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1976年の開業時はいくら?食べ放題のMKバイキング上賀茂【MKヒストリー】

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本日8月1日はバイキングの日です。
日本最安値ともいわれる、560円で食べ放題ので知られるMKバイキング上賀茂。
オープンしたのは今から44年前の1976年です。バイキングがオープンした経緯と目的は?当時の値段は?「食べ残しは○○」はいつから?
単に社員食堂を一般公開したわけではなく、そこには創業者の熱い想いがありました。 

 

 

バイキング前史

ボウリング事業へ新規参入

建設中のMKボウル山科

建設中のMKボウル山科

今では全国8都市に展開するMKタクシーは、1960年に京都でミナミタクシーとして創業しました。
わずか10台からのスタートでしたが、桂タクシーの買収や増車により順調にタクシー事業を拡大し、創業から10年で計137台にまでなりていました。

さらに1970年ごろから一大ブームとなったボウリング事業にも参入し、1971年7月に山科にMKボウル(現:山科グランドボウル)を新築オープンしました。
ボウリングブームが下火になったために経営難に陥った上賀茂ボウルを1973年9月に買収し、山科と上賀茂の2拠点でボウリング事業を営んでいました。

ボウリング場の広大な駐車場を有効活用する目的もあり、ボウリング場と同一敷地内にタクシーの営業所も併設しました。
1973年1月に山科営業所、同年11月に上賀茂営業所を開設しました。
なお、現在の山科営業所は1982年に近隣地に移転したものです。

従業員の昼食用弁当の提供

ボウリング場がオープンした年当時、ボウリング場の従業員の希望者には、弁当を作って昼食として提供していました。
ボウリング場従業員だけのときは、弁当で問題ありませんでしたが、対象にタクシードライバーが加わってから、問題が生じました。

タクシードライバーは、まず決まった時刻に帰って来ることができないため、決まった時刻に弁当を準備するというわけにはいきません。
さらにタクシードライバーの年齢層は若手からベテランまで比較的幅広いため、弁当の量が少ないとか高いとか、不満が出るようになりました。

バイキング方式の導入へ

そこで、好きな時間に食べることができ、好みのおかずを食べられるよう多種類の料理を用意できる方法の検討を始めました。検討の結果、導入されることになったのが、バイキング方式です。
バイキング方式であれば、営業時間中であればいつ食べてもらっても問題ありません。おかずを30種類以上を用意したすれば、好きなおかずをバランスよく食べてもらうことができます。

社員価格はなんと290円!

ここで問題となったのが、価格設定です。
従業員への昼食の提供は「働きやすい環境をつくる」ことが目的です。
できるだけ安く提供して、本業の仕事に精一杯頑張ってもらうため、会社の補助も含めて社員価格は破格の290円に設定しました。

30種類ものおかずを作るとなると、従業員だけを対象にしていては採算が合いません。
従業員だけでなく一般の方にも開放することで多数のお客様に来ていただくことになりました。
一般の方向けには、さすがに赤字を垂れ流すわけにはいきません。
もろもろ検討した結果、経営努力次第で何とか収支が見合う値段として、400円に設定しました。

1976年、MKバイキングがオープン

山科と上賀茂で相次いでオープン

バイキング山科

バイキング山科

1976年4月30日にMKボウル山科、翌5月1日にMKボウル上賀茂でMKバイキングが開業しました。
営業時間は昼夜二部制で昼11:00~14:00、夜17:00~20:00です。

できるだけ多くの方に来ていただこうと、ガススタンドなどで他社のドライバーにもチラシを配布して宣伝しました。
MKバイキングは、もともと従業員限定の社員食堂だったのを、一般の方にも公開するようになったという説明をされることもありますが、当初より一般の方の利用も想定したものでした。

食堂らしくないMKバイキング

バイキング山科

バイキング山科

パイプ椅子に長机と、全く食堂らしくありません。
奥にたった400円で食べ放題ということを示す「400」という数字が見えます。
飲み物は、ヤカンのお茶を自由に飲めるほか、自動販売機を設置していました。

バイキング山科

バイキング山科

奥には「食べ残しは倍額いただきます」との掲示が見えます。
今もMKバイキング名物ですが、オープン当時からあったことがわかります。

客層は一般の方が6割/従業員が4割程度で、当初より一般の方が中心でした。
今は客層のほとんどが一般の方で占められています。

当時のメニューはどんなものだったか

配置図

配置図

当時のメニュー配置図を見ると、MKバイキングで出されていたメニューは全部で33種類あります。

主なメニュー

  • ナスの天ぷら
  • 水菜の胡麻和え
  • マグロのフライ
  • サツマイモの天ぷら
  • こんにゃく、人参、油揚げ、筍の煮物
  • ヒラメのフライ
  • 冷やしそうめん
  • 人参と大根の酢の物
  • トウガラシのにもの
  • こんぼとふきの漬物
  • ジャガイモの丸煮
  • カレー
  • 豆腐とナスの味噌汁

