真夏を彩る赤い花、京都の百日紅(サルスベリ)おすすめスポット5選
目次
真夏の最も暑い時期に京都で見頃を迎える花と言えば、百日紅(サルスベリ)。
百日紅(サルスベリ)の真っ赤な花には、ギラギラと照りつける真夏の太陽が似合います。
「百日紅」という名前のとおり、かなり長期間開花し、庭園や公園だけではなく、街路樹としても目を楽しませてくれます。
京都にある百日紅(サルスベリ)のおすすめスポットを5つご紹介します。
百日紅(サルスベリ)とは
梅雨が終わり日差しが強くなると、赤や白、桃色の花を咲かせ始めるサルスベリは、ミソハギ科サルスベリ属の中高木です。
中国南部原産で、日本には平安時代に渡来したとされます。夏の花の無い時期に花が咲く木として重宝されました。
猿でも登れないようなスベスベした幹が名前の由来ですが、実は猿は簡単に登ってしまいます。
ある地方では、この木の肌を見ると何となく触りたくなることから〝コソグリの木〟と呼ばれています。
盛夏から晩夏まで長期間開花するため、漢字では「百日紅」と書かれます。
もっと直接的に猿滑と書く場合もあります。
赤だけではなく、白やピンク、紫の花を咲かせる品種があります。
排気ガスにも強いため、社寺や公園だけでなく、街路樹としてもよく使われています。
栽培方法は、耐寒性があるものの、限界温度はマイナス5℃位なので 寒冷地は鉢植え栽培で、冬は室内のほうがよいでしょう。
土質は粘土質を避けた庭土で、植え場所は、半日陰から日当たりのよい所ですが、株元に日がきつく当たると花持ちが悪くなるので、敷きわら等で乾燥防止を行うとよいでしょう。
剪定は厳冬期を避けた10月~12月頃、太い細いを考えないで切りますが、あまりきつく切り下げると花が咲かなくなるときがあるので注意します。
切り口はコブ状にもり上がるので、考えて行います。何度となく剪定し見づらくなったときは、コブの下で剪定するのがよいでしょう。
花は新しく充実した枝に付くので、肥料を1月~3月頃の寒肥え時に他の一般的な木より少し多めに施すとよいでしょう。
移植にはあまり適しておらず、植え替えは根を痛めないよう十分注意します。
サルスベリの大きな敵はカイガラ虫とウドンコ病です。冬の間にマシン油を散布し予防しましょう。
予防しても、新芽が出た頃より花時期まで カイガラ虫にオルトラン アクテリック、ウドンコ病にベンレートなどを定期的に散布するときれいな花が見られます。
① 京都御苑・拾翠亭(しゅうすいてい)<上京区>
おすすめポイント
京都の真ん中にある京都御苑では、たくさんの百日紅(サルスベリ)が咲き誇ります。
最もおすすめなのは、南西部の間ノ町口(あいのまちぐち)付近にある拾翠亭(しゅうすいてい)です。
九条池にかかる高倉橋から眺めると、池越しに見える拾翠亭と百日紅(サルスベリ)のとても絵になる景色を楽しむことができます。
外から見た拾翠亭だけでなく、拾翠亭の中から見た景色もまた見事です。
拾翠亭の二階から眺める景色もまた格別です。縁側から九条池や百日紅(サルスベリ)を眺めながらゆっくりできます。
京都御苑内では他にも苑内各所で美しいサルスベリを見ることができます。
代表的なのは、南西の間ノ町口(あいのまちぐち)や、南東の寺町御門などの立派なサルスベリです。
入口の真正面にドンと咲いている姿は見事です。
サルスベリは剪定によって花付きがかなり変わりますが、そこはさすが京都御苑。毎年見事にたくさんの花を付けます。
見頃は7月下旬~9月上旬ごろですが、木によって差があり、京都御苑内のどこかで長期間楽しむことができます。
入苑情報
京都御苑は、京都市街のほぼ中央にある緑のオアシスです。
かつては皇族や公家の屋敷が建ち並んでおり、幕末には歴史的事件の現場となりました。
首都が京都から東京へ移ったあと、徐々に取り払われ公園化されました。今では野鳥や木や虫、キノコなどいろいろな生き物を発見できます。
