フットハットがゆく【305】「老化」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【305】「老化」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2019年4月1日号の掲載記事です。

 

老化

酔って買い物すると怖いですね。最近はネットですぐに、思い立ったらスマホですぐに買い物ができますから…。
先日着いた箱を開けると、簡易アルコール検知器が出てきました。どんな流れで買ったのか覚えていないのですが、酔った勢いの買い物としては、まぁまぁ真っ当な方でしょうか。
飲んだ時はしっかり反応が出ますし、翌日、二日酔い気味の朝も反応が出たりしますので、簡易の割に高性能でした。

 

最近では他に、酔ってネットショッピングをして、孫の手を4本買ってしまいました。
背中がよく痒くなるうえ、五十肩が痛くて背中をかくのに苦労します。
そこで『孫の手』で検索しますといろんな種類がありましたので、少しおしゃれな銀の手形をした物を、事務所用と自宅用と、2本購入。届いたものを見ると、何と1商品に2本入っていたので、合計4本も買ってしまいました。
酔っていたので、ちゃんと説明を見ていなかったようです。さすがに孫の手4本はいりませんから、事務所によく来る若い女の子にあげようと思いましたが、手形だと思っていた部分がガイコツになっていて、「気持ち悪い」と言われた上、そもそも、「普通に背中がかけるので、孫の手はいらない」と言われました。
そうか。孫の手がいるのは、体が硬くなって肩も痛くなる、孫のいるような世代の者のみ必要なんだな、と痛感。

 

年齢のことを言いますと、ネットの広告機能もどんどん進化していますから、そのパソコンやスマホの持ち主が何歳なのか? ということも把握して、広告を表示してきますね。
僕なんかは今月50になる歳ですから、ハゲ関係、血圧関係、加齢臭関係からメタボリック関係まで、おっさん狙いの広告がしつこく表示されます。
それ自体が嫌味に感じるほどで、若干のストレスです。もちろん、ストレスをなくすためのサプリの広告も出ます。
広告でストレスを与えて、ストレスを緩和するための商品の広告を出す。悪魔ですね…。

 

最近は特に、ほうれい線をなくすためのシート、の広告が出ます。
ほうれい線というのは、笑った時などに口の横に出るシワのことで、真顔に戻ると普通に消えるそのシワが、歳をとるとくっきり残るようになり、老け顔の象徴のようになってしまうのです。
僕も、ほうれい線が出てきましたので、このシート、買おうかどうしようか迷っていますが、大概、こういうのを買うと大した効果もなく後悔することが多いので、やっぱりやめておこう、いややっぱり買おう、と迷う時間がストレス。
先日スーパーに買い物に行った時に、『ほうれん草』の袋の文字が『ほうれい線』に見えてしまって、もうこれは若干のノイローゼですね。

 

先日事務所で若い女の子がいい匂いのするものを食べていたので、「何食べてるの?」と聞いたら、「ミトコンドリアです。」と言ったので、「そんなものが食べられるのか?」と大変驚いたのですが、よくよく聞くと「ミートドリア」でした。
耳まで悪くなってきました、とほほ…。

 

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