意外と今のメニューとはあまり変わりません。
その日の食材の入荷状況に応じて、毎日柔軟にメニューを変えるのがMKバイキングの特徴です。
配置図は上賀茂のものなので、山科の写真とは配置が異なります。

食べ放題が大評判に

30種類以上のおかずがわずか400円で食べ放題ということと、タクシー会社の社員食堂を一般に開放することで、MKバイキングはあっという間に評判となりました。
オープンからすぐに、連日マスコミの取材を受けるようになりました。
テレビや女性誌、観光ガイドブックにまで幅広くMKバイキングが取り上げられるようになりました。

1976年に受けたマスコミ取材リスト

  8月14日   京都新聞
  8月31日   毎日放送ラジオ
  9月2日     毎日テレビ(当時としては珍しい中継車を使っての生中継)
  9月7日     夕刊フジ
  9月8日     讀賣新聞
  9月28日   実業之日本
 10月7日    主婦の友社「アイ」
 10月18日  KBS(スタジオに料理を持ち込み、ワコール、高島屋の社員食堂と比較するという企画)
 11月9日 平凡パンチ

京都ローカルから全国版まで多くのマスコミの取材を受けていることがわかります。
今でも毎年のようにMKバイキングはマスコミから何らかの取材があります。

値段だけでなく「食べ残しは倍額」も評判に

「食べ残しは倍額」という表示も多いに評判になりました。
もともと社員食堂を一般に開放したものであり、MKバイキングは利益を考えた食堂ではありません。400円というのは、何とか赤字が出ない価格設定です。
取り過ぎによる食べ残しが出るようであれば、バイキング方式はとても維持できません。
あくまで取り過ぎを戒める趣旨で、実際に倍額をもらったことはないようです。

会長の青木定雄が取材を受けている写真

会長の青木定雄が取材を受けている写真

400円の金額も「たべ残しは倍額」もくっきり見えます。
手前のストライプのシャツを着ている者がMKタクシーのドライバーですが、その他は一般の方で占められています。

KBS「奥様ワイド」でインタビューを受ける青木定雄

KBS「奥様ワイド」でインタビューを受ける青木定雄

MKタクシーの創業者である青木定雄も、テレビに雑誌に取材対応に大わらわでした。
バイキングオープンと同月には、京都市の東養護学校の送迎バスの運行を始めたり、多忙な時期でした。

「たべ放題」「少量を何度でもおかわり可」との文字が踊ります。
なお、MKバイキングはオープン当時からMKブランドの「MKバイキング」として営業していました。
ミナミタクシーと桂タクシーが合併して、エムケイ株式会社となるのはMKバイキングオープンの翌年1977年のことです。

MKバイキングにこめられた想い

エムケイ 第3号(1976.9.10)

「エムケイ」は、MK新聞の前身です。
従業員の自宅へ送付するほか、一般の方も手に取ることができるものでした。

エムケイ 第3号(1976.9.10)

エムケイ 第3号(1976.9.10)

以下、エムケイ第3号の記事を掲載します。

記事の要旨
  • タクシーの安全とサービス向上がMKバイキングの目的
  • 安価でバランスの良い食事をとることで働きやすい環境をつくる
  • 社員価格290円では赤字だが、安全とサービス向上で長期的にはプラスに
  • 一般の方にも利用してもらうことで、MKのよき理解者になってもらう
社員の働きやすい環境づくり ―安全とサービスのために―

MKのバイキング食堂は、ただの食堂ではなく、タクシーを良くするための、安全とサービスの向上に役立てるための施設です。
MKの理想とするところは、「乗客も、社員も満足できるタクシー」なのですが、乗客へのサービスは会社が社員に押しつけてできるものではありません。
タクシー一般のサービスの悪さにはそれなりの原因があるので、根本をとり除かない限り決してタクシーを良くするこどはできません。
それをMKは、「働きやすい環境をつくる」ことだと考えています。

外で働くタクシー運転者にとって、どこで食事をするかは重要な問題です。
駐車できない、高い、バランスのとれた栄養がとれない。独身者ならなおさらです。
それを解決しようと思えば自分で食堂を経営する他はない。

