60品種が咲き乱れる京都随一の桜の名所!「平野神社」の美しく珍しい桜
目次
京都に桜の名所はたくさんありますが、中でも桜だけに特化したかのような名所が平野神社です。
紅葉シーズンは訪れる人もほとんどいない平野神社ですが、桜のシーズンは人気が高く大賑わいを見せます。
平野神社が発祥の珍しい桜の品種も多数あり、見ていて飽きることはありません。
平野神社の多彩な桜
見頃は3月下旬~4月下旬
- 3月下旬に見頃の魁桜(枝垂桜)
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
- 4月上旬~下旬に見頃のサトザクラ。
京都に桜シーズン到来を告げる「魁桜」
神門前の枝垂桜
京都の桜シーズン開幕を告げる桜として毎年新聞紙面を飾る枝垂桜が、平野神社の「魁桜(さきがけざくら)」です。
文字通りソメイヨシノはもちろん、他の枝垂桜に先駆けて開花します。早咲きで知られる京都御苑の「出水の枝垂桜」や有栖館の枝垂桜などが魁桜とほぼ同時に開花します。
厳密に言うと、例えば京都御苑・近衛邸跡の糸桜の一部や、伏見・長建寺の糸桜などが魁桜よりもさらに早く咲きはじめます。
さらに開花が早い十月桜・河津桜・桃桜
桜の宝庫である平野神社は、魁桜よりも先に開花する桜も多数あります。
秋冬咲きの十月桜(ジュウガツザクラ)、早咲きの河津桜(カワヅザクラ)や桃桜(モモザクラ)などが、3月上旬から見頃を迎え、平野神社の境内を彩ります。
魁桜は、左右に灯籠が並んだ参道の奥、美しい茅葺屋根の東神門の前に位置し、とても絵になります。
神門の外側にあるため、閉門時間でも見ることができます。
魁桜を見るなら、東から日が差す早朝がおすすめです。
定番だった桜茶屋でのお花見は終了
2019年が最後となった桜茶屋
平野神社のお花見といえば、桜茶屋が人気でした。
毎年3月25日~4月20日には、大規模な露店である桜茶屋が出店され、賑わっていました。
「ひさご」「まねき」「鳥おさ」「遊楽」の4つのお店があり、床几にしかれた緋毛氈(ひもうせん)に座りながら、お花見を楽しむことができるのが人気の秘密でした。
しかし、新型コロナウイルスの影響により、2020年・2021年も平野神社の桜茶屋の出店は中止となりました。
さらに、2022年からは桜の保護のために桜茶屋は行われないことになりました。
桜茶屋の設置や多くの人が行きかうことにより、平野神社の桜は大きなダメージを受けていました。
以前から「桜守」の佐野藤右衛門氏も、平野神社の桜茶屋に対して桜が弱ると指摘してきました。
ひょっとしたら将来的に桜に負担がかからない形で復活する可能性もありますが、なかなか難しいでしょう。
桜茶屋付近に咲く桜はソメイヨシノなので、4月上旬が見頃です。
見頃の時期は、お店に電話をして予約をしておいた方が無難です。
平野神社発祥の珍種が続々と開花
4月中旬からが桜シーズン本番
4月も中旬になると、ソメイヨシノは散ってしまいますが、平野神社の桜シーズンはここからが本番です。
サトザクラといわれる、桜の園芸品種が次々と見頃を迎えます。
中には、平野神社が発祥の珍種も多数含まれます。
平野神社の桜の開花期
- 寝覚(ねざめ) 4月上旬~中旬
- 胡蝶(こちょう) 4月上旬~中旬
- 嵐山 4月上旬~中旬
- 八重紅枝垂桜 4月上旬~中旬
- 平野妹背(ひらのいもせ) 4月中旬~下旬
- 御衣黄(ぎょいこう) 4月中旬~下旬
- 欝金(うこん) 4月中旬~下旬
- 松月(しょうげつ) 4月中旬~下旬
- 手弱女(たおやめ) 4月中旬~下旬
- 平野撫子(ひらのなでしこ)4月中旬~下旬
- 一葉(いちよう) 4月中旬~下旬
- 白雲 4月中旬~下旬
- 大内山 4月中旬~下旬
- 衣笠 4月中旬~下旬
- おけさ 4月中旬~下旬
- 突羽根(つくばね) 4月下旬
京都の桜シーズンの最期を飾る突羽根
ゴールデンウィークに見頃を迎える突羽根
平野神社が発祥の品種で、まず最初に見頃を迎えるのは衣笠(キヌガサ)です。
本殿前で、大内山と八重紅枝垂桜と並んで、見事に咲き誇ります。
そして、秋から続く長い平野神社の桜シーズンの最期を飾るのが、突羽根です。
4月下旬にようやく見頃を迎え、5月初めまで見頃が続きます。
ゴールデンウィーク明けごろに、突羽根も終わりを迎え、10月に秋咲きの十月桜(ジュウガツザクラ)が開花するまでしばらくお休みに入ります。
毎年4月10日には「桜花祭」
千年以上前に始まった桜花祭
平野神社では、毎年4月10日に「桜花祭」が開催されます。
桜花祭は、花山天皇が寛和元年(985年)4月10日に平野神社へと行幸し、臨時の勅祭を行ったのが始まりと言われます。
10時から平野神社境内で神事が行われ、11時には北へ100mほど離れた花山天皇陵へと参拝します。
13時からは騎馬武者や織姫などの時代衣装に扮した時代行列が、3時間かけて平野神社近隣の氏子地域をめぐります。
実は穴場の時代行列
開花が平年並みの2024年は見頃の桜も多いでしょう。
桜花祭は250人の大規模な時代行列のわりには、参観者も少ないのでゆっくり見るのにおすすめの御祭です。
平野神社について
平野神社は、平安遷都ごろ創建と伝わる古社で朝廷から特別な奉幣を受ける京都近郊の二十二社のひとつに選ばれるほど、古くから重んじられてきた神社です。
主祭神である今木神(今木皇大神)は「今来の神」を意味し、渡来系の氏族の神を祀ったのが始まりだという説もあります。
皇室はもちろん、源氏、平氏、高階氏、大江氏、中原氏、清原氏、菅原氏、秋篠氏より氏神として信仰を集め、「八姓の祖神」とも言われます。
このうち源氏、平氏、高階氏は皇別氏族、大江氏、菅原氏、秋篠氏は土師氏の後裔氏族です。
桜の名所として知られるようになったのは、17世紀前半の再興以降です。再興の中心となった西洞院時慶が様々な種類の桜を集めて植えたのがはじまりです。
1780年刊行の「都名所図会」でも多くの桜が描かれています。
境内には「平野妹背」「手弱女」「突羽根」など有名な桜の原木をはじめ、約50種400本の桜が植えられています。
3月中旬から5月初めまで、長期間にわたって順次桜が見頃を迎えます。
神紋はもちろん桜です。
拝観情報
拝観時間 | 日中随時 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-461-4450 |
住所 | 京都市北区平野宮本町1 |
アクセス | 嵐電「北野白梅町」より7分 |
公式ホームページ:平野神社 HIRANO-JINJA Official web site
おわりに
平野神社は、京都の桜の開幕を告げる「魁桜」から、ゴールデンウィークごろの「突羽根」まで次々と桜が開花します。
京都でも最も見頃の期間が長い桜スポットです。
しかし、見頃は長いものの、それぞれの桜自体の開花は長いわけではありません。
お目当ての桜が開花しているかどうかは、行ってみなければわかりません。
MKタクシーの観光ドライバーであれば、様々な品種の桜の見頃がいつであるかを概ねは把握しています。
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