ちいい風が吹き抜けていきました。
今年は暑さのためか、草刈りが行き届いていなかったためか、何かわからない小さな虫刺されが多いので、風通しの良い空間をもっと意識して暮らしてゆきたいです。

<からだのーと>

秋にもの悲しさを感じたら、肺と大腸が弱っているサインかもしれません。原因は、脂物と乳製品のとりすぎ。そんな時は、大根、玉ねぎ、ネギ、しょうが、玄米がおすすめです。
九月二十三日の秋分は、昼と夜の時間が等しくなる陰陽調和の日。彼岸花がエネルギーの調整をしてくれるそうです。少食にして、じっくり身体と対話ができるといいですね。
秋分に向けて、草刈りなど身の周りを整えていきたいです。

<命とはつながっているということ>

しとしと霧雨の中、山に佇んでいると、まるで海の中にいるように感じることがあります。揺れる木の葉、海の泡、砂粒、光のかけら…ここにいるだけですべてにつながるような感覚。
夏には、子供たちと浜坂の遊覧船に乗り、普段見ることのない、海から陸を見る風景。岩の色彩、歴史にいつも触っている大地は、ほんの表面にすぎないことを改めて実感しました。そこから感じる地球の成り立ち。
身の周りの植物を描く世界から、もうひとつ広がっていく世界つながってゆく世界を描き始めました。年末に大阪で展示をする予定ですので、詳細はまた記載させていただきます。
日々の山の暮らしからつむいだ本「めぐり草子」のお問合せもありがとうございます。詳しくはHPをご覧ください。

(2019年9月10日記)

葉根舎について

haneya8011@gmail.com
HP:https://www.yamano-haneya.com

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MK新聞への「あ~す農場」の連載記事

1998年12月16日号~2016年6月1日号
大森昌也さん他「自給自足の山里より」(208回連載)

2017年1月1日号~現在
大森梨沙子さん「葉根たより」(連載中)

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