しかも若い人から年配者まで、たべものの好き嫌いもさまざまとなると今のバイキング方式におちつきます。

二九〇円でご飯・おかず(三〇点)たべ放題

ご飯、味噌汁はもちろん、おかずも三〇種類を食べ放題にして、品目も毎日かえていくとなると人件費を含めると一人六〇〇円くらいはかかります。
それをMK社員は二九〇円に設定して会社はそれ自体では損でも、タクシーのサービスと安全が向上すれば最終的に大きなプラスがあると考えるのがMKです。

地域住民のために一般にも公開 ―他社のみなさんご遠慮なくおいでください―

一ヶ所だけにすれば人件費が節約できるのはわかっていますが、営業中に遠いところがら回送していくのは社員にとって大きいロスです、東西南北の四ヶ所に……。
とりあえず北(上賀茂)、東(山科)をオープン、近く南(伏見)と西(嵯峨)の二ヶ所を増設します。

バイキングは社外のかたにも利用していただいています。
一人四〇〇円いただいていて、これも赤字ですが、なるべく多くの方々が「MKのよき理解者」になってくださればよいと考えています。
いま時、四〇〇円で好きなものが腹一杯……というので家族連れ、学生さん、サラリーマンなどMK社員よりも多くなってしまいました。
他社の運転手さんもよく食べに来ているようです。

MKのささやかな食堂が、これほど多くの人たちによろこんで貰えて、こんなにうれしいことはありません。

開業から44年を経て変わったこと・変わらないこと

44年間で変わったこと

オープン当時にあった南(伏見)と西(嵯峨)に出店するという計画は結局実現しませんでした。
山科も、MKボウル山科の撤退に伴い2016年8月に閉店しました。

現在も営業しているのは、MKボウル上賀茂に併設している1店舗のみです。

44年前に400円ではじまったMKバイキングですが、物価の上昇や消費税の導入などに伴い、560円になりました。
今でも破格の値段で食べられるバイキング食堂として、京都では誰もが知る存在です。

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当初はいかにも社員食堂といった店構えのMKバイキングでしたが、2013年に全面リニューアルされました。
ちょっとおしゃれなカフェのような店構えへと一新されました。

今も変わらないこと

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今ではMKバイキングのお客様の大半は一般の方が占めるようになっています。
MKの従業員を見かけることも少なく、MKグループが収益事業として営んでいる一部門に見えてしまうかもしれません。
しかし、その歴史をひもとくと、MKバイキングが単なる収益事業として経営してきたわけではないことがわかります。
そこには、創業者のタクシーサービス向上へかける熱い情熱があったのです。 

今でもドライバーに安くバランスの良い食事をとってもらい、安全運転と良質なサービス提供の一助とするという考え方は脈々と残っています。

一般の方の560円も十分破格ですが、ドライバーをはじめとする従業員はなんと400円でMKバイキングを利用できるのです。
さらに、MKボウル上賀茂に隣接しているMK上賀茂寮では、寮費にMKバイキングの食費が含まれています。
その気になれば、昼食代も夕食代もかかりません。

もうひとつ、オープン当時と変わらないものがあります。
「食べ残しは倍額」は、今も健在です。

MKバイキング上賀茂の店舗情報

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営業時間 平日(火曜日のぞく)11:00~21:00
土・日・祝日    10:30~21:00
定休日 火曜日
※祝日、特別期間のぞく
 価格 バイキング 560円(幼児(3歳以下)は無料)
ドリンクバー350円
アイスバー 350円
バイキング&ドリンクバー
      800円
バイキング&アイスバー
      850円
バイキング&ドリンクバー&アイスバー
      950円
TEL 075-721-9304
住所 京都市北区上賀茂西河原町1-1
アクセス 市バス「西賀茂車庫前」より徒歩10分

MKバイキング上賀茂の公式ホームページ:MKバイキング上賀茂|MKボウル・パルケ

MKボウル上賀茂の店舗情報
営業時間 月~木     10:00~24:00
金・土・祝前日 10:00~翌3:00
日・祝     8:00~24:00
※GW、お盆、年末年始期間中は一部変更となります
 レーン数 レギュラーレーン 42レーン
VIPレーン     6レーン
TEL 075-701-2131
住所 京都市北区上賀茂西河原町1-1
アクセス 市バス「西賀茂車庫前」より徒歩10分

MKボウル上賀茂公式ホームページ:MKボウル上賀茂|MKボウル・パルケ

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