フットハットがゆく【228】「都市伝説的発想」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【228】「都市伝説的発想」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2012年11月1日号の掲載記事です。

都市伝説的発想

最近、僕のまわりで都市伝説的話題がブームとなっていましたので、僕も持論を展開して都市伝説風に仕上げてみます。
ちなみに『都市伝説』とは、根拠は曖昧、不明であっても、うわさ話として興味をそそる話…といった感じでとらえてもらえれば結構です。

『日本の食料自給率は40%未満。海外からの輸入がなくなれば日本は即滅亡する!』
…何年か前に友人と飲んでいた時の話題…「新聞で日本の食料自給率が40%を切ったと載っていた。
このままでは、もし戦争など、何かの拍子に海外からの輸入が途切れたら、日本は即刻滅亡する!」と、友人がなげいていました。
でも僕は、自給率が40%あれば日本は滅亡しないと考えます。究極の言い方をすれば、60%が餓死した時点で、自給率は100%になるわけですから、人口の40%は生き残るわけです。
でもそんな恐ろしい話ではなく、実際にはもっと生き残ると考えます。

まず、現在の日本の食料廃棄率を調べてみますと…なんと3分の1の食料を捨てていると言われています。食料を捨てるタイミングは色々あります。
まず生産過程で作りすぎたものは捨てます。
輸入しすぎて余ったものは捨てます。商品に値しない痛んだものは捨てます。スーパーで売れ残ったものは捨てます。飲食店で売れ残ったものは捨てます。客の残したものは捨てます。家庭で購入された食料もどんどん捨てられます。
キャベツの芯は食べようと思えば食べられるけど固いから捨てます。魚は頭や骨も食べられるけど、面倒くさいから食べずに捨てます。エビフライのシッポは子どもが残すので、はい捨てます。牛肉の脂身はお父さんのコレステロールがたまって体に悪そうだから、はい捨てます。パセリは飾りでしょ? 食べずに捨てます。チョコのおまけのシールが欲しいから買ったけど、チョコはいらないので捨てます。
という具合で、日本人は食料の3分の1を捨てているわけです。
この数字は2位を大きく引き離して世界最低水準です。どこが「もったいない文化」なのか?…。

100%から日本の食料廃棄率を差し引くと、自給率が約70%でも充分なわけです。
さらに現代の日本人はとにかく飽食、食べ過ぎの時代です。
結論は、日本人の現在の摂取カロリーを半分に減らしたとしても、人間は充分に生きていけます。(もちろん、空腹感はつきまとうかも知れませんが…)70%を半分にしたら35%です。
食料自給率が40%を切っていて、急に海外からの食料輸入がシャットダウンされたとしても、食生活さえ変えれば日本人は充分に生きて行けます。どうぞご安心を!…。

ただし、この食料自給率には、食料廃棄率などもすでに計算に入っているとの説もあり、実際には自給率は20%を切っているという噂もあります。
戦時中、敵国の戦闘機に撃墜される零戦の映像を、まるで日本側が勝利したかのように報道したプロパガンダがありましたが、今の日本の自給率も政治的に情報操作され、実は致命的な数値に陥っているかもしれません。
どの説を信じるかは、あなた次第です…。

 

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