京都府立植物園の蓮は早朝開催の「観蓮会」がおすすめ!250品種の美しい蓮

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京都府立植物園の蓮は早朝開催の「観蓮会」がおすすめ!250品種の美しい蓮

250品種もの蓮が咲く京都随一の蓮スポットである京都府立植物園。
園内各所で多彩な美しい蓮が咲きます。
なかでもおすすめは、3日間だけ早朝から行われる「観蓮会」。早朝から蓮を満喫できます。
2023年は7月7日(金)~9日(日)の開催です。

京都府立植物園の蓮

園内各所で多彩な品種の蓮の花が植えられているため、見頃は7月上旬~8月中旬ごろまで長く続きます。
蓮の花だけでなく、2023年は7月28日(金)~8月1日(火)に行われる「朝顔展」もかなりおすすめです。変化朝顔(へんげあさがお)はすごいです。

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮 咲き始め 2019年6月13日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮 咲き始め 2019年6月13日 撮影:MKタクシー

四季彩の丘の蓮

4ヶ月にわったって鉢植えの蓮が展示

日本最大級の植物園である京都府立植物園では、園内各所で蓮の花を見られます。
最も見ごたえがある蓮の花があるのは、園内北西部にある「四季彩の丘(しきいろどりのおか)」です。
もとは宿根草・有用植物園でしたが、2012年に大規模なリニューアルが行われ、今の形になりました。

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮「蟹爪紅」 2021年10月2日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮「蟹爪紅」 2021年10月2日 撮影:MKタクシー

鉢植えにされた多彩な色や形をした蓮の花が、長期間にわたって順次開花していきます。
6月中旬ごろから、鉢植えの蓮が並べなれます。蓮の開花にあわせて鉢も入れ替えられ、最も遅い蓮は10月初めまで設置されています。
四季彩の丘では、実に4ヶ月近くにわたって鉢植えの蓮を楽しむことができます。

京都府立植物園・四季彩の丘の多彩な蓮 2021年7月20日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・四季彩の丘の多彩な蓮 2021年7月20日 撮影:MKタクシー

 

多彩な品種を間近で観察

四季彩の丘の蓮は、多彩な品種の蓮が見られるのがうれしいポイントです。
京都府立植物園ではなんと約250品種もの蓮を栽培しており、四季彩の丘では順次見ることができます。
色も花弁数も大きさも異なる多彩な蓮を見比べてみてください。
お気に入りの蓮の品種を探してみるのも楽しいですよ。
日本産の品種だけでなく、中国産の品種の蓮も多数展示されています。

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮と甲虫 2017年8月5日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮と甲虫 2017年8月5日 撮影:MKタクシー

鉢植えなので、すぐ目の前で見られるのもうれしいところです。
蓮の魅力である香りも堪能することができます。
蓮の蜜を求めて集まってくるハチなどの虫たちもじっくりと観察できます。

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮と蜂 2017年8月5日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮と蜂 2017年8月5日 撮影:MKタクシー

 

蓮池(中池)の蓮

 

池を埋め尽くす蓮

園内中央の半木の森にある「蓮池(中池)」では、池を埋め尽くすように蓮の花が咲き、見ごたえ十分です。
蓮池に咲くのは、巨椋池系の「巨椋の曙」と「巨椋斑」の2品種です。

京都府立植物園・蓮池の蓮 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・蓮池の蓮 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

蓮は本来湿地帯に群生する植物です。
自然に近い姿で咲く蓮を見ることができます。
鉢植えの蓮もいいですが、のびのびと育った蓮はやっぱり元気です。

京都府立植物園・蓮池の蓮 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・蓮池の蓮 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

蓮池の蓮は2品種しかないため、比較的開花のタイミングが揃います。
例年7月中旬前後に開花のピークを迎えます。
一斉に開花しているときの蓮の香りはすごいです。
風向きが変わったときには、むわっとするような強烈な甘い香りが体中を包みます。

