フットハットがゆく【207】「41(よいち)1」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【207】「41(よいち)1」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2011年2月1日号の掲載記事です。

41(よいち)2

41歳です、僕は。
京都でテレビの仕事をしていまして、職場(1階)と同じマンションの3階に住んでいます。
ちなみに事務所にはトイレがなく、地下のスタジオに降りるか、自分の部屋にあがるか、です。

ある日、どうしても見たいサッカー日本代表の試合がありましたが、仕事のメドがつきそうもなかったので、録画予約しておくことにしました。
ただ、予約するためだけに3階にあがるのももったいないので、トイレにいくタイミングであがろうと思いました。
それが要領というものです。
テレビ制作はとても忙しく、ひとつひとつものをこなしていては追いつきません。
トイレに行くタイミングで録画予約設定も・・・。
ということで、しばらくするとやって来ました尿意くん。
でもすぐにトイレには行きません。
なぜならパソコンで仕事中、きりのいい所というのがあるのです。
映像のレンダリングやエンコードなど、パソコンがひたすら演算する作業というのがあります。
その間、人間は待たされることになるので、そこを利用してトイレに行くのが要領というものです。
で、レンダリングの作業に至るまで、がまんしてがまんして、膀胱ぱんぱん、もう漏れそうという所でやっとこさレンダリングにこぎつけました。
あわてて、3階にあがり、すっきりさわやか。
尿意からの解放感に満足して、そのまま降りてきてしまいました。
ということで、録画予約をすっかり忘れ、サッカーの試合を見損ねました。
こんなもんでしょうか、41歳というのは? 世間の41歳の皆様はどうですか?

それから何日後か、またも日本代表の試合がありましたが、その日も仕事は早く終われそうになく、また録画予約をすることにしました。
当然、トイレに行くタイミングで予約するのですが、前回のテツを踏まぬよう、ギリギリまで我慢するのはやめました。
ほどよい尿意でキリを付け、レンダリング作業に入り、悠々と3階に上がりました。
ばっちり録画予約もすまし、満足して降りてきました。
でもねぇ、まだ尿意が残っていました。今度はトイレを忘れていました。
こんなもんですか? 41歳。こんなに物忘れが激しい、ぶれぶれの状態では、扇の的も射れませんね。

自動販売機でジュースを買って、ジュースは取ったけどおつりを取り忘れた・・・うん、若い頃たまにやりました。
自動販売機でジュースを買って、おつりだけ取ってジュースを忘れてその場を去った。
ぼ〜っとし過ぎですね。41歳だからですか?

お風呂をためましょう。蛇口をひねってお湯がたまるのを待つ・・・で忘れて風呂桶から水があふれている。
若い頃たまにありました。
お風呂をためるため蛇口をひねり、さぁそろそろたまっただろうと風呂場に行ってみると、風呂桶の栓をしめ忘れていて、水をただ捨てただけ。41歳だからでしょうか?

ちなみについ先日、自分が41歳だったか42歳だったか、本気で分からなくなりました

那須与一 平安時代 弓を得意とした武将。扇の的で有名

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