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御室桜が美しい京都を代表する遅咲き桜の名所である仁和寺の桜

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京都では、ソメイヨシノが終わってもまだまだ桜の季節は終わりません。
各地で遅咲きの桜が次々と見頃を迎えます。
なかでも遅咲きの桜の代表が、4月中旬に見頃を迎える仁和寺の「御室桜」です。
御室桜を見ずして京都の桜を語れません。

 

仁和寺について

皇族が住職を務める門跡寺院の筆頭

仁和寺

勅使門 撮影:MKタクシー

仁和寺(にんなじ)は、仁和4年(888年)に宇多天皇によって創建されました。
譲位して出家した宇多法皇は、仁和寺で落飾し、仁和寺の第一世となりました。
以来、皇族が代々住職を務める門跡寺院となりました。
門跡寺院は仁和寺だけではありませんが、最初の門跡寺院である仁和寺は、門跡寺院の筆頭とされました。
寺内に設けられた住職の僧房は「御室(おむろ)」と敬称され、仁和寺は「御室御所」と称されました。
1867年に第三十世の仁和寺宮嘉彰親王が還俗し、明治新政府の軍事総裁となりました。
皇族が住職を務める門跡寺院としての歴史は終わりましたが、今も真言宗御室派の総本山として、高い格式を誇ります。 

寺院らしくない宮殿風の金堂

仁和寺の桜

金堂 2008年4月20日 撮影:MKタクシー

門跡寺院として隆盛を極めた仁和寺ですが、応仁の乱では全焼し、しばらく荒廃しました。
17世紀前半に徳川幕府の支援により、ようやく本格的な復興が始まりました。
重要文化財の五重塔や観音堂、中門、二王門、鐘楼、経蔵、御影堂はいずれもこのときに建立されたものです。

仁和寺

金堂 2019年1月19日 撮影:MKタクシー

本堂にあたる金堂(国宝)は、もともと1613年に内裏の正殿である紫宸殿(ししんでん)として建立されたのです。
それを仁和寺復興時に下賜され、金堂として移築したものです。
そのため寺院建築でありながら、寝殿造(しんでんづくり)という珍しい建物です。
今も雅な宮殿風を今も色濃く残しているのが特徴です。

拝観情報

御室花まつり期間

開催期間 毎年3月20日~5月6日
拝観時間 8:00~17:30(受付は17:00)
拝観料
(御室桜)
大人   500円
高校生以下 無料
TEL 075-461-1155
住所 京都市右京区御室大内33
アクセス 嵐電「御室仁和寺」より3分

仁和寺の公式HP

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御室桜とは

京都を代表する桜の名所

仁和寺の御室桜

御室桜 見頃 2007年4月14日(平年4月16日相当) 撮影:MKタクシー

仁和寺の御室桜(おむろざくら)は、京都に数ある桜の名所の中でも特に著名です。
公益財団法人日本さくらの会が選定した「日本さくら名所100選」にも、京都市では嵐山、醍醐寺とならんで名を連ねています。
御室桜は、ソメイヨシノが散る4月中旬に見頃を迎えます。

17世紀に遡る御室桜の歴史

仁和寺の御室桜は、17世紀前半の復興時に境内に桜が植えられたことに始まります。

貝原益軒「京城勝覧」(国立国会図書館デジタルコレクションより)

貝原益軒「京城勝覧」(国立国会図書館デジタルコレクションより)

1706年出版の京都ガイドブックである「京城勝覧」では、

春は此御境内の奥に八重ざくら多し。洛中洛外にて第一とす

と紹介されています。
植えられてから数十年にして、既に京都でもナンバーワンの桜の名所であったことがわかります。

御室桜は1646年頃の再建時に植えられたとされており、樹齢は360年を越えます。

京都府の史蹟名勝天然紀念物(国立国会図書館デジタルコレクションより)

京都府の史蹟名勝天然紀念物(国立国会図書館デジタルコレクションより)

御室桜は、1924年12月9日に国の名勝に指定されました。
桜の名所として名勝に指定されたのは、桜川(茨城県)、小金井(東京都)と並んで初めてのことでした。

京都府の史蹟名勝天然紀念物(国立国会図書館デジタルコレクションより)

京都府の史蹟名勝天然紀念物(国立国会図書館デジタルコレクションより)

狭義の御室桜と広義の御室桜

有名な御室桜ですが、厳密には「御室桜」という品種の桜はありません。
御室桜とは、広義には仁和寺に植えられている園芸品種の桜であるサトザクラの総称です。

仁和寺の桜

御衣黄 2014年4月19日(平年4月23日相当) 撮影:MKタクシー

品種としては、御室有明、車返し、御衣黄(ギョイコウ)、鬱金(ウコン)、普賢象などのサトザクラが含まれます。

狭義の御室桜は、仁和寺の名勝指定地の桜の大半を占める品種である「御室有明(オムロアリアケ)」を指します。

京都府立植物園の桜

御室有明(京都府立植物園) 見頃 2019年4月13日(平年4月12日相当) 撮影:MKタクシー

御室有明と関東有明

京都府立植物園の桜

関東有明 京都府立植物園 撮影:MKタクシー

御室有明は、オオシマザクラ(大島桜)とヤマザクラ(山桜)の系統のサトザクラです。

単に「有明」と言われることも多いですが、関東でよく植えられている近縁の「有明」という品種と区別するため、正式には「御室有明」と言います。
関東の有明は、「関東有明(カントウアリアケ)」と称されます。
御室有明も関東有明も花はほぼ同じですが、御室有明は萼片にギザギザがある点が異なります。

