フットハットがゆく【120】「5周年特別編」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2006年11月1日号の掲載記事です。
5周年特別編
フッと思ったこと、ハッと気づいたことを書き始めて今回で120回目。
ちょうど、まる5年になる。
たいした内容でもないのにいつも読んで下さる皆様、本当にありがとうございます。
これからもいつまで続くかわかりませんが、よろしくお願いいたします。
今回は5周年ということで特別に、今まで『フットハットがゆく!』に関して受けた質問に対して答えてみたいと思う。
ネタはいつ考えるのか?…という質問をよく受ける。
答えは単純…『〆切の直前!』である。
フットハット用にネタをたくさんストックしておく、ということはまずない。
編集担当者さんが何週間も前から〆切日を教えてくれるのだが、だいたい忘れてしまう。
直前になって担当者さんから「明日中にお願いします!」とメールが来てからネタを考える。
仕事で寝る間もない忙しい時に、フットハットの原稿書きをつっこまなくてはならない場合も多く、そんな時は、「もう、やめたい…」とか、「今回は休ませてもらおう…」とか考えるのだが、今のところ5年間一度も休まず続けている。
知り合いと話している時に一番多い質問はこれ。
『やらしい話やけど、原稿料はいくらくらいなの?』…。
隠してもしようがないのでいうと、答えはズバリ『0円』!である。
まぁボクはアマチュアで金を取るほどの文章を書けるわけでもないし、著名人なわけでもないので、『0円』というのは妥当だと思う。
でもこれを人にいうと、「な〜んだ、素人か…」って顔をされるので、『想像にお任せします…』といってごまかすこともある。
某著名コピーライターさんは『一文字うん百万』の原稿料という…。
僕の場合、毎回1,200字、120回で14万4千字を書いたけど、全部ひっくるめてもゼロ円ですねん。
それを考えると「もう、やめたい…」って思うこともあるが、今のところ続いている。
原稿を書く時間は?…
これはとある学生さんから「すらすら文章をかける人がうらやましい」といわれた時のことなのだが、実は僕もそんなにすらすらは書けない。
確かに1時間ほどで書けてしまうこともあるが、三日三晩原稿の事で頭を悩ましても、一文字も書けないこともある。
そんな時は「もうやめたい…」って思うのだが…。
(ちなみに時間がかかった文章ほど出来が悪いパターンが多い…。)
挿絵はどうやって描くのか?…
文章を書くといってもパソコンのワープロソフトを使っているし、挿絵を描くのもパソコンソフトを使っている。
スパッと気に入った絵が描けることもあるが、何度描き直してもぜんぜんうまく描けず、「もうやめたい…」って思うことも…。
ギャグのように「もうやめたい…」を繰り返してみたが、たまには「書いていてよかった」と思うこともある。
ファンレターが来た時などは、心底嬉しい。
5年間やっていて、もらったファンレターはわずか数通だが、それが意外と心の支えになっていたりする。感謝、感謝!
田舎暮らし公開中! YouTube『塩見多一郎』で検索!
MK新聞について
「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。
ホームページからも最新号、バックナンバーを閲覧可能です。