フットハットがゆく【196】「無事笑い」｜MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2010年4月1日号の掲載記事です。
無事笑い
『Ｂ－ＴＲＩＢＥ ＴＶ』という、ストリートダンス番組を今年から制作しています。
毎週木曜、夜12時からＫＢＳ京都テレビで、大阪や滋賀も映りますのでぜひ見てください！
新聞や雑誌のラテ欄では、『ＤＡＮＣＥ ＴＶ』と表示されています。
さてここで問題です。ラテ欄の『ラテ』とは何でしょう？
① ラテン語の略。
② イタリア語で牛乳の意味。カフェラテの略として使うことも。
③ ラジオ・テレビの略。
答えは３番ですね。使用例文「今週のラテン語講座はカフェラテの特集だってラテ欄に出てたんらって！」。
続けて業界用語クイズを続けたいと思います。
次の使用例文におけるバーターの意味を答えよ。
「売れっ子の芸人に出演依頼したら、同じ事務所の売れない芸人もバーターでついてきた」。
① 牛乳から分離したクリームを練り固めたもの。
② 英語Barterより、物々交換の意味。
③ 束（たば）をひっくり返して呼ぶ放送業界用語。
答えは３番ですね。売れる商品と売れない商品をセット（束）にして売ることをバーターといいます。
いわゆるバーター取引など、物々交換の意味で使われることもあるので、会話の内容で判断するしかないですね。
「バターとチーズをバーターにしてバーターする」。うん、あり得る会話です。
次の使用例文におけるガヤの意味を答えよ。
「今度のレポート番組、レポーターは２人でいいですか？」。
「ガヤであと２、３人入れよう」。
① ニガウリのこと。
② 外野のこと。
③ ガヤガヤさせるのが目的の出演者のこと。
答えは３番ですが、このガヤという業界用語も場面によって意味が少しずつ変わります。
お笑い番組やレポート番組などで、メインの出演者とは違いあまりしゃべったり目立ったりはしないけれど、とりあえず画面をにぎやかに（がやがや）させるために呼ばれる芸人などを「ガヤ」といったりします。
最近ではひな壇芸人など、大きな声で場を盛り上げるガヤ芸人なる人たちもおり、多少すべった話でもガヤ芸人のリアクションのおかげで無事笑いへと繋がるのです。
また、その他大勢のエキストラ的な人たち（主人公の背景でがやがやしている人）をいうこともあります。
ただ単に雑踏シーン（がやがやした場面）をさす場合もあります。
とあるＣＭ企画会議の会話を参考に、使用方法をおさらいしてみましょう。
「世田谷ゴーヤ協会のＣＭの内容を説明するがや。ゴーヤをキャラクターにしたゴーヤ君がおりまして、世田谷ベースボールチームの四番バッターだがや。チームメイトにはガヤとしてニンジンやキュウリがおるわけですがや、連続三振の後ついにゴーヤ君の登場ですがや。ここでスタンド中のガヤが沸き立ちまして、ゴーヤ君はゴーヤを食べてゴーヤのバットでホームランをかっ飛ばし、外野のガヤが大喜びするわけですがや」。
FUJIWARA お笑い芸人。ガヤ芸人として人気を博す。
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