清水寺の暁天講座・うらぼん法話2018「今、人は如何に生きるか」泉涌寺の上村貞郎師
目次
暑い京都の夏でも涼しい早朝時間帯に行われるのが、暁天講座(ぎょうてんこうざ)。
京都各所の寺院で開かれますが、清水寺では「うらぼん法話」という名称です。
無料で予約不要のおすすめイベントです。
2018年8月2日に清水寺のうらぼん法話で泉涌寺の上村貞郎師のお話を聞いてきました。
清水寺の うらぼん法話
100年以上の歴史あるうらぼん法話
京都では、多くの寺院で夏の早朝に公開講座の暁天講座が行われます。
清水寺では「うらぼん法話」という名称です。
京都のお寺では広く行われており、各界からの多彩な講師を招いて暁天講座が行われます。
2020年は第103回になります。
2018年のうらぼん法話
日時 8月1日(水)~5日(日)午前6時~7時
場所 大講堂 圓通殿
テーマ
- 8月1日(水)小橋建太 氏
元プロレスラー 株式会社FortuneKK代表取締役『常にチャレンジ~夢を叶える為の第一歩』 - 8月2日(木)上村貞郎 師
真言宗泉涌寺派管長 総本山御寺泉涌寺長老『今、人は如何に生きるか』 - 8月3日(金)大川弥生 氏
社会福祉法人同和園顧問 元国立長寿医療研究センター部長『動かないと人は病む-生活不活発病とは何か-』 - 8月4日(土)中西玄禮 師
永観堂禅林寺第九十世法主・前管長『幸福を育てる三つの田』 - 8月5日(日)森清範 師
北法相宗管長 清水寺貫主『空即』
僧侶は「師」、俗人は「氏」と使い分けられています。
上村貞郎師「今、人は如何に生きるか」
朝6時からのうらぼん法話
早朝の清水寺。早くから開いていることで有名な清水寺すら開門は30分後の6:30です。
うら盆法話2日目の本日は、泉涌寺長老の上村貞朗師。
清水寺は南都仏教系の北法相宗なので他宗派からの出演です。
会場は大講堂の圓通殿。あまり行かないところなので少し迷ってしまいましたが、入口からすぐのところです
1984年に建てられた新しい建物です
この中が会場です。中はクーラーが効いており快適です
座敷席と椅子席の両方あります
まず般若心経から始まり、続いて泉涌寺長老の上村貞朗師の法話です
では、上村貞郎師のお話しです。
上村貞郎師の法話
損得出入
最も好きな言葉のひとつが「損得出入」です。
損得とはいっても得損とは言わないように、まずは損をし、後から得が付いてきます
出入も同じです。まず出して、あとから入ってきます。
得や入ばかりを追い求めてもうまくいきません。
六根清浄
「六根清浄」とは、修験道で良く使われることばです。
詠うように「六~根~清~浄~」と唱えながら修験者が山中を歩きます。
六根とは、最初に唱和した般若心経でも出てきた「眼耳鼻舌身意(げんにびぜつしんい)」のことです
実は「どっこいしょ」という言葉も六根清浄がなまったものです。
年配の人が立ったり座ったりするたびにありがたい言葉である「どっこいしょ」というと、きっといいことがあります
泉涌寺ではバスを使って八十八箇所巡りを行っていますが、安く上げるため大型バスを使っておりあまり山中まで入っていけません。
そのため、駐車場から30分くらいかけて登っていくこともしばしばです。
お寺まで登っていくときには、皆で「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と節をつけて唱えながら登ると、ふと気づいたらお寺に到着しています。
黙っていたらつらい登り道なのに不思議なことです。
分守
いわゆる「分をわきまえる」ということを表した言葉です。
私が生まれ育った西陣では、戦後の呉服産業が好況なときに調子にのってあれこれいろんな事業に手を出した人はいつのまにか消えてしまいました。
本業の織物業だけに力を注いできた人たちは、今も健在です。
夢
私は、6人兄弟ながら男は1人だけで、子供のときから父よりお寺を継ぐよう言われてきました。
しかし、自分は全くそんな気はなく、将来の夢はプロ野球選手になることでした。
中学校高校と勉強もせずに、朝から晩まで野球に明け暮れる毎日でした。
1日に二升の米を平らげ、母からは「ザル」といわれるくらい食べていました。
しかし、高校3年生のときに父が倒れ、プロ野球選手の夢は断たれました。
不本意ながらなったお坊さんですが、やるからには努力して泉涌寺の長老にまで上り詰めようという新たな夢を持ちました。
そして努力の甲斐あり、平成18年に泉涌寺の長老に就きました。
自坊である東向観音寺から泉涌寺の長老が出たのは何と200年ぶりのことでした。
情不為人
厳しい母からは子供のころから、お前はずぼらやから甘やかしたらダメになる、「情けは人のためならず」や、と言われてきました。
母も昔の私も勘違いしていたのですが、正しい意味は、情けをかけるのは相手のためではなく、自分のため、という意味です。
工夫
物があふれる時代であっても、工夫は大事です。
子供の頃は本当にものがなく、何でも代用品で工夫がなくては生きられませんでした。
新聞紙でボールを作り、角材をバットにして遊んでしました。
高校の野球部のときは、今と異なり運動中に水は飲むなという時代でした。
なので、ファールボールを取りに行くついでにトイレでこっそり水を飲んだり工夫していました。
工夫ができない人は暑さでぶったおれていました。
百歳万歳
人生50年という時代から、いよいよ100年という時代になろうとしています。
100歳まで頑張ろう!
東向観音寺について
東向観音寺は、北野天満宮に隣接したお寺です。
本尊は菅原道真公が太宰府で自作したというありがたい十一面観音です。
「施し」というのは「程(ほど)をこす」という意味です。限界を超えて行わなければならないのだ、というお坊さんもいますが、それは違います。「施し」は「ほどほどに」です。
お参りした際には「ほどほどの」お賽銭をお忘れなく(笑)
法話終了後の朝食接待
法話終了後、朝食としてパンと牛乳の接待が行われます。
境内で食べるところはないので、皆持ち帰ります。
開けてみると、パンは2個あり、ジャムパンとアンパンでした。
おいしくいただきました。
おわりに
早朝アクセスにはやっぱりタクシー
無料で予約も不要でいろんなお話を聞ける清水寺のうらぼん法話ですが、難点は早朝ゆえにアクセス困難なことです。
いろんな暁天講座があるなかで、清水寺のうらぼん法話が始まるのは、何と6:00です。
公共交通機関でのアクセスは事実上困難です。
しかし、24時間営業のMKタクシーなら朝6時だろうと朝5時であろうとアクセス可能です。
MKタクシーなら迎車料金も不要です。
MKタクシーのご予約は075-778-4141まで
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京都観光には観光貸切タクシーもおすすめです。
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まとめ