フットハットがゆく【232】「雑食」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2013年3月1日号の掲載記事です。
雑食
人間でも、ものすごく恐そうな人が実は優しかったり、とても優しそうで実はおっかなかったり、けっこうギャップがあるものです。
ということで、今回はイメージとギャップのある生き物を紹介します。
生き物というのは大きく3つにわかれます。
肉しか食べない肉食、植物しか食べない草食、肉や植物を食べる雑食。
今から紹介する生き物は何食でしょうか?
クマ…ものすごく凶暴で、肉食のイメージがありますが、実は果実や植物も食べる雑食です。
民家に押し入ったクマが人を襲うかと思いきや、木に上って柿を食べている映像を見たことがあります。
シカを襲ったり、シャケを食いちぎるクマの姿は恐いですが、リンゴを食べたり、ハチミツをなめたりするクマの姿はかわいいですね。
角砂糖など甘いものが大好きです。カワイイ!
ゴリラ…これも凶暴なイメージですが、ほぼ草食です。
時々虫も食べるので雑食に分類されますが、いわゆる動物の肉は食べません。
草食系男子、という言葉が流行っていますが、ゴリラも草食系動物になります。
カワイイ! でも縄張りをあらすとコワイですよ。
スズメバチ…虫の中で凶暴中の凶暴、人を刺し殺すことも出来るこの虫の食べ物はというと、赤ちゃんの汁です。
進化の過程で液体しか摂取できなくなったスズメバチの成虫は、他の虫をとらえて幼虫に与え、代わりに幼虫から分泌液をもらって栄養分を摂るのです。
赤ちゃんに食わせてもらっているスズメバチ、カワイイ!
リス…木の実やひまわりの種が大好きなかわいいリス、草食のイメージが強いですが、虫も大好きな雑食です。
僕が昔飼っていたシマリスは、かごに飛び込んだカナブンや、蛾の幼虫などバリバリ食っていました。
時にはノイローゼになって自分の生んだ子供まで食べてしまいます。コワイ!
チンパンジー…バナナが大好きな草食系おさるさん!と思いきや、他の動物を殺して食べることもある雑食です。
特に小型のサルを殺して食べます。
僕がテレビで見て衝撃的だったのは、テリトリーを荒らした他のチンパンジーをたたき殺して食べていた映像です。
まるで映画『猿の惑星』を彷彿とさせる凶暴さ、コワイ!
カバ…草食動物で、かつ外見がユーモラスなので愛らしくおとなしい動物のイメージがありますが、実はとんでもなくどう猛です。
まず縄張り争いが激しく、自分の縄張りに侵入したものはワニだろうが人間だろうがかみ殺します。アフリカでは年間3,000人近くの人間がカバに殺されており、アフリカで最も恐ろしい野生動物とされています。
オスどうしの縄張り争いも激しく、勝ったオスは負けたオスの子供を殺してしまいます。
たとえ同種族でも自分のタネ以外は残させない! カバ、コワイ!
ちなみにいつも水の中にいるイメージですが、陸に上がると時速40kmで走れるといわれます。
100mの世界記録保持者、ボルトの時速が38kmくらいといいますから、カバはそれより早いわけです。コワイ…。
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