フットハットがゆく【130】「八十機知」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【130】「八十機知」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2007年4月1日号の掲載記事です。

八十機知

4月になると僕はひとつ歳をとる。
今年で38になる。今、日本の男子の平均年齢は78歳くらいだから、もうすぐ折り返し地点だ。
女子の平均年齢は85歳くらいだから、男女の平均を仮に80歳として、今日はいろいろと計算してみたい。

睡眠…

だいたい人間は、1日の3分の1を睡眠にあてる。
ということは人生80年なら、だいたい26~7年は寝る、ということになる。
27年も寝るなんて、もったいない気もするが、そういう生き物なのだから仕方が無い。

食事…

生き物に絶対不可欠なのが食べること。
個人差があるだろうが、だいたい1食30分として1日3食90分。
これを年間365日、80年をかけると、262万8000分となり、これは約5年に相当する。
人間、人生のうち、まる5年間は食うことに時間を費やすのだ。
もし5年もぶっ通しで食い続けたら、元大関のKONISHIKIの百倍くらい太ってしまうだろう…。

大便…

食べたものは排泄しなければならない。
しかし人間、大便の時間にはかなり個人差がある。
1分足らずで大を済ますうらやましい人もいるが、僕は便の歯切れが悪く、おまけにぢのため、だいたい1回10分は粘っている。
お通じは毎日あるので、計算すると人生、29万2000分を便器にまたがっていることになる。
時間にして4860時間もキバらなければならない。
考えただけでぢが出そうだ。
日にちに計算すると約200日ぶんの時間である。
ちなみに1分で用を足す人は、約20日間しか便器でキバらない計算になる。
僕と、1分の人とでは、人生に180日の差が出ることになる。
この差は大きい。な
んとか別のことで、差を埋める努力をしなければ…。

風呂…

僕が大便でロスした時間を取り戻しているのが、風呂(シャワー含む)である。
僕は自宅で一人で仕事をすることが多いので、そういう時はほとんど風呂に入らない。
外に出て人に会わなければならない時のみ、風呂に入る。
だから、放っておけば1週間くらい風呂に入らないこともある。
まぁ仮に週3回、1回30分の計算でいくと、人生で約260日ほどしか風呂に入らないことになる。
仮に毎日1時間風呂に入る人がいるとすれば、そのひとは1210日以上、風呂に入ることになる。
僕との差は1000日近く!
これで大便の不利はすっかり取り返したぜ!(不潔やっちゅうねん!)

考え事…

それにしても我ながらしようもないことをよく考えるなぁと思う。
基本的に、僕は考え事が好きである。
暇な時はだいたい考え事をしている。
考え事というのは便利なもので、食事中でも、風呂の中でも、トイレの中でもできるし、散歩中や、寝る前なども考え事にはおあつらえ向きの時間である。
だいたい1日に3時間ほど考え事をするとして、人生で約10年、考えまくることになる。
石の上にも3年と言うし、10年も考え事をすれば、それなりに面白いことが見えてきそうなものだ。

人間八十年…機知を得て人生を吉となせるか?

KONISHIKI 1963〜 元大関小錦八十吉<やそきち>。現役時代の体重は280kg!

KONISHIKI 1963〜 元大関小錦八十吉<やそきち>。現役時代の体重は280kg!

 

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