フットハットがゆく【170】「特別編 A2」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2008年12月1日号の掲載記事です。
特別編 A2
今回は京都のHIPHOPダンサー『A2』を紹介したい。
小学6年生の女の子、AKARIとAOIのKIDSコンビ。
頭文字Aが2人でA2というわけだ。
僕が専属ビデオカメラマンをしているストリート ダンス スタジオ『B-TRIBE』に所属している。
彼女たちが幼稚園の頃から、僕は仕事で発表会などの映像を撮っていたが、決定的にA2のファンになったのは3年ほど前である。
とある町の文化祭が小学校の校庭と体育館を貸し切って行われ、『B-TRIBE』率いるKIDSチームも参加した。
校庭の露店コーナーは非常に盛り上がっていたが、体育館の出し物の方は無料にもかかわらず、かなりお客の少ない状況であった。
そこでインストラクターに指示されたA2は、校庭内をまわりながらスクールのチラシをお客に配りつつ、「○○時から体育館でダンスショーをしますので、観に来てくださ~い!」
と、大声で叫んでまわった。
小学3年生の女の子が2人で手をつなぎながら、自分たちのダンスを見てもらうために集客してまわるというシーンに、僕は大人げなくキューンと来てしまった。
そしてこの子たちのために、自分が手伝えることは何でもしてあげたいな、と思ったのである。
その時は僕も大声を出して集客を手伝ったが、そこはA2の2人だけでやった方が効果的だったかもしれん(笑)。
そんな彼女たちも6年生になり、KIDSとして最後の発表会を12月に迎えようとしている。
これを機に少しインタビューしてみた。(AOI=AO、AKARI=AKA)
ダンスの好きなところは?
AO「楽しいし、自分を表現できるところ」
AKA「レッスンで習った振り付けをいっぱい練習して、その成果をみんなに見てもらって喜んでもらえるところ」
―ダンサーとして目指すことは?
AO「2年連続最終審査で落とされている a-nation(のオーディション)に受かること!」(※a-nation=大手レコード会社が主催するライブツアー)
AKA「コンテストで優勝すること!」
―将来、なりたいものは?
AO「パソコンを使って色々なデザインとかしたい。DJやダンサーで目立ちたい」
AKA「ダンスはもちろん続けながら、保育園の先生になりたいです」
A2のペアレンツにも聞いてみた。
―ダンスをする子どもを見ていてうれしい時は?
AOペア「自分たちで目標を作りその目標に取り組む姿を見た時。学校以外の様々な年代の友達も増え、子どもの社会性が磨かれた時」
AKAペア「舞台に立った時、とても楽しそうな笑顔で踊っているのを見た時がうれしいです」
―ダンスを習わせる上での苦労は?
AOペア「送り迎え!」
AKAペア「送り迎え!」
―忘れられない思い出などあれば…。
AOペア「オーディションの時に姉(HAZUKI)が妹(AOI)の手をとって勇気づけ、2人がたくましく見えたことですね」(※AOIの姉もダンサーです!)
AKAペア「AOIちゃんとの出会いかな。2人の仲の良さにはびっくりするほどです。お互い運命を感じているようです(笑)」
徹底的に鍛え上げられたHIPHOPダンスと、子役タレントばりの可愛さを兼ね備えたA2が出る発表会は12月21日『NEXT GATE』。
詳細はこちらでhttp://www.b-tribe.co.jp
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