京都福知山の「丹州観音寺」のあじさいがSNSで話題!まるで若冲のようなニワトリとの光景
目次
100種10,000株のあじさいで知られる京都府福知山市の「丹波あじさい寺」こと丹州観音寺(たんしゅうかんのんじ)。華観音寺ともいわれるように、花が美しいお寺です。
ニワトリとあじさいという意外な組み合わせがまるで伊藤若冲の絵画のようだとSNSで話題になりました。
ニワトリだけではなく、ガラスに写ったあじさいやわらべ仏など、見所満載の京都北部の名所をご紹介します。
Twitterでと丹州観音寺が話題に
「おとぎ話のような光景」
社員さんから、おとぎ話のような光景が届きました。 pic.twitter.com/TRiDNnAhFc
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上司からも今まで見たことない光景が届きました🐔 pic.twitter.com/MQRRT6XxlC
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【京都情報】
福知山市『丹州観音寺』
別名「丹波あじさい寺」
1万株のあじさいと天然記念物『小国鶏』🐔2018.6.16 上司撮影
2018.6.19 社員撮影
が混ざってます pic.twitter.com/m5oQalQiqK— MKタクシー (@MKofficial_PR) June 20, 2018
「伊藤若冲を思い出す」
(伊藤若冲を思い出す…) pic.twitter.com/U62EeCLkIF
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丹州観音寺とは
福知山市の丹州観音寺は、関西花の寺 霊場二十五箇所の第一番札所であり「丹波あじさい寺」として知られる福知山のお寺です。
観音寺は、養老4年(720年)創建と伝えられる古刹です。遅くとも建仁2年(1202年)には存在したことが記録に残っています。
今も鎌倉時代からの古文書が多数残っており、鎌倉時代には20坊以上の子院を持つほど栄えました。
室町時代にも丹波守護細川氏の庇護によって繁栄し、丹波西国三十三ヶ所観音霊場の第一番札所となりました。
戦国時代の天正4年(1576年)に明智光秀によって焼き討ちされました。
福知山では明智光秀は大恩人ですが、一方で多くの寺社が焼き払われました。
江戸時代はじめまでは綾部を中心とする何鹿郡に属していました。
天明4年(1784年)に京都府指定文化財である本堂などが復興されました。
同名の寺院が各地にあるために区別するために1896年に丹州観音寺と改称しました。
「丹州」とは、福知山を含む京都府中部の丹波国のことです。
1960年ごろの秘仏本尊御開帳をのときに、本尊の十一面千手千眼観世音菩薩にあじさいの花を楽しんでもらおうと植樹されたのが始まりです。今は関西でも数あるあじさいスポットの中でも早い部類です。
今は100種10,000株ものあじさいが植えられ、「花浄土」とも称されます。
近年はあじさい以外の花もどんどん増やしており、「華観音寺」ともいわれる福知山を代表する観光スポットです。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~16:30 |
拝観料 | 大人 400円 中高生 300円 小学生以下 無料 (あじさい期間のみ。2023年は6月3日(土)~7月第1週) |
TEL | 0773-27-4427 |
住所 | 福知山市観音寺1067 |
アクセス | 山陰本線「石原(いさ)」より徒歩15分 舞鶴若狭道「福知山IC」より車で5分 |
2023年はあじさい祭りは中止
例年6月第4日曜日に行われる「あじさい祭り」は4年連続で中止です。
丹州観音寺のご住職による本堂での法話も行われません。
丹州観音寺のあじさい巡り
駐車場から色とりどりのあじさいが出迎え
丹州観音寺の駐車場へ着くと、正面の斜面を埋め尽くすあじさいが出迎えてくれます。
青だけではなく、白、赤、紫、ガクアジサイと色とりどりで、駐車場からあじさいに圧倒されます。
無料の駐車場は収容台数80台程度あり、平日であれば満車の心配は少ないでしょうが、土日ともなるとかなり込み合います。
京都北部の福知山のという場所柄、車でしか丹州観音寺へのアクセスが難しい印象がありますが、1時間に2本程度停車する石原駅からも歩いて15分です。
