フットハットがゆく【147】「酒三昧」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2007年12月16日号の掲載記事です。
酒三昧
忘年会シーズン!皆さん飲み過ぎていませんか?
今回は、僕が過去に出会った、真似をしてはならない飲み過ぎ男たちのサケザン話を紹介したい。
しこたま飲んだSくんはベロベロに酔って、裸踊りを敢行。
飲み会がお開きになった後、裸のまま自転車に乗って帰ろうとしたが、気がつくと自転車を布団にして道ばたで寝ていたという。
なんとか起き上がろうとしたが、あそこの毛がチェーンに絡んでとても痛く、一気に酔いが醒めた。
自分がいる場所が全く分からず、朝の5時頃、見知らぬ町内を裸で徘徊(はいかい)する羽目になった。
電信柱のところにゴミ袋が積んであったので、その1枚を破いて中のゴミは捨て、袋を腰に巻いて安物のターザンのような格好でなんとか家にたどり着いたという。
家に着く直前、近所の中学生がクラブの朝練に出かけるところに遭遇した。
いまだにその子は、Sくんを見かけると目をそらすという。
う~ん、サケザン!
しこたま飲んだAくんはベロベロに酔ったまま、1人暮らしのアパートに帰った。
しかし「まだ飲み足りない!」といいながら、冷蔵庫を開けて缶ビールを飲み始めた。
そして、缶を開ける時の「プシュ」という音が妙に快感で、飲みもしないのに、冷蔵庫に入っていた10数缶のビールを「プシュ」を聞くためだけに全部開けてしまった。
それでも飽き足らず、コンビニに行って様々な種類の缶ビールを何本も買ってきて、「プシュ」の聞き比べをしたという…。
翌日目覚めると、そこには蓋(ふた)が開いて中身が丸々残っているビール缶が30本以上あったという。
この話を聞いて僕は「で、どのビールの「プシュ」が一番良かったんや?」と聞いた。
するとAくんは、「多分、どれも一緒だ」といっていた。
う~ん、サケザン!
しこたま飲んだKくんはベロベロに酔って、旅館の宴会場のはしっこで寝込んでしまった。
翌日目を覚ますと、下半身スッポンポンで旅館の布団にくるまっていた。
Kくんには全く昨晩の記憶がなかったので同僚に尋ねたところ、「お前は昨日、畳の上で世界地図を描いていたので、旅館の女将さんがズボンを脱がせてそのまま布団に寝かせた…」ということらしかった。
ようするに、Kくんは畳の上で大々的なおねしょをしたのである。
しかも、その瞬間を宴会場にいた全員に見られたらしい。
この上なく恥ずかしい話だが、当の本人は全く記憶がないので、恥ずかしいという思いも、迷惑をかけた気持ちもまるでないという。
酔ったもん勝ちやな…。
ちなみにKくんはその後、世界地図にちなんで『グローバル・K』というあだ名をつけられた。
う~ん、サケザン!
しこたま飲んだEくんはベロベロに酔って、忘年会に参加していた女子社員10数人全員に、「結婚してくれ!」とプロポーズしてまわったという。
もちろん全員「ごめんなさい!」だったが、1人だけ「いいよ」といった女性がいた。
彼女もかなり酔っていてその時のことはあまり覚えていないそうだが、結局それが縁で、その2人は結婚した。
う~ん、サケザン!
ちなみに、S、A、K、Eくんのうち1人は、僕自身の話です…。
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