紅から白へと変わる巨椋の曙 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

紅から白へと変わる巨椋の曙 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

蓮は一般的に開花当初が最も色が濃く、次第に退色して白っぽくなっていきます。
赤い色素であるアントシアニンが開花が進むにつれて分解されるためです。
京都府立植物園に咲く「巨椋の曙」は特に色の変化が顕著な品種です。
咲きはじめはピンク色をしていますが、散るころにはほぼ白色になっています。
まるでキツネに化かされたかのように、ピンクと思っていた蓮が白い蓮に変わることから、巨椋の曙には「キツネ」という愛称もあります。

京都府立植物園・蓮池の蓮 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・蓮池の蓮 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

 

 

あじさい園の蓮

あじさいをバックに咲く蓮

四季彩の丘や蓮池よりは規模が小さいですが、園内南東部にあるあじさい園の池でも蓮が咲きます。
その名のとおり、あじさいがメインのコーナーのため、例年7月上旬くらいにはあじさいをバックにした蓮を見ることができます。
開花状況によってはあじさいと蓮のタイミングがすれ違ってしまう年もあります。

京都府立植物園・あじさい園の蓮 2019年7月13日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・あじさい園の蓮 2019年7月13日 撮影:MKタクシー

あじさい園に咲く蓮は、大賀蓮、舞姫蓮、請所の本紅の3品種です。
なかでも大賀蓮は2千年前の遺跡から発掘された種から育った品種として有名です。

京都府立植物園・あじさい園の蓮「舞妃蓮」 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・あじさい園の蓮「舞妃蓮」 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

あじさい園の池には、かつてはカキツバタなどが植えられていました。
京都府立植物園内でも最も低い位置にあるあじさい園は、園内から養分を含んだ水が集まってきます。富栄養の環境を嫌うカキツバタの育ちがいまいちだったため、2011年に蓮に植え変えられました。
蓮は富栄養から中栄養まで、比較的幅広い環境で生育可能です。

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮 見頃 2018年8月4日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮 見頃 2018年8月4日 撮影:MKタクシー

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京都府立植物園の観蓮会

観蓮会とは

蓮の名所では、見頃の時期に蓮を楽しむ「観蓮会」が開催されます。
お寺の場合は「かんれんえ」で、公園などの場合は「かんれんかい」と読むことが多いです。
蓮が美しい早朝時間帯を中心に開催されます。

京都府立植物園でも観蓮会が行われ、とてもおすすめです。
例年は7月半ばに「観蓮会―蓮を楽しむ3日間―」が開催されます。
2023年は7月7日(金)~9日(日)に観蓮会が開催されます。

観蓮会では、早朝開園と蓮の花の案内に加えて、土曜日には碧頭杯体験、日曜日には折り花体験などの体験イベントが行われます。
体験イベントはコロナ禍でしばらく開催されませんでしたが、2023年は4年ぶりに復活します。
碧頭杯体験(定員30名)と折り花体験(定員15名)は事前予約制です。
2023年は早々に定員が埋まってしまっていたのでご注意ください。

京都府立植物園の観蓮会 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園の観蓮会 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

 

観蓮会レポート(2021年版)

早朝から人気の観蓮会

京都で早朝から蓮の楽しめる「観蓮会」といえば、法金剛院と京都府立植物園と宇治市植物公園で行われます。
そのうち、京都府立植物園で開かれる2021年7月10日(土)の観蓮会(かんれんかい)に参加してきました。

観蓮会先着30名とのことだったので、念のためにやや早めに行きました。
明らかに30名より多くの人数が集まっていましたが、2組に分かれたての案内となったので、ちょうど1グループ30名くらいでの開催でした。
案内役は、京都府立植物園の元園長で京都花蓮研究会の会員である金子明雄さんでした。もう一組は、京都府立植物園の現役職員である山本和喜さんでした。

京都府立植物園の観蓮会 碧筒杯の実演 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

碧筒杯の実演(京都府立植物園の観蓮会) 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

観蓮会での体験イベントは中止でしたが、実演しているのを見ることができました。
碧筒杯(へきとうはい)は、象が水を飲むのに鼻を上げ下げするのと同じように、蓮の葉を上げたり下げたりしながら飲むことから「象鼻杯(ぞうびはい)」とも言われます。

肝心のお味は、ほろ苦いそうです。
おいしいかどうかは微妙ですが、清涼感を感じる季節を感じる味わいだそうです。

 

