フットハットがゆく【116】「ほ~お!?」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2006年9月1日号の掲載記事です。
ほ~お!?
最近、機材が故障したり、家の水道が壊れたりと、どんどんと予定外のお金が出て行くので、「あ〜僕の持っているお札には羽が生えている!」とブログに書いた。
そしてフッと財布の中の壱萬円札を見ると、おお、確かに羽が生えている。
福沢諭吉さんの裏側に、何かニワトリのような鳥がいて羽を広げている。
そこで僕はその鳥の絵(挿絵参照)をスキャンしてブログにアップし、「さて、この鳥はどこにいるでしょう?」とクイズにした。
そして答えはもちろん「壱萬円札の裏側」とし、「この鳥の羽に切り目を入れておけば、お札が飛んでいく事はないかも…」と、冗談のつもりで書いた。
数日後、そのブログの記事に返信コメントがあり、「その鳥は『鳳凰』といい、宇治の平等院にいるはずだ…」とのこと。
「お札には羽が生えている」のシャレで、何気なくポンと出したクイズだったが、その後いろいろ調べてみていろいろ分かったので、パターン分けして書いてみる。
『クイズ…この鳥はどこにいるでしょう?』に対して…
答えその1…
この鳥の絵は、壱萬円札(裏)からスキャンし、少し加工したもの…。
よって『壱萬円札の裏にいます』で正解。
答えその2…
壱萬円札に描かれている鳥は、京都は宇治の平等院鳳凰堂(阿弥陀堂)の屋根の上にいる『鳳凰』である。
よって『宇治の平等院(鳳凰堂)の屋根の上にいる』も正解。
でも実際の鳳凰像は大気汚染による錆害を避けるため平等院の宝物館(鳳翔館)に保管されているので、『平等院の宝物館にいる』もある意味正解(現在鳳凰堂の屋根にいるのはレプリカ)。
ひっくるめて『平等院にいる』でももちろん正解。
平等院といえば10円硬貨にも描かれており、虫眼鏡で見るとちゃんと屋根の上に鳳凰も乗っているので、『10円玉にもいる』といえる。
答えその3…
この鳥が『鳳凰』であるということだけにこだわれば、例えば『金閣寺や銀閣寺の屋根の上にいる』もある意味正解。
とにかく『鳳凰』がいる場所をいってもらえれば、ある意味正解になるわけである。
答えその4…
『鳳凰』は中国の伝説による架空の鳥(極楽浄土にいるといわれる?)。
よって『中国にいる』、『極楽浄土にいる』、『架空の鳥なのでどこにもいない』という答えもあり…ということになる。
いやはや、クイズって奥が深いな〜!!納得した方はどうぞ、「ほ〜ぉ…」と相づちをお願いします。
さて、この鳳凰の羽に切り目を入れれば、お札が飛んでいく事はない…と最初に書いたが、それでは何となくバチが当たりそうな気も…
そこで、違うおまじないを考えた。
調べていると鳳凰というのは桐の木にしかとまらないそうである(もちろん伝説)。
ということは、財布の中に壱萬円札と桐の木の切れ端をいれておけばグッドなのでは?…
ちなみに500円硬貨には桐が描かれている。壱萬円札と500円玉をセットにしておくのも縁起よさそうかな!
※参…お札のスキャニングは法律に違反します。今回は鳳凰の絵のみのスキャンなので放免願います。
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