京都橘大学との産学連携プレゼンテーションレポート│MKタクシー貸切観光の在り方を考える

ひと よみもの
京都橘大学との産学連携プレゼンテーションレポート│MKタクシー貸切観光の在り方を考える

2021年7月28日(水)に京都橘大学との産学連携プロジェクトとして、貸切観光タクシーの新たな可能性の創出を目指したプレゼンテーションと意見交換会を開催しました。
京都橘大学 経済学部 経済学科 福井 弘幸准教授のゼミに所属し、観光とまちづくりをテーマに学ぶ学生たち計19名(2回生5名、3回生14名)にご参加いただきました。

実際のプレゼンテーションの様子をレポートでご紹介します。
事前学習として、 MKタクシーが提供するサービス「貸切観光タクシー」の理解を深めるため、実際にフィールドワークを通して体験いただきました。MKタクシーで活躍するトラベルコーディネーター*1(以下ドライバーとする)3名がジャンボタクシーで京都の神社仏閣を巡りました。

▼京都橘大学との産学連携フィールドワークレポート│MKタクシーの貸切観光体験で新たな可能性を探る

▼8月4日フィールドワークの様子が京都新聞に掲載されました!

京都新聞掲載

京都新聞掲載

▼京都の大手タクシー、貸し切り観光ツアー企画を充実 コロナ後も見据えた顧客開拓策とは

トラベルコーディネーターの採用ページ

 

 

プレゼンテーション

今回プレゼンテーションを行ったのはMKタクシー国道十条営業所の第一、第二地下会議室です。
残念ながら当日参加することができなかったメンバーもいるため、映像はYouTubeとZoomを使ってリアルタイムで共有。

配信環境

配信環境

 

15:00 開会の挨拶

6月29日(火)、30日(水)に行ったMKの観光タクシーを体験するフィールドワークから約1か月が経ちました。
最初にMKの担当者から学生の皆さんへご挨拶。

開会の挨拶

開会の挨拶

学生の皆さんに「緊張していますか?」と問いかけると、ほとんどの学生さんの手があがりました。
MKの職員やメディア取材陣もいる中での発表だったため、このときの学生の皆さんの緊張は計り知れません…!
まずはアイスブレイクを兼ねて3回生、2回生の方ひとりずつにプレゼンテーションへの意気込みを語ってもらいました。

3回生代表「緊張しますが、皆と頑張ってきた成果を出せるよう、精一杯頑張ります!」

3回生代表挨拶

3回生代表挨拶

2回生代表「フィードワークやプレゼンテーションの機会を与えていただきありがとうございました、精一杯頑張ります!」

2回生代表挨拶

2回生代表挨拶

 

15:05 福井 弘幸准教授より挨拶

京都橘大学の福井ゼミの皆さんには、観光タクシーの新たな可能性を探るPBL(Project Based Learning:課題解決型学習)を約2ヵ月にわたって実施していただきました。
コロナ禍で大学の授業もほとんどがオンライン、外出もままならない情勢の中で、学生の皆さんは久しぶりの外出となったそうです。
学生の皆さんの緊張を感じ取ったのか、福井 弘幸准教授からは「皆いつも通りやれば大丈夫だからね!」と激励のお言葉も。

福井 弘幸准教授がかけるポジティブな言葉の数々が学生の皆さんのやる気や力を最大限引き出す秘訣なのかもしれませんね。

福井 弘幸准教授挨拶

福井 弘幸准教授挨拶

 

15:10 MK職員の挨拶

MKの経営部門(経営企画部、人事部、外販セールス課)の計8名より自己紹介と挨拶をしました。
学生の皆さんの意見が聞ける貴重な機会ということで、全員がこの日を心待ちにしているようでした。

 

15:20 2回生によるプレゼンテーション

さっそく、2回生による「リアルツアーの課題と販促方法」についてのプレゼンテーションが始まりました。

2回生によるプレゼンテーション

2回生によるプレゼンテーション

まずは、実際に観光タクシーを体験したフィールドワークについての気づきとフィードバック。
乗車したからこそ分かったMK観光タクシーのホスピタリティの高さについて触れられていました。