目玉はアムール川の野生蓮

京都府立植物園の観蓮会 アムール川の野生蓮 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

アムール川の野生蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

2021年の観蓮会の目玉のひとつが、アムール川流域の野生蓮です。
蓮は、有史以来人間とともに歩んできたため、人が関わっていない野生の蓮は存在しないと思われていました。
ところが、近年アムール川の流域で野生の蓮が発見されました。
インドなど熱帯地域が発祥とされてきた蓮の歴史を変えるかもしれない発見です。
この野生の蓮の花を現地以外で初めて開花に成功させたのが、京都府立植物園です。開花しないのは日照時間の違いであるとの仮説に基づき、LEDなどを駆使した電照栽培により、みごと開花させることができました。
蓮の謎が解き明かされる日が来るかもしれません。

 

千枚以上の花弁を持つ蓮も?!

京都府立植物園の観蓮会 千弁蓮 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

千弁蓮を剥く(京都府立植物園の観蓮会) 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

続いて、四季彩の丘に並ぶ鉢植えの蓮を回りながらの説明です。

蓮には、一重、半八重、八重といろいろな咲き方がありますが、千弁蓮という千枚を越す花弁をつける蓮もあります。
向いても向いても延々と花びらが出てくる変わった蓮の花です。
突然変異によって、このような珍種が誕生しました。
色も形も変異が大きいのが、蓮の魅力のひとつです。

 

再生工事で生まれ変わった蓮池

京都府立植物園の観蓮会 蓮池 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

蓮池(京都府立植物園の観蓮会) 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

四季彩の丘を一通りまわると、蓮池へと移動します。

蓮池では、蓮が満開を迎えています。
今は多くの蓮が咲き誇る蓮池ですが、ほんの10年ほど前までは大きく様相が異なりました。

京都府立植物園の観蓮会 蓮池 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

蓮池(京都府立植物園の観蓮会) 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

以前の蓮池には、葉はたくさん茂るものの、なぜか蓮の花はわずかしか咲いていませんでした。
当時園長を勤めていた金子さんは、蓮池を訪れた入園者から「蓮の花はいつ満開になるんですか?」と聞かれ、「これ以上咲きません」と答えざるを得なかったこともあったそうです。
2009年から池の土壌を整備し水深を浅くする再生整備が始まりました。あわせてミドリガメ対策を施し、品種を入れ替えたところ、今のように多くの蓮の花が咲くようになりました。
現在咲いている蓮の品種は、京都の巨椋池に由来する巨椋の輝(おぐらのかがやき)と巨椋斑(おぐらまだら)です。やっぱり京都には京都の蓮の花がぴったりなんですね。
巨椋の輝も巨椋斑も、白をベースに花の一部にピンク色が差す美しい花を咲かせます。

今は2種類の蓮が咲いていますが、いずれはどちらか1種類になる可能性が高いそうです。
強い品種が弱い品種を駆逐するのです。
そのため、弱い品種は池ではなく鉢で育てないとうまく育ちません。

京都府立植物園の観蓮会 紅白咲き分けの蓮 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

紅白咲き分けの蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

蓮池の中ほどには、ひとつだけ紅白咲き分けのつぼみがあります。
蓮の花は交雑することで、どんどん新しい品種が生まれていきます。
蓮好きの人は、こういう変わった蓮の花を見逃さないそうです。

45分の予定だった蓮案内でしたが、たっぷり70分も案内してもらいました。
金子さん、ありがとうございます。

京都府立植物園の観蓮会 玉楼人酔 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

玉楼人酔(京都府立植物園の観蓮会) 2021年7月10日 撮影:MKタクシー

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観蓮会レポート(2022年版)

実際に蓮を手にしながら解説

京都で早朝から蓮の楽しめる、京都府立植物園の「観蓮会」。
2021年に続いて、2022年7月8日(金)の観蓮会(かんれんかい)に参加してきました。

平日にも関わらず、2021年と同じく60名ほど集まっており、2グループに分かれての開催でした。
2021年は元園長の金子明雄さんのグループだったので、2022年は京都府立植物園の現役職員である山本和喜さんに案内いただきました。

