フットハットがゆく【102】「別券奪うわ」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【102】「別券奪うわ」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2006年2月1日号の掲載記事です。

別券奪うわ

つい、先日、今年の6月にドイツで行われるサッカーのワールドカップの日本戦のチケット抽選があった。
グループリーグでは3戦行われる。
つまり勝とうが負けようが、最低でも日本の試合は3試合行われるのだ(カイザースラウテルン、ニュルンベルク、ドルトムント)。
ということで3戦全部申し込んだが、見事に抽選から外れた。
「厳正なる抽選の結果、残念ながら 落選 となりました。」と3通のメールが来た。がっくり。

しかし僕はまだ諦めていない。
これは、参加国協会分チケット販売であり、あくまで日本のサポーターに当てられたチケットなのである。
ちゃんとFIFAの公式ページで、サポーター席とは違うチケットも申し込んだ。
これの抽選が1月下旬に行われるので、果たして結果はいかに?
ちなみに、僕は今回のワールドカップのチケットゲットに対して、4重のトライルートで攻めている。
前回の日韓ワールドカップの時は、2重ルートで攻めて、1枚も日本戦のチケットをゲットできなかったので、今回は倍の4重策を取った。

ちなみに、僕が今まで生観戦したワールドカップは、日韓の時のイングランドvsアルゼンチン(札幌)、フランスWCの時の日本vsアルゼンチン、日本vsクロアチア、の計3戦である。
この中で一番面白かった試合は、残念ながら日本戦ではなく、イングランドvsアルゼンチンであった。
イングランドのベッカムやオーウェン、アルゼンチンのアイマールやクレスポといったスター選手が縦横無尽にピッチを駆け回り、本当に興奮したものだった。

ということで、今回もグループリーグの中の好取り組みといわれる、アルゼンチンvsオランダ(フランクフルト)、イングランドvsスウェーデン(ケルン)といった試合のチケットも申し込んだ。
日本戦含め、どれか1枚でも当たったら、僕はドイツまで行くで!
ドイツはまだ行ったことがない国なので、これを機にぜひ行きたい。
本当はベルリンやミュンヘンといった都市に行ってみたいのだが、見たいカードがないので、今回はパス。

なんで他人の玉けりにここまで熱心に興奮しなければならんのかということを冷静に考えると、たいがいアホらしいのだが、とにかくそれを基点にして、いろいろな思い出を作りたいのだ。
ドイツでサッカーの試合を見て、そのあとにビールとソーセージで朝まで飲む…というのが、ここ4年の僕の夢である。
これは、その経験をした人は100パーセントそういうが、現地のお酒は現地で飲むのが一番うまい。
料理もそうだ。土地の匂い、景色、気候、音と相まじり、現地ならではの独特の味を体験できる。
現地以外で体験不可能なそれを求めて出かける。サッカー観戦はどこか目的地を決める大きなきっかけである。
その時期は否が応でも街を上げて盛り上がるし、その活気と熱気を吸収して自分のパワーにしたいのだ…。

ということで、どうかお願い、チケット当たって!もし当たらなかったら、誰か別の人の券を奪ってでもいくで。

フランツ・ベッケンバウアー(ドイツ) 1945~ 「皇帝」としてその名を歴史に残す元サッカー選手。ワールドカップドイツ大会の組織委員長。

フランツ・ベッケンバウアー(ドイツ) 1945~ 「皇帝」としてその名を歴史に残す元サッカー選手。ワールドカップドイツ大会の組織委員長。

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