JR山陰本線から丹州観音寺へのアクセスもじゅうぶん選択肢になりえます。
石原駅は「いさ」と読み、難読駅としても知られます(「いさえき」で一発変換できて感動)。
石原駅は、福知山駅の東隣、綾部駅から西へ二つ目の駅です。
仁王門を取り囲むように咲くあじさい
続いて参道を仁王門へ。丹州観音寺の仁王門を取り囲むようにあじさいが咲き誇ります。
仁王門内の金剛力士像は室町中期の作で、福知山市の指定文化財です。
門をくぐったところまでは無料エリアなので、この景色は無料で見られます。
丹州観音寺の有料エリアに入るとどれだけすごいのだろうと胸が高鳴ります。
丹州観音寺の山号は「補陀落山(ふだらくさん)」。
観音菩薩の霊場のことであり、観音寺にふさわしい山号です。
京都では丹州観音寺以外にも同じ山号の寺院として、六波羅蜜寺や海住山寺などがあります。
参道両側をあじさいがびっしり
丹州観音寺の拝観受付をとおり、有料エリアへ。
参道両側もびっしりとあじさいが咲いています。
豪華なあじさいだけではなく、苔むした石灯篭と清楚なガクアジサイなど、いろんな景色が楽しめます。
丹州観音寺の受付では、推奨の拝観ルートを説明してくれます。
メインは寺務所で、「振り返ったらガラスに写るあじさいがすごいですよ」という説明がありワクワク。
ニワトリが放し飼いのインスタ映えスポット
右手の階段を登り、丹州観音寺の寺務所へ。
丹州観音寺の寺務所前の庭では数羽の鶏(ニワトリ)が放し飼いにされている不思議な景色に出会います。
背丈の低いあじさいの中を悠々と鶏(ニワトリ)が歩いているのです。
これまで観光ドライバーからも丹州観音寺のあじさいがすごいという写真や情報はもらっていましたが、鶏(ニワトリ)については知りませんでした。
思わぬおとぎ話の国のような光景に驚きです。
あの伊藤若冲を思い出します。
京都画壇が生んだ偉大な画家である伊藤若冲は、生前にも著名な絵師として活躍したものの、日本での地名度は20世紀までは低く、同時代の円山応挙や池大雅ほどの評価ではありませんでした。
小国鶏(しょうこくけい)という鶏(ニワトリ)で、尾長鶏の原種でもあります。1941年には天然記念物に指定されています。
その美しい姿かたちから観賞用の鶏(ニワトリ)かと思いきや、本来は闘鶏用の品種で、多くの闘鶏の原種となりました。
というと、さぞかし凶暴なのかと思ってしまいますが、放し飼いにされているくらいなのでとても穏やかです。
でも下手にちょっかいを出すと闘鶏の血が騒ぐかもしれないので、くれぐれも見るだけにしましょう。
伊藤若冲と紫陽花双鶏図
あじさいと鶏の光景を「まるで若冲」と形容してきましたが、実際に伊藤若冲は、あじさいと鶏を描いています。
有名なのが、伊藤若冲の代表作として知られる動植綵絵(どうしょくさいえ)のひとつである「紫陽花双鶏図(あじさい そうけいず)」です。
宮内庁所蔵の動植綵絵は、全30幅からなる鳥や草花、魚などを描いた作品群です。
釈迦三尊像の三幅とあわせて長らく相国寺が所蔵していましたが、明治になって皇室に献上され、今は三の丸尚蔵館が所蔵しています。
2007年に相国寺の承天閣美術館で、「開基足利義満600年忌記念 若冲展」と題した展覧会では、120年ぶりに動植綵絵と釈迦三尊像の計33幅が一同に介しました。
開館時間の一時間前から並び始めたのに、入館まで4時間待ちだったの今となっては良い思い出です。
伊藤若冲は、動植綵絵以外にもあじさいと鶏をテーマとした絵をいくつか書いています。動植綵絵とほぼ同じ構図のプライスコレクションの「紫陽花双鶏図」が知られています。
上記の作品のように、伊藤若冲はまた別の構図のあじさいと鶏も描いています。
伊藤若冲は、自宅の庭で飼っていた鶏を描いていたと言われます。
あじさいも伊藤若冲の庭で咲いていたんですね。
鏡のような窓ガラスに映るあじさい
そして、受付で説明のあった丹州観音寺の寺務所横に咲くあじさいです。
斜面を埋め尽くすように多彩なあじさいが咲いています。
丹州観音寺の10,000株というあじさいは、三室戸寺や善峯寺など京都市近隣の名だたる名所と同じ規模のです。
「花浄土」というだけのことはあります。
まるで極楽のよう・・・と言ってしまいそうですが、丹州観音寺は観音霊場なので、極楽浄土ではなく補陀落浄土です。
これが丹州観音寺の受付係イチオシのガラスに写るアジサイです。
美しく反射するよう、わざわざ内側には黒いカーテンがかけられています。