なぜ御室桜の背丈は低いのか

仁和寺の御室桜

御室桜 見頃 2019年4月16日(平年4月15日相当) 撮影:MKタクシー

御室桜の際だった特徴と言えば、背丈が低い点です。
昔から、「わたしゃ おたふく 御室の桜 はなが ひくても 人が好く」と歌われてきました。
丈が低いため、眼前で花を楽しめるのも人々に愛されてきた理由のひとつです。

仁和寺の御室桜

御室桜 見頃 2019年4月15日(平年4月14日相当) 撮影:MKタクシー

御室桜の背丈が低い理由は、今もはっきりしません。
御室有明という品種の持って生まれた性質という説と、仁和寺の土壌の特徴という説が有力です。
古くは、常に強風が吹くために高く育たないという説もありましたが、特段風が強いという事実はなく、否定されています。

この謎を解明するため、住友林業は、クローン増殖した株を全国数ヶ所に試験植栽し、枝振りに違いが出るかの研究を進めています。

八重と一重が混在する御室桜

仁和寺の御室桜

御室桜 見頃 2019年4月16日(平年4月15日相当) 撮影:MKタクシー

御室有明のもう一つの特徴は、一重、八重、半八重の花が入り混じって咲いているのが特徴です。
前述の1706年出版の「京城勝覧」で「八重ざくら多し」と記されているとおり、もともとは御室桜といえば八重桜でした。

仁和寺の御室桜

御室桜 見頃 2008年4月12日(平年4月16日相当) 撮影:MKタクシー

しかし、今は八重よりは一重の花の方が目立ち、およそ9割を一重の花が占めているそうです。
長年にわたって株分けによって増殖してきたため、八重咲きの性質が一重咲きへと先祖がえりしたのではないかとされています。

仁和寺の御室桜

御室桜 見頃 2008年4月12日(平年4月16日相当) 撮影:MKタクシー

このままでは、御室桜は全て一重になってしまいます。
八重咲きの御室桜を残していくため、住友林業では前述のとおり株分けではなく、組織培養によるクローン増殖の研究を進めています。
今のところ、クローン増殖した個体は、八重咲きの花を咲かせており、古くから伝わる八重咲きの御室桜の保存に成功しつつあります。 

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御室桜の開花状況

4月中旬に見頃を迎える御室桜の開花状況を、開花から終わりまで追ってみます。

三分咲き(平年4月8日~10日頃)

仁和寺の御室桜

御室桜 2018年4月1日(平年4月9日相当) 撮影:MKタクシー

京都のソメイヨシノの平年満開日は、4月5日です。
4月5日の時点では、まだ御室桜はつぼみです。
ソメイヨシノが見頃をやや越えたころに、ようやく御室桜が咲き始めます。

仁和寺の御室桜

御室桜 2017年4月13日(平年4月10日相当) 撮影:MKタクシー

通常は境内自由の仁和寺ですが、御室桜の期間は有料になります。
2019年までは、御室桜の開花状況にあわせて有料期間が決まっていましたが、2020年から「御室花まつり」として特別入山期間が固定となりました。
3月20日~5月6日まで、1ヶ月半にわたって特別入山料が必要になります。
2019年までより2倍くらいに拡大されました。

五分咲き(平年4月11日~12日頃)

仁和寺の御室桜

御室桜 2019年4月12日(平年4月11日相当) 撮影:MKタクシー

ソメイヨシノも概ね散りはじめる4月10日頃より、本格的に御室桜の季節がはじまります。
境内ではこのころ、ヤマザクラが見頃を迎えています。

見頃(平年4月12日~17日頃)

仁和寺の御室桜

御室桜 2018年4月3日(平年4月13日相当) 撮影:MKタクシー

そして、4月半ばになると御室桜が見頃を迎えます。
五重塔をバックにした姿が御室桜の定番構図です。

仁和寺の御室桜

御室桜 2016年4月12日(平年4月15日相当) 撮影:MKタクシー

御室桜は背丈が低いため、普通の桜のように見上げる形にはなりません。
目線の高さに桜が咲き誇ります。

仁和寺の御室桜

御室桜 2014年4月14日(平年4月17日相当) 撮影:MKタクシー

散りはじめ(平年4月18日~22日頃)

仁和寺の御室桜

御室桜 散りはじめ 2011年4月21日(平年4月18日相当) 撮影:MKタクシー

4月も20日前後になると、さすがに御室桜も散りはじめます。
このころ、境内では緑の桜として知られる御衣黄(ギョイコウ)が見頃を迎えます。
今や全国いたるところで見られる御衣黄ですが、元は仁和寺が発祥だと言われています。

仁和寺の御室桜

御室桜 散りはじめ 2012年4月21日(平年4月19日相当) 撮影:MKタクシー

ちょうどこの頃、仁和寺の奥にある原谷苑の八重紅枝垂桜が見頃を迎えています。
ある意味では仁和寺に匹敵する美しい桜を楽しめるので、是非行ってみてください。

終わり(平年4月23日~)

仁和寺の御室桜

御室桜 2008年4月20日(平年4月24日相当) 撮影:MKタクシー

 4月も下旬になると、さすがの御室桜も終わりを迎えます。
御衣黄などのサトザクラはまだ部分的に見頃ですが、それもやがて終わりを迎えます。
仁和寺が一年で最も賑やかになる御室桜のシーズンも終わりです。
また来年を期待しましょう。

おわりに

ソメイヨシノの開花時期も毎年変動しますが、各社の開花予想を見ればいつ見頃かはだいたいわかります。
しかし、同じように開花時期が変動する御室桜は、情報収集に努めない限り、いつ見頃なのかはわからないでしょう。
MKタクシーの観光ドライバーであれば、御室桜をはじめ、いろいろな桜の見頃がいつであるかを把握しています。

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