フットハットがゆく【134】「魚くん」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【134】「魚くん」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2007年6月1日号の掲載記事です。

魚くん

先日、鴨川沿いを歩いていると、三条から五条のあたりで、川に白いヒモがジグザグに張られているのを見つけた。
何かなぁ?と思って貼り紙を見ると、『川鵜被害対策中』とのこと。放流した鮎の稚魚を川鵜が食べてしまうので、ある程度鮎が成長するまで、川にヒモを張って防ぐのだそうだ。
また、こういう看板も見かけた。
『お願い、野鳥に餌を与えないで! 私たちが出す生ゴミや、過ぎた餌やり行為が、野鳥による被害等の誘因となり、生態系を乱すことにもつながります。』
…生態系を守るために京都市も大変なようだ。

ということで、今回は僕にとって身近な、観賞魚用水槽の生態系について書いてみる。
僕は今水槽を4つ持っていて、そこにはメダカ、ドジョウ、モツゴ、熱帯魚類、小エビ類、貝類、ウーパールーパーがいる。
それぞれの水槽には水草を植えており、目には見えないが、バクテリア類も住んでいるはずである。
理想の水槽は『バランスド・アクアリウム』といわれ、小さな水槽の中でも生態系が完成しているのが良いとされる。
動物の糞をバクテリアが分解し植物の養分に。
植物は二酸化炭素を吸収し動物に必要な酸素を供給。
その他にもコケ類や植物性プランクトン、動物性プランクトンなどが絡んで、様々なことがバランスよく循環する環境がベストなのである。

さて、うちの水槽では小エビ(体長約1・5㎝)の繁殖力がもの凄く、わずか10匹でスタートしたものが半年ほどで300匹くらいに増え、水槽の底をウジャウジャと這(は)っている状態…。
これではバランスが悪いので、小エビを食べる何かを水槽に入れようと思い、ベタ(体長約5㎝)という熱帯魚を一匹買ってきて入れてみた。
ベタは通称『闘魚』といい、非常に闘争本能の強い魚である。
ところが、最初エビを襲っては食べていたのだが、水が合わなかったのか、わずか4、5日で死んでしまった。
その死骸は全部エビに食べられてしまい、ますます栄養を与える結果になってしまった。

仕方がないので、エビを減らすことを一時諦め、エビの住める空間を増やすために、水草を増やすことにした。
ところが、熱帯魚屋で水草を買ってきて水槽に加えたその日から、エビはけいれんを起こし始め、わずか一晩で200匹以上が死んでしまった。
原因は断定できないが、観賞用の水草は、育てられる過程で虫がつかないように『農薬』が使われることがあるらしい。
水草を根の部分で束ねる綿に、たまたまその農薬が残留していたのか?
…魚には害がなかった微量の農薬が、小エビには致命傷だったようだ。本当にすまないことをした…。

このように『バランスド・アクアリウム』を完成させ維持するのは実はかなり難しく、経験と情報収集が不可欠である。
さかなクンに弟子入りして、いろいろ教えてもらいたいくらいだ。
それにしても、小さな水槽でも大変なのに、この大きな地球の生態系を、いったい誰が作ったのかと不思議に思う。
どうかそのバランスが崩されませんように…。

さかなクン 1975〜 タレント兼お魚らいふコーディネーター。五千種以上の魚の知識を持つ。

さかなクン 1975〜 タレント兼お魚らいふコーディネーター。五千種以上の魚の知識を持つ。

 

 

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