山の一家*葉根舎「葉根たより」【26】|MK新聞連載記事

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山の一家*葉根舎「葉根たより」【26】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、山の一家*葉根舎(はねや)の「葉根たより」とその前身記事を1998年12月16日から連載しています。
MK新聞2019年2月1日号の掲載記事です。

大森梨沙子さんの執筆です。

葉根たより

冬の朝は寒いけれど、目を覚まし、カーテンを開けるのが一番わくわくする季節です。
真っ白に降り積もり、全てが凍りつき微動すらしない静寂の朝。
陽が雪を照らし、空も大地も輝くまぶしい朝。しんしんと降り続き、音が消えてゆくような朝。
わずかな気温差で姿を次々と変える冬は、ずっと家にいてもちっとも飽きません。
いや、冬は、というより冬も、といった方が正しいですね。春は次々に芽吹く草花の観察に忙しく、夏は日に日に伸びゆく草木に目が離せず、秋は変わりゆく色の演奏に聴き惚れ、どの季節も家の周りの風景を感じているだけで、胸がいっぱいになります。
雪は厳しいけれど、雪のおかげで季節の変化が際立ち、春の到来もひと際光に満ちたものに感じます。
美しさと共にあるもの、裏にあるもの、見つめていたいです。

<ゆれ動きながら光へ>

冬至を過ぎ、陽が少しずつのびてきました。
夕方の五時に子どもをお友だちの家へ迎えに行った時、「あれ? まだ明るいね。」と、その変化に子どもが気付いてくれると嬉しくなります。
「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」
泉の水が温かみをもつ頃ですが、これから「大寒(だいかん)」
「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」厳しい寒さで、沢がすべて凍る頃となります。
目に映るところでは寒さの厳しい時ですが、その奥ではもう春に向かっているのですね。
陰陽が引き合いながら、常に揺れ動き、万物が移り変わってゆくことを感じます。
何事もあたたかい光がやってくる前には、厳しい寒さがあります。
今年も様々なことがあると思いますが、光を信じて精進をしていきたいと思います。

<冬の仕事>

冬の仕事といえば、雪かきと餅つき、味噌仕込みです。
長男つくしは雪かきが大好き。
朝起きると、嬉しそうにすぐに外へ出ていくので驚きです。
道も屋根もどんどんかいてくれるので、大助かりです。
次男すぎなは、餅つきに挑戦。
うちでは冬になると毎月二、三回つくので、餅つきは冬の日常です。
いつも夫婦でついていたので、私は何もせずにつきあがってきて、感動でした。
三臼しっかりついて手にまめができたそうですが、またつくと張り切っています。
寒の水に入ると、味噌仕込みです。
最近、豆類は野ウサギや野ネズミによく狙われるので、やっとの思いで収穫し、唐箕にかけ、豆掃除をするので、味噌仕込みは仕上げのような作業に感じます。
冬はこうして家まわりで仕事をしながら、じっくり絵の制作。草木が静かに佇むように、私たちも内に向かいます。

<からだのーと>

まだまだ寒いけれど、二月四日はもう立春。その前の十八日間は冬土用。
春への季節の変わり目です。その変わり目は陰陽の気が乱れるので、少食、根菜類、かぼちゃ、葛湯、梅醤(うめしょう)番茶(ばんちゃ)、足湯、腰湯などで、日頃の感謝と共に体をいたわりましょう。
立春からまた始まる一年のめぐり、季節の流れにそって、のびのびとした身体と心で穏やかに暮らせますように。

(2019年1月10日記)

 

■葉根舎

haneya8011@gmail.com
HP:https://www.yamano-haneya.com

 

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MK新聞への「あ~す農場」の連載記事

1998年12月16日号~2016年6月1日号
大森昌也さん他「自給自足の山里より」(208回連載)

2017年1月1日号~2022年12月1日号
大森梨沙子さん「葉根たより」(72回連載)

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