山の一家*葉根舎「葉根たより」【39】|MK新聞連載記事

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山の一家*葉根舎「葉根たより」【39】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、山の一家*葉根舎(はねや)の「葉根たより」とその前身記事を1998年12月16日から連載しています。
MK新聞2020年3月1日号の掲載記事です。

大森梨沙子さんの執筆です。

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葉根たより

やわらかな空気のまま迎えた大寒。幾度か雪が降りましたが、翌日にはとける春のような冬のまま立春を迎え、その直後にやっと冷え込み、50㎝ ほど積もりました。
寒さと雪がこんなにも嬉しく感じるのは、初めてではないかと思います。
草木や獣、虫たちはどのように感じているのでしょう。二月の七十二候は「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」
春風に氷が溶け始め、暖かな雨に土が潤い、活気づく頃。例年はまだまだ寒く、南の方ではそんな景色が広がっていること、土の中では春の相談が始まっていることを想像するのですが、今年は暦通りの世界がうちの山にも広がっています。

<変化に心澄まして>

雪のない冬、枯れ葉の色が深まってゆくのが新鮮でした。そして、こんな時期に落ち葉があるとは! と、集めて畑へ。げんさんは山仕事がしやすいけれど、山にゆっくりしみてゆく雪の水分がないので、水不足の心配も。獣や虫も増える予感。
ですが、心配をしても仕方がありません。対策はイメージしつつ、コツコツとお味噌やキムチ、ゆずなどの季節の仕事、村の仕事、作品制作をしながら身の回りの自然を見つめ、表面にとらわれず今できることに集中すること。それが、地球の変化を少しでも深く感じ取れることにつながれば、と思います。

<冬山遊び>

小中高の三兄弟、お友達の家へ遊びに行くとどうやらゲームばかりなので、うちに来てくれた時は外遊びを促します。気が利く次男すぎなは、私の思いを察知してみんなを山へ上手に連れ出し、山歩きに慣れていない子の面倒を見ながら尾根の方へ登りたっぷり遊んできます。みんなまたうちに来たがってくれるので、やはり山は楽しいようです。
雪が積もれば雪かきを暗くなってもする子供たち、(特に満月あたりの晩はお月さまと雪に反射する光でとても明るく、夜の散歩をしたくなるほどです)雪がなければ、下草が枯れて虫もおらず、山歩きしやすいので山の中で秘密基地ごっこ。冬は意外と一年で一番外遊びをする季節です。

<薪火とお留守番>

私たち夫婦が出会ったのは、パプアニューギニアへ行くNGOのツアーがきっかけ。その時の懐かしい仲間からのお誘いがあり、初めて子供たちは夜遅くまでのお留守番をしました。
少し心配もしつつ、日頃たくさんのお手伝いをしてくれているので信頼し、いざ出発。帰ってくると、薪ストーブの火がいい具合に残っていて部屋は暖かく、ご飯は少し焦げたようですが、かまどでちゃんと炊いてリクエストで作っておいたおかずと共にしっかり食べてくれたようでした。たまには子供だけの時間もよい成長につながるのかもしれませんね。

<誕生日の過ごし方>

二月は次男すぎなと私の誕生月。子どもの誕生日、プレゼント、お料理、ケーキのリクエストに応えて準備するのは楽しく、笑顔を見るととても嬉しくなります。
でも、自分の誕生日は特に何も欲することがなく、成り行きで小さな子のいる友人が数名遊びに来て、お餅つきをすることになりました。
そして誕生日、まだたくさん残っている雪に燦々と輝くお日様の光がキラキラと踊るようなお天気。みんなが暮らす山の麓はもう雪が溶けてしまっているので、まだ三つくらいの子供たちは山の上のたくさんの雪に大はしゃぎ。わが家の餅米を薪で蒸し、杵でつきたてのお餅もみんなたくさん食べました。うちの子たちは交代で面倒を見てくれ、子育てが楽しくも大変な友人たちはゆっくり過ごせて大喜び。うちの子たち、ご褒美を期待しての行動でもあるのですが(笑)
豊かな自然と子どもたちの笑顔が紡ぎ続けられるような暮らしと作品を作りたい、そんなふうに想っている私にとってその光景はまさに理想の世界。最高の誕生日になりました。毎年、そんな誕生日を過ごしたいと思いました。でも、そんなふうに思えるのは日頃、やりたいことをさせていただいているからこそ。改めて、家族と環境に感謝でいっぱいになりました。

<からだのーと>

節分は二十四節気の終わりの日、豆まきは一年の邪気払い。この日を目安に物事、心身の整理をすると季節の巡りに身体のリズムがあってきます。翌日の立春から太陽エネルギーが強まり、春の足音が。旧暦の一月七日にも七草粥、一月十五日に小豆もぜひ。消化を助け、女性ホルモンを調整してくれます。

<展示案内>

三月三日から二十三日は、京都府福知山のまいまい堂「春ガ来タ」へ出品。
四月十一・十二日は、わち山野草の森での野外展「森の展示室」へ出品します。四月十一日は山の暮らしと制作のトークもします。季節を楽しみに、ぜひお越しください。
(2020年2月14日記)

葉根舎について

haneya8011@gmail.com
HP:https://www.yamano-haneya.com

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MK新聞への「あ~す農場」の連載記事

1998年12月16日号~2016年6月1日号
大森昌也さん他「自給自足の山里より」(208回連載)

2017年1月1日号~現在
大森梨沙子さん「葉根たより」(連載中)

葉根たよりのバックナンバー

 

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