京都府立植物園の観蓮会 蓮池での開花後の変化の説明 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

蓮池での開花後の変化の説明(京都府立植物園の観蓮会) 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

まずは、蓮池の案内から。
つなぎの防水着を着用しており、いきなり蓮池へとどぼん。
開花1日目、2日目、3日目、4日目の蓮を採集し、実物を見せながらわかりやすく説明してもらえます。

京都府立植物園の観蓮会 開花1日目の蓮の花 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

開花1日目の蓮の花(京都府立植物園の観蓮会) 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

採集された蓮の花は、参加者に順番に回ってきます。
開花1日目の蓮の花は、中央の黄色い雌しべはすでに成熟しており、既に受粉可能な状態です。
目の前に実物があるので、とてもわかりやすい説明です。

京都府立植物園の観蓮会 開花1~4日目の蓮の花 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

開花1~4日目の蓮の花(京都府立植物園の観蓮会) 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

ちょうど手前から、1日目、2日目、3日目、4日目と並んでいます。
花の違いがとてもよくわかります。それぞれ違いはありますが、どれも魅力的でとてもきれいな花です。
香りが良いのは1日目と2日目です。

京都府立植物園の観蓮会 蓮華とレンゲ 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

蓮華とレンゲ(京都府立植物園の観蓮会) 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

ここでクイズがはじまりました。
「散った蓮の花をかたどって作られた道具は何でしょう?」
正解は写真のとおり、レンゲです。ズボンから突然レンゲが出てきて一同びっくり。
中華料理でスプーンの役割を果たすレンゲは、正式名称は「散蓮華」といいます。
並べて見ると、たしかによくわかりますね。

 

本物の大賀蓮

京都府立植物園の観蓮会 大賀蓮 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

大賀蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

続いて、京都府立植物園内を縦断し、南東部にあるあじさい園の池へと移動。
あじさい園の池では、有名な古代蓮「大賀蓮」が咲きます。
実は、今大賀蓮と言われている蓮の多くは本来の大賀蓮ではありませんが、これは本物です。
植物園らしく、品種管理は厳格に行われています。

2022年の観蓮会を案内いただいている山本さんは、平等院の「平等院蓮」を育てた人でもあります。
1999年に、平等院の阿字池を発掘調査中に、約200年の地層から蓮の種が一つ出土しました。
当時、山本さんはその種を譲り受けた宇治市植物公園に勤務していました。
そのたった一つの種を育てるという大役を担当し、翌年無事に花を咲かせたそうです。
今では、平等院や京都府立植物園をはじめ、10ヶ所ほどで平等院蓮を観られるそうです。

京都府立植物園の観蓮会 舞妃蓮 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

舞妃蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

大賀蓮の周囲には、大賀蓮と王子蓮の子である舞妃蓮(まいひれん)が咲きます。
王子蓮は、1960年に皇太子(現上皇)がアメリカで託されて日本へと持ち帰ったキバナバスです。
王子というのは、皇太子のことを指します。
舞妃というのは、皇太子妃(美智子上皇后)を指すそうです。
オリジナルの王子蓮は既に失われましたが、舞妃蓮は人気でいろんなところで見かけます。

京都府立植物園の観蓮会 キバナハスのコレクション 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

キバナハスのコレクション(京都府立植物園の観蓮会) 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

 

ナショナルコレクション認定の裏話

再び京都府立植物園内を縦断し、四季彩の丘へ戻ります。
2022年に京都府立植物園の「野生のハスおよびキバナハスのコレクション」がナショナルコレクションに認定されたことを記念する展示コーナーがあります。
この貴重なコレクションのうち、キバナハスは山本さんがレンタカーでアメリカを走り回って採取してきた蓮です。
失われた王子蓮のルーツを研究する過程で生まれたコレクションです。

京都府立植物園の観蓮会 アムール河の蓮 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

アムール川の蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

2年前にようやく開花したという、アムール川産の自生の蓮です。
今年は既に開花は終わっており、蓮の花は見られません。
蓮に昼の時間を長く錯覚させるためのライトが点灯されています。

