フットハットがゆく【141】「GO!!ジーラー!前編」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2007年9月16日号の掲載記事です。
GO!!ジーラー!前編
8月に京都でストリートダンスの大きなイベントがあり、映像関係のパートを無償で担当したので、そのご褒美としてニューヨーク旅行5泊7日に招待された。
ということで8月下旬に行ってきました、摩天楼そびえるマンハッタン、ビッグアップル・NYC!
旅の詳細は僕のブログ(『フットハット』で検索してね!)で見てもらうとして、今回の目玉は何といってもニューヨーク・ヤンキース対ボストン・レッドソックスのメジャーリーグ観戦であった。
スケジュールの都合で、3連戦の初戦のみを観戦することが1ヵ月前から決まっていた。
僕は何度もRソックス・松坂大輔の登板日を中4日で計算したが、どうしてもヤンキース戦の前日に彼は投げてしまう。
う~ん、まぁでもゴジラ松井が見られれば充分か!…と思っていた渡米2週間ほど前、奇跡が起こった。
東地区首位を走るRソックス首脳陣が、2位のヤンキースを徹底的に叩くために、あえて自軍有力投手を3連戦にあてると発表したのだ。
つまり、松坂の登板日も意図的に1日スライドされ、僕らが観る試合で投げることに!…
やったー! やったー! こんなにラッキーなことはない!
日本でいうところの巨人阪神戦にあたり、もっとも熱狂的なファンと深い伝統に守られた一戦が、日本人対決という形で観られるのだ!
これはMLBファンならずとも興奮するでしょう?
僕は渡米前、知る限りの人にメールして自慢しまくった(笑)。
さて、忘れもしない現地8月28日火曜日、試合開始2時間前の午後5時頃に僕はヤンキースタジアムに入った。
この球場に来るのは5年ぶり4度目。前回はまだ松井が入団する前であった。
今回は『怪獣ゴジラ』vs『平成の怪物』の日本人対決とあって、僕は子供のように興奮していた。
球場に入るとRソックスの打撃練習が行われていたので、ライトスタンドのあたりをうろちょろしていた僕…。
すると、「ギューーーーンッ」と、メジャー級弾丸ライナーホームランが飛んできて、「ドンッ!」と僕の腕を直撃した。
硬球というのは石の固まりのようなものだから、当たると相当痛いっ!…でもとても嬉しかった。
ボールは運悪く取り損ねたし、痛い思いをして何が嬉しいのか?と思う人もいるかもしれないが、これは道を歩いていて落ちてきた瓦に当たったのとはわけが違う。
ベースボールパークでは、ベースボールが全ての中心であり、大人も子供も選手も客も、ただひたすらに白球を追いかけ、一喜一憂する。テレビでは体感できない夢の舞台の臨場感を味わうために球場に来ているのだから、メジャーリーグのボールに直に触れることはたとえ痛みが伴っても、このうえない喜びなのである。
「宝くじには当たったことがないが、ヤンキースタジアムでホームランボールに当たったことはある!」と、一生自慢できるのである。
(ただし練習球ね…)
さて、紙面の都合で、試合が始まってからの様子は次号に続く、としたい。
次回には松井、松坂、岡島の他、A・ロッド、ジーター、デイモンも登場するよ!
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