2回生によるプレゼンテーション

2回生によるプレゼンテーション

次に、タクシーツアーのメリットと課題について。

普通の観光では体験できないような特別感のある経験ができることに対し、そのような強みや魅力を十分にアピールできていないことが課題としてあげられました。

2回生によるプレゼンテーション

2回生によるプレゼンテーション

更に顧客目線で、4Pや4Cを用いてのマーケティング分析でターゲットを絞ります。
京都に観光に関連するあらゆる数字を用いた説得力の高い発表が続きました。

2回生によるプレゼンテーション

2回生によるプレゼンテーション

仮想ターゲットを次のように設定し、最後は具体的な観光商品の提案をいただきました。

  • 40歳以上(構成比:85%以上)
  • 夫婦、女性同士の友人
  • 訪問回数5回以上のリピーター
  • 宿泊旅行の旅行者

京都橘大学が山科区にあることから、山科区の観光資源に着目した商品の提案をいただきました。

2回生によるプレゼンテーション

2回生によるプレゼンテーション

これはMKタクシーのツアーにもぜひ取り入れたい!と思う若年層ならではの柔軟な発想が随所に見受けられました。
私たちも参考になることばかりです。

 

15:45 3回生によるプレゼンテーション

そして3回生による「貸切観光の認知方法~プロ―モーションを情報の類型から考察~」のプレゼンテーション。

3回生によるプレゼンテーション

3回生によるプレゼンテーション

観光行動を誘発し、行動を開始しようとする意思決定に関わる「誘発情報」について。

旅行者は何故京都へ旅行に来るのか?
旅行はそこにいくことで何かを得れるからではないか、という視点で発表が続きます。

3回生によるプレゼンテーション

3回生によるプレゼンテーション

観光の目的・目的地・時期などの選定に関わる「選択情報」。
年代別に旅行を選択する際の情報収集の手段があげられていました。
MKのホームページと各SNSについての現状と提案、そして新しいSNSを取り入れて運用してみてはとの提案も!

3回生によるプレゼンテーション

3回生によるプレゼンテーション

具体的な観光の計画に関わる「計画情報」について。
MKのツアーページを見て、観光情報を写真や具合的なテキストによって、旅行者へ想起させている点が良いと触れられていました。

3回生によるプレゼンテーション

3回生によるプレゼンテーション

現地での旅行行程を快適に実現するための「現地情報」について。

MKドライバーは多種多様なため、観光目的に合った者を見つけ指名することができることが触れられていました。
学生の皆さんのフィールドワークに同行したドライバーは、それぞれカメラや歴史好きな者が担当しており、趣味の合う方はお話を楽しまれていたようです。

▼MKハイヤードライバー紹介ページ

観光の各場面や全体の情報をフィードバックする口コミなどの「評価情報」について。
口コミを受けての改善提案もいただきました。

3回生によるプレゼンテーション

3回生によるプレゼンテーション

以上から、値段以上の付加価値を提供し、誘発情報につなげることが重要であるという結論に。
見せ方や表現など細部にも意識が置かれていて、MKもこれからより工夫しようと考えさせられる提案の数々でした!

 

16:25 フィードバック・意見交換会

休憩をはさんで、プレゼンテーション内容へのフィードバックと意見交換会を行いました。
MK職員からの怒涛の質問ラッシュに、学生の皆さんに回答いただきました。
若者視点の意見をより深く理解し吸収する、大変貴重な機会となりました。

2回生とMK職員の座談会

2回生とMK職員の座談会

3回生とMK職員の座談会

3回生とMK職員の座談会

学生さんたちが事前に用意されていた紙。
なんとそこに書かれていたのは、MKが販売する観光商品ツアー名の一覧表でした。
学生さんたちから「ツアー名が長いため、短く・インパクトのあるもののほうがキャッチ―なのでは」という意見が上がります。
学生目線の意見にMK職員一同、興味津々です!

2回生とMK職員の座談会

2回生とMK職員の座談会

 

16:50 閉会の挨拶

「プレゼンテーションが終わってホッとしている方!」と問いかけるとたくさんの手が上がり、会場は安堵した学生さんたちの笑いに包まれました。

閉会の挨拶

閉会の挨拶

学生の皆さんが1か月で作り上げたとは思えないクオリティの高いプレゼンテーションでした。
この経験が少しでも学生の皆さんの知識の醸成に役立てば嬉しいです!