春の桜、秋の紅葉も有名ですが、夏の百日紅(サルスベリ)は京都を代表する名所です。
拾翠亭のある九条池の周辺は、五摂家の九条邸の庭園跡です。
200年ほど前に建てられた数寄屋風書院のお茶室である拾翠亭は、毎週木金土に公開されます。
都心部にありながら、あまり知られていない穴場スポットです。
京都御苑
入苑時間 | 日中随時 |
入苑料 | 境内自由 |
TEL | 075-211-6364 |
住所 | 京都市上京区京都御苑 |
アクセス | 地下鉄「丸太町」よりすぐ 地下鉄「今出川」よりすぐ |
拾翠亭
参観日 | 毎週木・金・土(年末年始除く) |
参観時間 | 9:30~15:30 |
参観料 | 100円 |
TEL | 075-211-6364 |
アクセス | 地下鉄「丸太町」より徒歩2分 |
公式ホームページ:京都御苑 | 一般財団法人国民公園協会
② 梅小路公園・朱雀の庭(すざくのにわ)<下京区>
おすすめポイント
街路樹などとしてもおなじみのサルスベリですが、主役になることはあまりありません。
しかし、サルスベリが堂々主役を張る庭園が京都駅のほど近くにあります。
梅小路公園の朱雀の庭では、桜や紅葉を差し置いてパンフレットの表紙に採用されるなど、サルスベリが主役です。
この朱雀の庭の日本庭園は、平安遷都1200年を記念して京都の庭師たちが作庭技術の粋を結集してつくられたという庭園です。
サルスベリを楽しむため、名だたる庭師たちが趣向を凝らして作り上げたと言っても過言ではありません。
黒御影石の上にほんの1cmだけ水を張り、鏡のように見せる「水鏡(みずかがみ)」が朱雀の庭の最大の特徴です。
水鏡に赤やピンクや紫色のサルスベリと、真っ青な空が写り込む景色が、朱雀の庭の最大のみどころです。
真夏にこそ見るべき庭園です。
見頃は7月下旬~8月中旬ごろです。
入園情報
「朱雀の庭」は平安建都1200年を記念し、京都の技術の粋を結集してつくられた池泉回遊式の日本庭園です。
水鏡を中心に、野筋(のすじ)や築山が配され、歩くにつれて大きく景色が変わっていきます。
梅小路公園は、1995年に貨物駅の跡地に開園した13.7haの公園です。園内には芝生広場や朱雀の庭など、様々な景色を楽しむことができます。
京都水族館や京都鉄道博物館に続き、2019年には新たに梅小路京都西駅が開業しました。
周辺では続々とホテルが予定など、大きく変わりつつあるエリアです。
朱雀の庭(梅小路公園は日中随時園内自由です)
休園日 | 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 |
入園時間 | 9:00~17:00(入園は16:30) |
入園料 | 小学生以上 200円 |
TEL | 075-352-2500 |
住所 | 京都市下京区観喜寺町56-3 |
アクセス | JR「梅小路京都西」よりすぐ |
公式ホームページ:梅小路公園| 京都市都市緑化協会
③ 円山公園(まるやまこうえん)<東山区>
おすすめポイント
神社仏閣はたくさんあるものの、公園は少ない京都の町。
京都を代表する公園といえば、東山の円山公園です。
有名な祇園枝垂桜の向い側にある瓢箪(ひょうたん)池の周囲には、美しい百日紅(サルスベリ)が咲きます。
円山公園は、近代を代表する作庭家である小川治兵衛によりつくられた庭園です。
その中心をなす瓢箪池には百日紅(サルスベリ)が美しく映りこみます。
見頃は8月下旬~9月上旬とやや遅めです。
入園情報
東山を背景に、八坂神社の東側にひろがる京都で最も古い公園です。
池のまわりに木々が茂り、茶店や料亭が点在しています。
「祇園の夜桜」として知られる枝垂桜の大木があるお花見の名所でもあります。
