フットハットがゆく【180】「売りもんか?」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【180】「売りもんか?」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2009年5月16日号の掲載記事です。

売りもんか?

今回はフットハット式『アイデアお菓子のプレゼント』を紹介したい。
贈る対象…小学生まで。予算…数百円。必要なもの…パソコン・スキャナ・プリンター。
僕は仕事柄、パソコンの画像加工ソフトを非常に良く使うので、それで思いつき、とてもウケたものを紹介する。

オリジナルチョコ

…100円くらいの一般的な板チョコというのは、だいたい銀紙の上に一枚の包装紙がくるりと巻いてある。
それをきれいに剥がして、まずはパソコンでスキャンしよう。画像加工ソフトを立ち上げて、その包装紙の画像を加工する。
例えば自分の子どもの写真を載せてみたり、チョコの名前を子どもの名前に変えてみたり。
元々の包装紙デザインから、あまりかけ離れない方が、パロディ感が残ってイイ。
デザインが完成したらプリントアウトして切り取り、銀紙のチョコにまいて糊でとめれば、オリジナルチョコ完成である。
中身には触れていないので安全だし、もらった方も自分の顔が大好きなチョコについているので大喜びである。
僕はこのチョコを姪と甥に贈り、大喜びされた。

オリジナルビスコ

…ビスコの箱は、子どもがビスコをかじっているデザインだ。
これは使い!である。
まずは箱の表面だけをスキャンしよう。
子どもの絵の部分を、自分がプレゼントしたい子の写真に差し替える。
箱には『おいしくてつよくなる』と書いてあるので、オリジナルの文に差し替える。
例えばダンスを習っている子には『おいしくてダンスがうまくなる』、姉妹ゲンカばかりする子には『おいしくてお姉ちゃんとケンカしなくなる』、なんて感じで。
デザインが完成したらプリントアウトだが、シール用紙が売っているのでそれに印刷する。
それを切って、箱の表面に貼れば、オリジナルビスコの完成である!
僕はこのビスコをホワイトデーにダンススタジオの子供たちに贈り、大喜びされた。

オリジナルグミ

…最後は一番簡単。100円ショップで3個100円くらいのタッパーを買って来る。
パソコンで作ったオリジナルシールを、そのタッパーのふたに貼り、中には買ってきたグミを入れるだけ。
今回は、ぼくの知り合いのKUMIちゃんというダンスインストラクターさんが引退するので、生徒さんたちに配る『クミグミ』としてプレゼント。
クミとグミをかけているわけだが、クラスや組であれば、『○○組のグミ』とダジャレる点で、グミは便利なのである。

お金にならないし、売りもんにもならない、こんなことに平気で時間をかけたりするのであるが、子どもが喜ぶ顔を想像しながら作ると楽しい。
奇抜なアイデアと独創性で子どもを魅了するウィリー・ウォンカの気持ちがよく分かる。

ウィリー・ウォンカ 米映画『チャーリーとチョコレート工場』に登場する天才ショコラティエ。

ウィリー・ウォンカ 米映画『チャーリーとチョコレート工場』に登場する天才ショコラティエ。

 

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