フットハットがゆく【312】「楽苦美」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【312】「楽苦美」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2019年11月1日号の掲載記事です。

 

楽苦美

ラグビーのワールドカップが盛り上がっております。
この号が出る頃は、間もなく決勝戦が行われる頃でしょう。
執筆時点ではまだプール戦。日本が宿敵スコットランドを撃破して、4連勝で決勝トーナメント行きを決めた直後の原稿になります。
現時点での今大会の感想を述べます。

 

○危険タックルに対するペナルティが厳しい!

肩から上にタックルに行くことは非常に危険とみなされ、ビデオ判定の正確さも相まって、イエローやレッドカードがたくさん出るようになりました。
好試合を期待するファンからすれば、片方のチームが一人少なくなる、というレフェリングはなるべく避けてほしいのが、正直なところ。
ですが僕は、危険タックルに対する厳しい判定には賛成です。
僕自身高校のラグビー部時代に、アゴに激しくタックルに入られ、それからしばらく固形物が食べられなくなったことがありました。
30年以上前の話で、当時は相手に反則も与えられませんでした。
もしビデオ判定があったなら、一発レッドでもいいんじゃなかったかといまだに思います。
ラグビーは体がぶつかり合う激しいスポーツですが、選手の安全を守るルール改正には心の底から賛成します。

 

○サイドストーリーが良い!

SNSがどんどん発達して、試合やテレビ放送の中では見られなかった、サイドストーリーが伝えられるようになりました。
僕が一番好きだったのは、ある試合で危険なタックルで一発レッドを食らった選手が、試合後相手チームのロッカールームに謝りに行った映像です。
謝罪後、相手チームからは拍手がわき起こり、仲直りしようという印の缶ビールが、レッドを出した選手に手渡されました。
まさに試合が終わればノーサイド、というラグビーの精神が見られたシーンでした。
ちなみに、ラグビーとビールはセットのようなもので、お客さんは観戦しながらビールをガブガブ飲む、選手は試合後パブでビールをガブガブ飲む、というのがよく見る光景です。
ここで、もう時効としてある秘密を告白します。高校ラグビー時代の僕は、ガリガリのヒョロヒョロでした。
激しい練習後に、お小遣いで毎日1リットルの牛乳パックを買って一気飲みしていたのですが、体重は全く増えず。
どうしたらあんな海外の選手のように大きな体になれるのか? …そんな時にテレビで見たのが、試合後にパブでビールをガンガン飲んでいるヨーロッパの選手の姿。
これだ! と思い、その日から牛乳パックをやめて、自動販売機で缶ビール(小)を買って、練習後にこっそり飲んでいました。
当時はそれでも体重は増えなかったのですが、30数年経った今ではすっかりビール腹です。

 

○お客さんのノリが良い!

日本の試合が盛り上がるのはわかりますが、海外勢同士の試合にも大勢のお客さんが集まり会場を盛り上げる姿に、感動です。
日本にこんなにラグビーファンがいたのか? という驚きとともに、お客さんの声援が選手たちを鼓舞して好試合が生まれている気がします。
人間誰だって、応援されたら、頑張ろうって気になりますから。

 

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