MKタクシーハイヤー部初、親子ドライバーの挑戦
京都を走る数多くのMKタクシーのドライバーたち。その中で今回は、ちょっと珍しい、親子でハイヤー部にて働く右近親子をご紹介します。
父・右近英貴(ひでたか)さんは、17年間にわたり京都の観光とハイヤー業務を支えてきたベテランドライバー。
その背中を見て育った息子・尚貴(なおき)さんは、2025年入社の新人ハイヤードライバーとして京都の魅力を伝える仕事に挑戦しています。
親子で同じ制服を身にまとい、同じ街を走り、同じ仕事に向き合う。
そこには、働く姿勢の相違や、親子だからこその葛藤、そして共に高めあう姿があります。
今回の記事では、右近親子それぞれの視点からMKタクシーのハイヤードライバーという仕事への思いを伺いました。
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右近親子: 基本情報
幼少期の尚貴さん(左)と英貴さん(右)の写真
お父さん:右近英貴(ひでたか)さん
1969年11月3日生まれ、2008年5月14日に入社、勤務年数17年、国道十条営業所勤務。
主な業務は観光ハイヤードライバー。
担当する西国巡礼ツアーではファンも多い。
※観光ランク:S
※ESDランク:6級息子さん:右近尚貴(なおき)さん
2002年1月13日生まれ、2025年2月3日に入社、勤務年数10ヶ月、父と同じく国道十条営業所勤務。
父と同じハイヤードライバーだが、担当範囲はまだ少ない。
※観光ランク:C
※ESDランク:6級
観光ランクとESDについて
MKタクシーでは、ドライバー一人ひとりのスキルを可視化するため、独自の評価を設けています。その代表的なものが”観光ランク”と”ESD制度”です。
観光ランクは、社内で実施される観光試験の結果によって取得できるランクで、S・A・B・Cの順に分かれています。試験内容は非常に難易度が高く、観光知識や案内力が問われるため、取得には日々の学習と経験が欠かせません。
ESDランク(English Speaking Driver)は、英語での接客対応力を評価するMKタクシー独自の評価です。1級から8級までの段階があり、訪日外国人のお客様にも安心してご利用いただけるサービス品質を支えています。
また、英会話ドライバーと呼ばれることもあります。
英貴さんは西国巡礼名物ドライバー
お父さんの英貴さんはMKトラベルの人気ツアー「西国三十三所巡礼ツアー」の専属ドライバーもしています。元々、英貴さんは生粋の歴史好きで、個人でも西国三十三所をすべて巡るぐらい。
そんな英貴さんが担当するツアーには、英貴さんファンのリピーターが多いそうです。
西国巡礼ツアー中の英貴さん
尚貴さんは時代劇役者を目指していたぐらい歴史好き
MKジャンボ車両と尚貴さん
尚貴さんもお父さんに負けず、歴史好き。
入社前は時代劇役者を目指していたそうです。
MKタクシーに入社後も、歴史好きを生かしてお客様を案内するハイヤードライバーになりたいという想いは人一倍強かった尚貴さん。ハイヤードライバーになるには通常1年ほどかかりますが、運転技術や観光ガイドスキルの向上に努めながら熱い想いを上司にアピール。見事、入社3か月でハイヤードライバーになることができました。
ハイヤードライバーになった経緯
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京都と歴史が大好きな親子
父:
もともと京都で観光の仕事に携わりたいという思いがあったんです。
それでMKタクシーに入社しました。運転も好きでしたし、ガイドにも興味があったので、「ドライバーなら両方できる」と思ってこの仕事を選びました。
息子:
僕は長距離ドライブや時代劇が好きで、京都の歴史や建物の魅力を伝える仕事、“京都に関わる仕事”をしたいなと思っていました。
いざ、就活のタイミングでちょうど父の仕事の話を詳しく聞ける機会があって、「このタイミングは何かの縁があるのかな」と感じてMKタクシーへの入社を決めました。
親子で同じ仕事をすることが決まった時はどう考えていましたか?
父:
息子がハイヤードライバーになるのは反対でした。
17年、長年勤務してきてドライバーの仕事に対する責任は身をもって感じていましたので、自分の息子に同じこの重責を背負わせるのは不安でした。
息子:
入社前は父を見ていると、仕事の事ばかり考えており、会話する機会もあまり無かったんです。 大変そうな仕事だなぁとは思っていましたし、入社前も現在も”父の顔に泥を塗らない”ように、との想いは持っています。
実際に同じ仕事をしてみて
MKの車両と右近親子
仕事は仕事、それでもにじむ親子愛
父:
もともとそんなに会話が多い方ではなかったのですが、入社が決まってから親子の会話が増えたのはよかったと思います。
まだまだ運転、地理、観光知識、英会話等の覚えることが多くて大変だろうなと思いながら様子をみています。
息子:
勤務中はできるだけ親子関係を持ち込みたくないので、具体的な仕事の相談は父以外の先輩にするようにしています。
でも、プライベートでは同じ家で暮らしているので、休日にテレビの歴史番組を一緒に見ているときなどは、父に疑問点を質問して教えてもらう、といったような会話は増えました。
あとは、やはり「父の顔に泥を塗らないように」と意識していて、挨拶や車の清掃など、MKタクシーのドライバーとしての基本を怠らないように気を付けてもいます。
同じ仕事をしてみて、お父さんの尊敬するところは?