京都府立植物園の観蓮会 妙蓮をむく 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

妙蓮をむく(京都府立植物園の観蓮会) 2022年7月8日 撮影:MKタクシー

最後は、最古の蓮の園芸品種といわれる妙蓮の紹介です。
妙蓮とは、花弁の数が1,000枚を超えるという珍しい蓮です。
足利義満に献上されたという記録が残ります。
花弁をむいてもむいても花弁が出てくるという実演です。
たまねぎよりもすごいです。

45分の予定だった蓮案内でしたが、たっぷり60分も案内してもらいました。
山本さん、ありがとうございます。

 

観蓮会レポート(2023年版)

2023年も7月7日(金)の観蓮会(かんれんかい)に参加してきました。
コロナも収束し好天にも恵まれたことから80名くらいの大人数での開催となりました。
先着60名と表記されていますが、実際には人数制限はありません。
始まってからでも途中参加も問題ありませんし、途中で抜けることもできます。
45分間の予定ですが、毎年1時間前後かかるのでご周囲ください。

蓮葉茶(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

蓮葉茶(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

蓮葉茶と蓮芯茶

観蓮会の受付は7:45からです。四季彩の丘の受付で資料を受け取ります。
受付では、蓮葉茶と蓮芯茶をいただけます。
宇治市植物公園の観蓮会いただける蓮茶はこの蓮葉茶です。
蓮葉茶は、蓮の葉を乾燥させて作った茶外茶です。ほんのり甘く少しぬめっとした味わいです。
朝から暑いなか、きんきんに冷えておりとてもおいしいです。

蓮芯茶(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

蓮芯茶(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

続いて初挑戦の蓮芯茶です。蓮の種の胚芽を焙煎して作った茶外茶です。
かなり苦みが強いのが特徴で、まるで薬のようです。実際にいろんな薬効があるそうです。
蓮芯茶はホットでの提供です。

蓮芯茶(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

蓮芯茶(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

牧野富太郎と蓮

7月7日の講師は元京都府立植物園長で京都花蓮研究会長の金子明雄さんです。
京都府立植物園の職員にとっては、年に1回元上司から蓮の生育状態のチェックが入る緊張の日とのこと。
かなりの大人数にも関わらず、今回は1グループでの案内です。

京都府立植物園の観蓮会 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園の観蓮会 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

まず、受付のテント内でちょうど今放映中の朝ドラ「らんまん」の主人公もモデルである植物学者の牧野富太郎さんと蓮のお話しです。
牧野富太郎も蓮について様々な研究を行っており、著書「植物記」に「蓮の話 双頭蓮と蓮の曼陀羅」という章を設けています。
植物記では、蓮がレンコンから直接生えるという俗説に対して、地下茎から生えるという事実を繰り返し主張するなど、変わり者だった牧野富太郎らしい個性的な記述がされています。

牧野富太郎「植物記」出典:国立国会図書館デジタルコレクション

牧野富太郎「植物記」出典:国立国会図書館デジタルコレクション

 

巨椋池の蓮

続いて、四季彩の丘の鉢植えの蓮の案内です。
四季彩の丘には巨椋池の蓮を集めたコーナーがあります。

巨椋池の蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

巨椋池の蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園の40倍もの広大な巨椋池は蓮の名所として有名でしたが、1941年に干拓されました。
しかし、土を盛る埋立ではなく、水を抜く干拓だったために、多くの蓮の種が残りました。
巨椋池干拓地から採取した多くの蓮の品種があります。

請所の本紅(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

請所の本紅(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

巨椋池の蓮の品種名は、蓮の特徴から名付けられた「巨椋の〇〇」というだったり、採取された地名だっだりします。
例えば巨椋池の品種としては唯一八重咲の「請所の本紅」の請所というのは地名です。
変わったところでは「にぎりめし」という品種があります。採取地の地形がにぎりめしのようであることに由来します。

京都府立植物園が持っている巨椋池の蓮の品種数は日本一です。

緑が残る白蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

緑が残る白蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

白い蓮の中には、部分的に緑色をしている花もあります。
この緑色はクロロフィルです。通常は開花前に分解されるのですが、中には開花後もまだ緑が残っている場合もあります。

