フットハットがゆく【159】「クラッシュ!」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【159】「クラッシュ!」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2008年6月16日号の掲載記事です。

クラッシュ!

アロハ!
向こうのイベント「まつりinハワイ」に参加するため、6月5~9日までハワイに行ってきた。
今回はその『ハワイの思い出』をダイジェストでどうぞ!

○ハワイでYouTube!

前回YouTube動画のことを紹介したが、今回もひとつ目はそのネタ。
ハワイ最大のショッピングセンター、アラモアナセンターに出かけたときのこと。
ここの中央広場では、5年前にもダンスイベントの様子を撮影して、それを編集してYouTube動画としてアップロードしておいた。
今回、アラモアナセンターに「アップルストア」が出来ていたので、そこで話題の『iPhone』などをチェック。
当然、日本で僕がアップロードした動画もハワイでばっちり見ることが出来た。
Webにアップした情報は世界中で共有できる…と頭では知っていても、実際にこうやって海外で見ると、より実感がわく。
ハワイで撮って日本でアップロードした動画を、またハワイで見る…。
なんとも不思議な感覚だ。僕が熱心に動画を見ていると、店員さんがその画面をのぞき込み、それがアラモアナセンターで撮影されたものと気づいたようで、「オーイェイ!」と笑顔でグッジョブポーズを作ってくれた…。

○遭遇ウミガメくん!

レンタカーでオアフ島北部の『ノースショア』に出かけた。
舞台監督さんがどうしても行きたいというので、米人気テレビドラマ『LOST』のロケ場所を見学に行った(ラニアケアビーチ)。
絶海の孤島で謎のミステリーが繰り広げられるのが『LOST』であるが、意外に民家が近かったのである意味がっかり(笑)…。

それはともかくそのビーチには、浜近くを野生のウミガメが何匹もゆらゆらと泳いでいたので、僕は『LOST』の現場を見るより興奮して、速攻、海に飛び込んだ。
体長1mほどの彼らを水に潜って見ると、まさにディズニーアニメ『ファインディング・ニモ』に登場するウミガメと同じ顔で、嬉しくなった僕の頭は完全にクラッシュ!
二匹捕まえて握手したり、甲羅にまたがって持ち上げてどれくらい重いか計ろうとしたり、大興奮の中、ウミガメと戯れること数分…。
通りがかったおばさんが、「この海岸のウミガメは触っただけで5000ドル(約50万円)の罰金を取られるヨ…」といった。
頭がクラッシュしていて忘れていたが、ウミガメはワシントン条約で保護されている動物なのだ!

しかし実際に触れ合ってみて、なぜウミガメが絶滅の危機に瀕しているのかよく分かった。
とにかくおっとりしていてフレンドリーなのである。
彼らは美味という。しかも甲羅を売れば金になる。
もし僕が少しでも悪い気を起こして、フレンドリーな彼らを裏切れば、簡単に捕獲することができる。
そうやって、恐竜時代から生きて来たウミガメは、いま人類によって絶滅間近にされたのである…。

僕は既にWWF(世界自然保護基金)に参加しているが、今回彼らとの遭遇を機に、さらに自然保護の意識が強まった…。
でもさすがに50万円の罰金は嫌だったので、その場からはすぐに逃げた…
。またいつか会おう、ウミガメくんたち!
そして罰金とか保護とか関係なしにまた戯れたいものだ…。

『ハワイの思い出・イベント編』は次回で、アロハ!

 

クラッシュ 『ファインディング・ニモ』に登場するウミガメ。自由を愛する150歳の現役サーファー。

クラッシュ 『ファインディング・ニモ』に登場するウミガメ。自由を愛する150歳の現役サーファー。

 

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