右近親子
息子:
入社して改めて、父は責任感の強い人だということが分かりました。
まだ若い自分でも体力的にキツイ場面はあります。
それでも強い責任感を持ち続け、仕事に関わる歴史などのあらゆる知識を深めていっている姿は本当に尊敬します。
今後の展望を聞かせてください
右近親子
父:
MKのトラベル部門を通して私も企画、造成している西国巡礼ツアーなどがあるのですが、今後も自分の知識やサービス力を日々高め、MKタクシーのハイヤードライバーとして更にお客様の満足していただけるものにしていきたいと思っております。
息子:
まだまだ覚えることはたくさんあります。
現在は修学旅行のお仕事を担当していますが、お客様に少しでも京都を楽しんでいただけるように、まずは京都検定や社内の観光試験を受験して、ガイドレベルを上げたいです。
また、多くの海外のお客様をご案内していると、マニュアル通りの英会話では通用しないことがあります。そういったときは非常に悔しい思いをするので、英会話のレベルも上げていきたいです。
いま思う、MKタクシーで働く魅力とはなんですか?
ハイヤー車両と右近親子
父:
MKタクシーは長い歴史を持ち、海外、国内のVIPからも高い評価をいただいている会社です。
そのため、VIPの送迎やハイブランドの展示会の送迎といったお仕事にも関われます。
また、ツアーなどの観光業務では、普通は見られない貴重な文化財なども目にできる機会もあります。
他社では経験できないようなことが多いのは強い魅力です。
息子:
他の会社や業界での経験が少ないので比較は難しいですが…
MKタクシーは働くとなると”厳しい”などの噂があるイメージですが、それは昔の話です。
実際は上司や同僚から気にかけてもらえることが多く、会社からも勤務時間や営業内容などについて負担が多くないか等、気にかけていただけることもあり、快適に仕事ができる職場だと思います。
また、お客様からは、MKタクシーに乗ることを旅の1つの目的にしている、というようなお話をいただくことも多く、責任を感じるとともに、MKタクシーのブランドの下で働けている誇りや安心感があります。
「MKタクシーで働くこと」は他の方にもすすめたいですか?
右近親子
運転席に座る英貴さん
父:
MKタクシーは職場の雰囲気、人間関係も良く、働きやすい会社だと思います。
ドライバーは大変な事も多いですが、お客様の思い出づくりのお手伝いができることはやはり、やり甲斐になります。
京都、運転、歴史、寺社仏閣、観光など、どれか1つでもが好きならMKタクシーという職場をぜひご一考いただきたいです。
運転席に座る尚貴さん
息子:
これ以上、会社内に自分の家族が増えるとやりにくい部分もでてきそうなので、自分の親戚には勧めませんが、友人などには勧めたいと思っています。
自分は中途採用ということもあり、歳が近い人が多くはないので、同じ世代の人が居るとライバル的な存在になり、仕事に対してのいい刺激になるからです。
責任は重いですが、達成感は大きい仕事です。安全第一で誠実な仕事を続けていけば自然と結果に繋がると思っています。
まとめ
17年の経験を持つベテランドライバーの父と、2025年に入社した新人ドライバーの息子。
親子で同じ会社に勤務しながら、それぞれが理想のハイヤードライバー像を目指して業務に向き合っています。
当初は息子の入社に対し、不安を抱いていた父。
それは、ハイヤードライバーという仕事の責任と重みを誰よりも知っているからこその思い。
一方、息子は「父の顔に泥を塗らない」という強い気持ちを胸に、洗車や挨拶といった基本を大切にしながら、向上心を持ち日々業務に取り組んでいました。
それぞれが目標を持って働く右近親子の姿、とくに新人ドライバーである息子さんの話を聞いて「ドライバーの仕事は一人で黙々とこなすもの」というイメージが、良い意味で変わりました。
MKタクシーでは、ドライバー同士が互いに助け合い、刺激を受けながら成長し、お客様にとって最高のおもてなしを届けるために、日々切磋琢磨しています。
そんな職場の空気や、ドライバーという仕事の魅力を強く感じることができました。
MKタクシーのオウンドメディアであるMKメディアの編集部。京都検定マイスターや自動車整備士、車載広報誌のMK新聞編集者、公式SNS担当者、などが所属。京都大好き!旅行大好き!歴史大好き!タクシー大好きです。