 

いろいろな蓮

小麗錦(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

小麗錦(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

蓮は色によって白蓮、紅蓮、斑蓮、爪紅蓮などに分類されます。
この小麗錦は一見すると白蓮のようですが、花弁の先に少し紅が差しています。
このような蓮を爪紅(つまべに)蓮と言います。

妙蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

妙蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

花弁数が千枚を超える珍しい蓮を妙蓮と言います。
関西だと滋賀の近江妙蓮が有名です。
このように向いても向いても花びらが出てきます。
有名な當麻寺曼陀羅は、この妙蓮の茎から取った糸で織ったと伝えられています。

當麻曼陀羅「国史大図鑑」出典:国立国会図書館デジタルコレクション

當麻曼陀羅「国史大図鑑」出典:国立国会図書館デジタルコレクション

 

蓮池の蓮

蓮池(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

蓮池(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

四季彩の丘から蓮池へと移ります。

蓮池の蓮は背丈が低めです。蓮池は土壌が固く石が多いため、蓮の生育にはあまり向いていないためです。
今ではかなり土壌も良くなってきましたが、最初のころはさらに小さかったです。

1~4日目の蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

1~4日目の蓮(京都府立植物園の観蓮会) 2023年7月7日 撮影:MKタクシー

2021年・2022年と重複する部分は省略しています。
実際の案内内容はもっと充実したものです。

2023年7月7日の観蓮会は、このあと10:30より高畑公紀氏(京都花蓮研究会理事、生蓮寺住職)による講演会「お釈迦様のハスを探す冒険 」も開催されました。

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京都府立植物園について

京都府立植物園とは

1924年に開園した日本でも最大級の規模の京都府が誇る植物園です。
戦後は進駐軍の住宅地として接収されました。1957年に返還されたときには貴重な植物もほとんどが失われていましたが、復興を果たしました。

京都府立植物園・あじさい園の蓮 五分咲き 2019年7月13日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・あじさい園の蓮 五分咲き 2019年7月13日 撮影:MKタクシー

園内は24ヘクタールと広大です。1992年完成の観覧温室や社叢林を撮り込んだ半木(なからぎ)の森、大芝生広場などがあります。
四季を通じて京都府民だけではなく、多くの入園者でにぎわっています。
中でも夏の京都府立植物園といえば、蓮の花です、
園内では北西部の四季彩の丘、中央部の蓮池(中池)、南東部のあじさい園で蓮の花が見られます。

京都府立植物園・あじさい園の蓮 五分咲き 2019年7月13日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・あじさい園の蓮 五分咲き 2019年7月13日 撮影:MKタクシー

 

入園情報

休園日12月28日~1月4日
入園時間9:00~17:00(受付終了は16:00)
2023年7月7日(金)~9日(日)、7月22日(土)~8月13日(日)は7:30開園
2023年7月28日(金)~8月1日(火)は7:00開園
入園料一般   :200円
高校生  :150円
中学生以下:無料
TEL075-701-0141
住所京都市左京区下鴨半木町
アクセス地下鉄「北山」よりすぐ
観蓮会~蓮を楽しむ3日間~
開催期間2023年7月7日(金)~9日(日)
開催時間8:00~45(受付は7:45から)
開園時間は7:30
参加料無料(別途要入園料)

公式ホームページ:京都府立植物園 Kyoto Botanical Gardens/京都府ホームページ

京都府立植物園・四季彩の丘の蓮 散り始め 2017年8月27日 撮影:MKタクシー

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京都府立植物園・四季彩の丘の蓮 終わり 2017年9月25日 撮影:MKタクシー

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おわりに

蓮が最も美しい時間帯は早朝です。
夜明けとともに見頃となる蓮は、お昼には見頃が終わってしまいます。
蓮を満喫するならやっぱり早朝です。

今回紹介した京都府立植物園は、地下鉄北山駅直結なので早朝でも比較的アクセスは容易ですが、他のスポットは行きにくいことも多いです。
そんなときに便利なのが、タクシーです。
タクシーなら早朝でもどこへでも行けます。
夏は、涼しい早朝から蓮を楽しみましょう!

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