山の一家*葉根舎「葉根たより」【38】|MK新聞連載記事

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山の一家*葉根舎「葉根たより」【38】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、山の一家*葉根舎(はねや)の「葉根たより」とその前身記事を1998年12月16日から連載しています。
MK新聞2020年2月1日号の掲載記事です。

大森梨沙子さんの執筆です。

葉根たより

この冬は、あのピンと枝先まで張りつめた、物音ひとつしない白銀の世界にまだ出会えていません。
空気が柔らかく過ごしやすいのですが、冬が暖かいということは、夏もまた一段と暑くなるかしら、水不足にならないかしら、獣や虫が増えるかな、などという思いがめぐります。
私の暮らす九軒の山の上の村の水道は、村で管理している特設水道なので、水が止まると夫げんが水源へ行き、タンクやパイプに故障などがないか確認し、補修をします。水源の水不足、設備の老朽化で年に数回止まることがありましたが、最近タンクなどを新設できたので後は水不足です。強い雨は山の表面を流れてしまいますが、雪はじっくり山の地下へと浸透していきますから雪は貴重な水源となります。その雪がないと心配になりますが、心配をしても仕方がありません。地球の変化に耳を澄まし、今すべきこと、感じるべきこと、小さな変化をしっかり見つめていたいと思います。
寒の入りの「小寒」、最も寒気の増す「大寒」、本格的な冬はこれから。お味噌も仕込む季節です。「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」地中で凍っていた泉が動き始め、沢に氷が張り詰める頃。冬至を越え、陰陽の気がうごめいているように感じます。

 

<新たな身体へ>

我が家は十二月、子供たちが順に風邪をひき、個展疲れがあった私も久しぶりに熱を出して寝込みました。冬至前に整えたいことがたくさんあったけれど、すっかりあきらめ、身も心も空っぽに。しっかり排毒ができてよかったです。
回復しだした年末に大掃除、おせち作り、元旦にやっと年賀状作り、二日に初詣、三日に餅つきと、家族で穏やかに過ごすお正月が愛おしく感じました。今年も毎日の暮らしと身体を大切にしながら、より良いものを心を込めて作りだしていきたいと思います。

 

<百姓仕事>

家族で一人だけ風邪をひかなかったげん。発送作業の多い師走に畑仕事、家事と大忙しでした。そのうえ、私の両親に頼まれていたテラス作りもし、大工さんになったり、農家さん、パン屋さん、お餅やさんと日替わりで変身。百の仕事をこなす百姓を志したげんのお父さんの想いをしっかり引き継いでいます。
テラスの棟上げは子供たちと。まだ力が足りず重たい桁を上げるのは大変でしたが、なんとか上がり、いい経験になったと思います。りっぱなテラスになり、実家のご近所さんもびっくりしてくれました。

 

<からだのーと>

立春前の一月十七日から二月三日は冬土用。寒さで腎臓、膀胱系が弱り、免疫力が下がるので、根菜の煮物、葛湯、梅醤番茶、足湯、半身浴がおすすめです。
寝込んだ時は、いつも梅醤番茶に助けられます。体調を崩した時は、消化する力がなくなるので栄養をとるのではなく、食べずに排毒へ力を回します。子供たちは教えなくても、動物のように自然と食べずに寝て、たまにお茶や梅干しを欲しがるので感心してしまいます。
気候が例年通りでなくなり、急に暑くなったり寒くなったりするので体調管理も難しくなってきましたが、草木のように水面下できちんと準備をして、しなやかに在れるといいですね。草木を師として、より深く感じていきたいです。

(2020年1月14日記)

 

■葉根舎

haneya8011@gmail.com
HP:https://www.yamano-haneya.com

 

 

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MK新聞への「あ~す農場」の連載記事

1998年12月16日号~2016年6月1日号
大森昌也さん他「自給自足の山里より」(208回連載)

2017年1月1日号~2022年12月1日号
大森梨沙子さん「葉根たより」(72回連載)

 

葉根たよりのバックナンバー

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