フットハットがゆく【268】「火傷について」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【268】「火傷について」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2016年3月1日号の掲載記事です。

 

火傷について

先日、寒くて乾燥した日に足の甲を火傷しました。
割と赤く腫れて、膿みが白くたまってきました。
さてみなさんは、足の甲を火傷するシチュエーションとして、どんなことを想像しますか?
僕のパターンは絶対当てられない自信があるので、これが賭けなら大金をはります。

シンキングタイムとして、僕が乳首を火傷したときの話をします。
乳首の火傷はなんとなくシチュエーションが思い浮かびます。
水着で花火をしていて火花が飛んだとか、ろうそくを使ういかがわしいプレイをしていたとか…ハズレです。
ある暑い夏の日に部屋で素っ裸でおりまして、お腹がすいたのでフライパンで肉野菜炒めを作りました。
引っ越ししたてで、机も皿も無く、フライパンを直接イスにのせて、自分は地べたに座って食べるというスタイルでした。
そうするとだいたい、フライパンは胸の高さにくるわけで、コショウを取ろうと体を前屈みにした瞬間、焼け石のように熱々のフライパンの角が、ぼくの乳首をジュッ! といわせたわけです。
まさにジュ乳。噛まれたように赤く腫れあがりましたよ。

さらにシンキングタイムの間に、昔、父と僕で同時に●門を火傷した話をします。
小学生の頃ブラジルにおりまして、家族旅行では両親の部屋と子ども部屋(3人)がつながった形式の部屋に泊まりました。
初めてのブラジル家族旅行で泊まったホテル。
トイレに行きますと、通常の洋式便器と、その真横に蛇口付きのおまるのようなものがあり、蛇口をひねると、おまるの真ん中から上に向けて勢いよく水が飛び出します。
聞くと、用を足した後、おまるにまたぎ変えて、●門をきれいに洗うための装置だそうです。
これは初体験、さっそくやってみようと蛇口をひねりますと、熱湯が噴水のように飛び出て、●門大火傷!「熱ぃぃぃ〜!」といってトイレを飛び出ると、隣の部屋から父親がお尻を押さえて飛び出してきて「熱ぃぃぃ〜!」と飛び跳ねていました。
親子同時にオオカミに襲われた羊のように目を丸くして目をみ合わせました…まさに●門のオオカミ!

さてどうでしょう、そろそろ足の甲の火傷の答をいいます。
僕はおそらく前世がカエルだったと思うのです。
平泳ぎが得意。虫が好き。指先が丸い。寒いのが大嫌いで冬は冬眠したいくらい。
などの理由がありますが、もう一つ、体が常に湿っけていないと落ち着かない、というのがあります。
超汗かきで、体がじっとりしていないと落ち着かないのは、まさに乾燥を嫌うカエルなど両生類の特徴! 僕は寝る前に手足が乾燥していると、気になってまったく寝られませんので、つばを付けて湿らせたり、霧吹きで化粧水をふったりしても乾燥がキツいとすぐに乾いてカサカサ。
そんな時はいつも自家発電です。足の甲と裏をシャカシャカこすり合わせて、摩擦熱で足汗が出れば勝ちです。
が、その日はなかなか足汗が出ず、過去にないくらいの勢いで猛烈にこすり合わせて、やっとのことで発汗して、ようやく寝ました次の日、足の甲を火傷していることに気づきました。
どうです、こんな火傷の仕方を当てられる人はいないでしょう?
考えて損した! と批判されても、僕にとってはカエルのツラに水ですが…。

 

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