まるで鏡のようですが、普通のガラス戸です。
感嘆しながらしばらく眺めていると、ちょうど小国鶏が縁側へぴょんと飛び上がりました。
ガラスの前を行ったり来たりし、「まるでファッションショーみたい」という声が聞こえてきます。
鶏(ニワトリ)も自分が映った姿にうっとりしているみたいです。人間ですらそう思うのですから。
七観音霊場巡り
丹州観音寺の寺務所をあとにし、七観音霊場巡りへと階段を上ります。
この写真も窓ガラスに写ったものです。
ニワトリといい、ガラスといい、他では見られない仕掛けです。
ちょっとした山道を登ったり下ったりしながら七観音を巡り、本堂へと向かいます。
ところどころで咲くあじさいが疲れを癒してくれます。
「なげきの展望台」の秘密
途中「なげきの展望台」と書かれた分岐があります。
この階段を上ったところにある展望台ですが、なぜ「なげき」なのかは登ったらわかります。
ネタばれになったら意味がないので、ちょっとしんどいですが、108段の階段を登って自分の目で確認しましょう。
格子の中にびっしり並ぶ「だるまみくじ」
七観音をぐるっと回ると丹州観音寺の本堂へと出てきます。
天明4年(1784年)建立の本堂は京都府の指定文化財です。
丹州観音寺の本尊である十一面千手千眼観世音菩薩を祀る本堂の観音堂です。
安永7年(1778年)に建てられた、京都府指定文化財です。
手前に咲いているのはアジサイ属の別種であるカシワバアジサイです。
「だるまみくじ」という御神籤があり、引いた後は願い事をひとつだけ書き、本堂の格子に飾るように奉納します。
もともとそういう御神籤だったわけではありませんが、ちょうど格子の枠がぴったりだったことから自然発生的にこうなったそうです。
絵馬と違って願い事は背中側に書かれて見えないため、遠慮なくせず撮影できます。
かわいらしい「わらべ仏」に出会う
丹州観音寺の寺務所にいるニワトリやガラスと並んでイチオシのあじさいスポットが「わらべ仏」。
鐘楼の奥の木陰の中で少しわかりにくいですが、とてもかわいらしい石仏さんたちがいらっしゃいます。
赤いヤマアジサイを前に、とっても良い顔をされています。
あじさいと比べてやや早咲きのため、遅い時期に来ると散ってしまっているかもしれませんのでご注意を。
四季の花が美しい丹州観音寺
「華観音寺」ともいわれるとおり、丹州観音寺はあじさいだけでなく四季の花が美しいお寺です。
あじさいシーズン以外は訪れる人も多くなく、とても魅力的な穴場です。
福知山方面へ行く場合は、ぜひ丹州観音寺も訪れてみてください。
丹州観音寺の春は、梅の開花から始まります。
冬は京都市内よりも積雪することははるかに多いですが、3月になるとあたたかくなり、梅が開花します。
春は、桜です。境内各所に多彩な品種の桜が咲きます。
京都市内よりはやや開花は遅く、例年4月中旬ごろがピークです。
桜と同時に一気に萌え出てくるのが新緑です。
モミジをはじめとした木々に瑞々しい新芽があふれます。
あじさいの葉も伸び始めます。
真夏の福知山は、京都市内よりもましとはいえ案外暑い日が多いです。
丹州観音寺は木陰も多く、風のよくとおるために涼しめです。
濃い緑色をした青もみじがうつくしいです。
丹州観音寺の紅葉は、福知山市でも屈指です。
長安寺とツートップと言っても過言ではないでしょう。
こんなに美しいのに、紅葉シーズンはあじさいシーズンと比べると閑散としています。
丹州観音寺はまずあじさいでブレークしましたが、遠からず紅葉でもブレークすることは間違いないでしょう。
おわりに
丹州観音寺は、「丹波あじさい寺」とも言われ、福知山など丹波地方を代表するあじさいスポットとして知られます。
規模もさることながら、ニワトリとあじさいの組み合わせや、ガラスに映りこむあじさいなど、他では決して見ることができない景色が魅力です。
境内には鶏の鳴き声が響き渡ります。目覚ましのアラームにしたいくらいの声です。
これからも進化を続ける福知山の丹州観音寺には大注目です。
MKの公式Twitter
2018年6月にMK公式ツイッターで丹州観音寺のニワトリとあじさいを紹介したところ、大いに反響を呼び、ツイッターを見て丹州観音寺を訪れたというフォロワーさんもいらっしゃいました。
公式ツイッターでは、担当者やドライバーが集めてきた京都の生の観光情報を随時発信しています。
ぜひご覧ください。
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