中ほどには、坂本龍馬・中岡慎太郎の銅像が立てられています。凛々しい表情が魅力的です。
2016~20年度にかけて、経年劣化した施設の修復や、繁茂した樹木の適切な剪定により悪化した眺望の回復などを行う再整備が行われており、100年前の円山公園の姿が蘇えろうとしています。
完成が楽しみですね。
入園時間 | 日中随時 |
入園料 | 園内自由 |
住所 | 京都市東山区円山町 |
アクセス | 京阪「祇園四条駅」より徒歩10分 |
公式ホームページ:円山公園のご案内
④ 平等院(びょうどういん)<宇治市>
おすすめポイント
10円玉のデザインで知られる平等院鳳凰堂は、日本で最も有名な木造建築かもしれません。
鳳凰堂と庭園は、ともに極楽浄土を表しています。
その鳳凰堂の前に咲くのがサルスベリ。
2014年に修復工事を終えて美しくよみがえった鳳凰堂に、サルスベリの華やかな紅が加わると、さらに極楽浄土がイメージしやすくなるでしょう。
見頃は8月中旬~9月上旬です。
拝観情報
1052年に平安貴族の別荘地であった宇治の地に藤原頼通(よりみち)が開いた寺院です。
阿弥陀如来像が安置されている鳳凰堂は、まさに鳳凰がつばさを広げたような形です。
平等院が平安時代後期の1052年に建立されたのにはわけがあります。
当時、水害や疫病などで世の中はさらに乱れつつありました。
末法(まっぽう)の世が始まると言われたのが1052年。
不安な社会の中で、まさにその年、阿弥陀仏を本尊とした浄土世界が宇治に作られたのでした。
拝観時間 | 8:30~17:30(受付終了は17:15) 鳳凰堂内部拝観と鳳翔館は別途 |
拝観料 | 大人 :600円 中学生・高校生:400円 小学生 :300円 鳳凰堂内部拝観は別途300円 |
TEL | 0774-21-2861 |
住所 | 京都府宇治市宇治蓮華116 |
アクセス | JR「宇治」より徒歩10分 京阪「宇治」より徒歩10分 |
公式ホームページ:世界遺産 平等院
⑤ 出雲路橋(いずもじばし)<北区>
おすすめポイント
ここまで、庭園を彩るサルスベリを京都の代表として選定してきました。
最後に、街路樹として利用されているサルスベリからも一ヶ所選定します。
出雲路橋の西詰に咲くサルスベリは、ちょうど奥に秀麗な姿の比叡山が望める絵になるスポットです。
見る角度によって形が変わる比叡山ですが、出雲路橋からだと「都富士」とも称される美しい円錐形をした姿が見られます。
比叡山は二つの山頂を持つ双耳峰ですが、ここから見ると富士山型です。
実は、出雲路橋から山頂のように見えているのは、最高峰の大比叡(おおびえ/848m)ではなく、四明ヶ岳(しめいがたけ/838m)です。
四明ヶ岳の山頂付近には、ガーデンミュージアム比叡があります。
賀茂川側の河川敷は公園になっています。
橋の両側を明るい赤色に染めながら、公園で思い思いに過ごす人たちを見守っているかのようです。
毎年2月に開催される京都マラソンでは、河川敷がコースの一部となっており、出雲路橋の下をくぐるようになっています。
見頃は8月上旬~9月上旬です。
見学情報
洛中から鞍馬へと向かう鞍馬街道が賀茂川を渡る橋です。
京の七口の一つである鞍馬口にあたり、今は鞍馬口通と言われています。
「出雲路」とは古代氏族の出雲氏に由来し、出雲国から移住してきた一族とされます。
西詰には、賀茂御祖神社(下鴨神社)の古い道標が立っています。
おわりに
サルスベリが見頃を迎える時期は、他に見頃の花もあまりありません。
夏休みの京都観光で花を楽しみたいという方には、サルスベリがおすすめです。
街路樹としてもあちこちで利用されているので、車窓からも楽しむことができます。
堀川通や鴨川などで見ることができます。
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