フットハットがゆく【300】「祝300回」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2018年12月1日号の掲載記事です。
祝300回
フッと思ったこと、ハッと気づいたことを書き続けて300回目になりました。
2001年の11月号からの連載ですのでまる17年ですか。
9割くらいはしようもないことを書いていると思うので恐縮ですが、貴重な時間を割いて読んでいただく方には本当に感謝しております。
さて最近、フッと思うのですが、女子高生や女子中学生は、なぜあんなに恋バナが好きなのでしょうか? いわゆる恋愛トーク、恋の話です。
僕はストリートダンスのスタジオにて、テレビ番組の制作を行っているので、事務所に大勢の女子高生、女子中学生がたむろします。
そしてそれらの人々はみな恋バナで2時間も3時間も盛り上がっています。アホちゃうか? と、思います。
恋愛を実践しているならまだしも、話だけで数時間を過ごすなど時間の無駄だと思うのです。
話だけで過ごすくらいなら、何か実のあることをしろ! と、49歳のおじさんは思うわけです。時間が勿体無いぞ! と。
しかし、ハッと気づきました。最近、僕自身も話だけで何時間も過ごしたことを。
10月7日の日曜日に、横浜アリーナでボクシングの世界戦がありました。
井上尚弥選手の衝撃1ラウンドKO勝利や、拳四朗選手の4度目のKO防衛もありました。
僕は友人と二人で、京都から泊まりがけで横浜アリーナに観戦に行きました。
京都駅で昼の2時に合流し、4時過ぎに新横浜へ、5時にアリーナ開場、前座も全部見て、世界戦も見て、終わったら近場で晩御飯を食べ、飲み、夜の12時にホテルで解散。
その間、ず~っと、ボクシングの話ですわ。
そして次の日、朝10時に合流して、横浜赤レンガを観光してそのあと中華街に行くつもりが、たまたまドイツビールのイベントがあったのでそこで昼の3時まで飲み食いして、ほろ酔いで移動して新幹線で夕方6時に京都に帰ってくるまで、またず~っとボクシングの話ですわ。
単純に計算して、二日で計18時間、ボクシングの話で盛り上がりました。
これ、ボクシングに興味ない人からしたら、アホちゃうか? っていう時間ですよね。
18時間もただただ話をしているのなら、何か実のあることをしろ! と言われちゃいますね。
もうこれで僕も、恋バナに何時間も花を咲かす女子を、アホ扱いにはできませんね。人ってこんなもんです。
話は変わりますが、僕が横浜アリーナにボクシング観戦に行くのは2回目で、1回目は1998年夏、辰吉丈一郎の世界防衛戦でした。まさに20年ぶりです。
20年前の新横浜の駅では、偶然にも、前日に甲子園制覇した横浜高校の凱旋に遭遇し、松坂大輔投手を間近に見ることができました。
あの爽やかな笑顔は未だに忘れませんし、松坂世代と言われたプロ野球選手がどんどん引退して行く昨今は寂しい限りです。
この話も、人に何十回としましたし、この『フットハットがゆく!』にも書きました。
振り返ればこのエッセイ、ボクシングや野球、サッカーなどのスポーツ無駄話が多かったかもしれませんね。
そんなこんなで300回連載を迎え、いつまで続くのかわかりませんが、これからもよろしくお願いいたします。
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