山の一家*葉根舎「葉根たより」【52】|MK新聞連載記事

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山の一家*葉根舎「葉根たより」【52】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、山の一家*葉根舎(はねや)の「葉根たより」とその前身記事を1998年12月16日から連載しています。
MK新聞2021年4月1日号の掲載記事です。

大森梨沙子さんの執筆です。

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葉根たより

早くも二月末に唄い始めた鶯。その後また雪が降り、白き世界に鳴り響く鶯の唄。寒くはないか、驚いてはいないかと思いを巡らせてしまいました。
寒暖差の大きな春ですが、「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」「雀始巣(すずめはじめてすくう)」青虫が紋白蝶となり、雀が巣を作り始める頃。
小さな生き物たちの息づかいと共に、私たちもワクワクとハリを持って動き出す季節です。

<雪溶け>

標高が400メートルのわが家の周りの日陰に残っていた雪も早くも溶け、本格的な春のはじまりです。
雪で崩れた田畑の柵を直したり、雪で折れ曲がった竹を切ったり、枯れた草を刈り、新たに出てくるよもぎなどの草が気持ちよく生えるように整えたり、そしていよいよ種まきも。
畑にえんどう豆を直播し、土を入れた木箱にはナス、ピーマン、万願寺。木箱は薪ストーブの側であたためて芽出しを促します。
食べるものとは、どれもこんなにも早くから準備をしてやっと頂けるのだなあと、毎年思います。
食べるのは一瞬ですから、いかに大切に頂けるか、と感じます。

畑の白菜たちはニョキニョキと塔が立ち、美味しい菜の花に。白菜の菜の花は大きくて甘く最高です。
大根は塔が立つとスが入ってしまうので、切り干し大根に。たくさん掘って、洗って、切って、干す。毎年の子どもたちとの作業です。
但馬は雨が多いので、そんな日は薪ストーブの力を借りて室内干し。部屋中大根の甘い香りでいっぱいになります。
今、毎日の食卓に上がるのは昨年収穫した里芋、ヤーコン、じゃがいも、人参、白菜が中心。それらが終わる頃は野草中心の食卓に。ボリュームを出すために、切り干し大根は欠かせない備蓄食品なのです。

<春山に響く音>

薪作りも大切な春の仕事です。雪が溶け出した春の山をイメージすると、コーンコーンと薪を割る音が響いてきそうなくらい暮らしの一部となっています。
夫のげんが冬の間、仲間と山仕事をして切り出してきた薪を軽トラで家まで運ぶと、子どもたちの出番。
一輪車に薪を積み、長男つくしと次男すぎなが前後になり引っ張り、押して坂道を何往復も運びます。
三男かやは両手に抱えて少しづつ運ぶ。そして、つくしとすぎなが割り、かやが割れた薪を集めて積んでいく。
しっかり役割分担され、いつも流れがスムーズです。
お風呂、ストーヴ、かまどにパン窯。たくさんの薪作りは大変ですが、何が起きても火をつけることができる安心感は、何にも変えがたいものです。

<からだのーと>

4月17日から5月4日(立夏の前日)までの春の土用は自律神経が乱れやすい時期。
イライラしたり、気が滅入ったりしやすくなります。
よもぎやふきなどの野草で血液を浄化すると、精神が安定します。
日頃から食に気をつけていると乱れにくくなるので、この時期の状態でそれまでの生活を振り返ることもできますね。
土用の時期は胃や膵臓が弱りやすいので、特に甘いものの影響を強く受けます。甘いものを控え、よく噛むことを意識する時期にしましょう。

<展示案内>

4月10日、11日は、京都府船井郡京丹波町にある「わち山野草の森」にて野外展「森の展示室」に参加します。今年のテーマは「空っぽ」ぜひ、森の中へ空っぽになりにいらして下さい。
4月21日から5月1日は、東京銀座四丁目のSteps gallery「Art Cocktail」に参加します。暮らしにそっと添える小さな作品を出品します。
雪解けの蕗の薹からはじまる春。早い春のはじまりと続く寒の戻りに柔軟に対応しつつ、よき春にしてゆけますように。

(2021年3月8日記)

葉根舎について

haneya8011@gmail.com
HP:https://www.yamano-haneya.com

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「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
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MK新聞への「あ~す農場」の連載記事

1998年12月16日号~2016年6月1日号
大森昌也さん他「自給自足の山里より」(208回連載)

2017年1月1日号~現在
大森梨沙子さん「葉根たより」(連載中)

葉根たよりのバックナンバー

 

 

 

 

 

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