自給自足の山里から【109】「人がキラキラして」|MK新聞連載記事

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自給自足の山里から【109】「人がキラキラして」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、縄文百姓の大森昌也さんらによる「自給自足の山里から」を、1998年12月16日~2016年6月1日まで連載しました。
MK新聞2008年1月16日号の掲載記事です。

大森あいさんの執筆です。

人がキラキラして

キューバの地に足をおいた。はじめて自分の生まれた国以外の地に足をおいた。ふっと見れば笑顔にあふれている人々、ヒッチハイクしている人、おどっている人、そしてこちらをみてウィンク!
人が生き生きしている。うれしい。心が躍る。
私はキューバ国際ブリガーダに参加した。チェ・ゲバラが死んで40年の今、キューバに35ヵ国の人々があつまった。すごい人だった。
その時ブラジルのカロリィナと出会った。スペイン語も英語もできない私に「気にしないで」と声をかけてくれた。ふっと気づけばエルサルバドルのマルセロ(19)ともいっしょに笑っていた。
スペインのオリビアともみんな日本語しゃべれない、私もスペイン語できない。でもそんなこと関係なかった。心はつうじているみたいに感じられた。すごくすてきだった。
夜はいつもダンス!!もうすごかった。みんな音を聞いて、そして踊る。キューバ人のマイケルはすごくうまかった。
彼は少し日本語ができる。でもけっこうわすれたみたい。なのにしゃべってる。そのうちにどんどん思い出して、どんどんおぼえていく。
キューバの人はとっても頭もいいみたい。キューバの医療もすごいんだ! 本当にそう思った。キューバは病気になってから考えるんじゃなく、ひとりひとりを見ている。しかも3分の1はボランティアで行っている。だからキューバではひとりでたくさんの人を見ている。でも給料は安い。
ボランティアでキューバに行っている人も安い。アメリカはキューバ人にお金をわたして国に帰れとジャマをしていると聞いた。
でもキューバ人はそん中でたたかってる人のほうがずっとおおい。本当にすてきな人々だ!

ある日みんなでハバナに行った。その時、海沿いの道でお酒をひと口のんで、みんなとびしょぬれになりながらもすごくキラキラして楽しそうだった。
私たちもいっしょに遊んだ。あたたかい、みんなあたたかかった。あるいていても瞳があえば、めちゃくちゃサイコーの笑顔でウィンクしてくれる。
キューバの人々は瞳で語りあうんだ。日本では目があわず、メールでかたりあう人々。キューバをみて日本という国をみると、日本はみんな一人で生きている。ひとりひとりのカベがたくさんある。キューバではみんなつながってた。どこの国とか関係なく、人と人がつながり、すてきだった。
いつも音にあふれていて、色にもあふれていた。そして愛にあふれている。キューバのイスラのほうで出会ったキューバ人のエドワールドさんは日本で働いたことがある、けれどまともな仕事はくれない。彼はこんな資本主義国はイヤだと言っていたみたいだった。
彼はキューバで漁師をしながら自給自足の暮らしをしている。彼がつった魚はブタも犬も鳥も人も食べている。ネコも1匹くわえて歩いている。ブタはマンゴーやパルムの木の実をたべてるので本当においしい!! 彼のおくさんの日本人のよし子さんと動物たちと村の人たちみんなと暮らしている。すごくすてきだった。

キューバは物がないけれど愛にあふれてる。日本には物ばかりあふれ、愛はどこかにいってしまった。もっと物がないほうがいいんだ。物は人をのみこみ、森をこわし、愛までなくしてしまう。
キューバで出会った中に韓国の人がたくさんいた。びっくりするほど平和運動がすごかった。
ブラジルのデニィシが韓国のTシャツをきていた。そのTシャツのマークは再処理工場反対のマークだ! そこには「子どもたちには関係ない、止めてくれ」。彼らのきもちはすごくわかる。日本にも再処理工場があるのをしっていますか?
青森六ヶ所村には大きいのがある。日本人でしってる人は少ない。なのに彼らはしっていた。私は韓国のことなどなにもしらなかった。なのに彼らは日本のことをよくしっていた。日本人は自分の国のことさえしらない。彼は手に古傷があった。消えない傷…デモの時ポリスに切られたと彼は言った。
たたかいは終わってない。キューバの国は本当にすばらしい。でもその前に韓国を知ってほしい。日本の人は自分のことしか興味がない人間が多い。そんな人が多い日本国は他の国に興味がない。でもとなりの国韓国だけは知っていてほしい。キューバで出会ったみんなに出会い、私はおしえてもらった。人が人として生きて、つながって、差別などなくみんないっしょに生きて、歩んでいく。

キューバが停電になってもホワッと光るホタルのあかりがある。
私はキューバのすべてはしらない。住んで、そこで生きていかないとわからないことはたくさんある。
日本に帰ってきた。ニュースをみれば総理が替わっていた。でもなにもかわっていない。キューバを見て体で感じてみて。頭じゃないよ。心で体で、つまさきまで感じるんだ。自然は生きている。そしてうつくしい。人もうつくしい。はじめて人がこんなにもキラキラしているとしった。

 

あ~す農場

〒669-5238

兵庫県朝来市和田山町朝日767

 

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MK新聞への「あ~す農場」の連載記事

1998年12月16日号~2016年6月1日号
大森昌也さん他「自給自足の山里より」(208回連載)

2017年1月1日号~2022年12月1日号
大森梨沙子さん「葉根たより」(72回連載)

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