フィールドワークを担当したドライバーもZoomでプレゼンテーションの様子を見て、「学生の皆さんからの実車体験のフィードバックを聞いて、とても嬉しく思いました!」とコメントが届く場面も。

 

番外編

この日はメディア取材陣の皆さんにもお集まりいただいており、閉会後に代表者がインタビューを受けました。
取材中、学生代表の方がお話しされていたことが印象深かったため、一部番外編として書き留めておきます。

 

3回生代表のコメント

「最初は何から始めようか…何をどうすればいいんだろう…頭の中が疑問だらけで整理をするのが大変でした。
コロナ禍で皆で集まって何かをする機会が少ない中、福井ゼミ3回生全員でこの難題に向き合いました。
福井准教授にアドバイスをいただきながら、一つ一つ課題と向き合うことで段々とクリアになっていき、徐々に楽しみながら課題に取り組めるようになっていました。
プレゼンテーションをやりきった今はゼミの皆で1つのことを成し遂げたという達成感でいっぱいです!」

 

2回生の代表のコメント

「今まであまり人前に出てプレゼンテーションをするという経験がありませんでした。
リハーサルの際に、後で確認するためにその様子をビデオカメラで録画していたのですが、初めて映像をみた時想像していたものとかけ離れたクオリティで正直当日が心配になりました。
しかし、福井准教授からのアドバイスをいただいたり、ここはこういうふうに直そう!と自分で気づいたことを改善しながら、当日を迎えるまで何度もリハーサルを繰り返しました。
自分の弱点と向き合い、成長に繋げることができました!」

学生の皆さんが全員で1つのことを達成すること、自分に向き合い問題解決をすること、そのような機会になっていたんだと直に感じることができ、とても嬉しい気持ちになりました。

 

福井 弘幸准教授のコメント

福井 弘幸准教授

福井 弘幸准教授

・全体を通して今回の取り組みに対する学生さんの姿勢はどのように映りましたか?

学生は難しい課題の壁にぶつかり、頭を悩ませる場面もあった中、前向きに取り組んでいたように感じます。
大学側で設定している到達目標があったため、内容を指摘をする場面もありましたが、最後まで課題や自分自身に向き合い、やり遂げてくれました。

2回生にとっては、授業外での取り組みでした。
通常のゼミや持ち帰りの課題(宿題)に加え、この産学連携での課題。
タイトなスケジュールの中で行われました。
気持ちの部分で追い込まれる場面があったかもしれないですが、やり遂げた今は「この取り組みをやってよかった」という認識になってくれているのではないでしょうか。

3回生に関しては今回14名という大人数での取り組みになりました。
上記の3回生代表のコメントにもあったように「学ぶ」ことでの達成感があったのではないかと思います。

 

・今後学生の皆さんに期待されていることはありますか?

学生にはぜひ今回の件の振り返りをしてほしいですね。
どのような成果が出たか?もう少し工夫すればよかった点はあるか?など、次の学びに活かすために、自ら課題を見つけ出し、正対し、改善策を導けることを期待しています。
現時点だけでなく、一つ先のことへも目を向け、この取り組みを経て 今後の新たな知見醸成の肥やしにしてほしいと思います。

また、今回のプレゼンテーションのスライドと新聞記事をオープンキャンパス開催時に研究成果として大学内に掲示し、今回産学連携へ参加した学生がMKタクシーとの取り組みを紹介しています。

大学全体、そして入学を控える方など、新たな市場への宣伝に繋がっているかと思います。
このようなプラスの連鎖が続くといいですね。

 

・さいごに

今回の産学連携の取り組みで学生は実社会に触れる多くの経験をさせていただきました。
フィールドワークで対応いただきましたトラベルコーディネータの方をはじめ、皆様方には厚く御礼申し上げます。
取り巻く環境は厳しいですが、皆様方のお客様への日々の対応が、会社の成果はもとより地域ブランド構築にも大きく寄与します。

今後の更なる躍進を期待させていただきます。
本学も京都の観光に寄与できる人材育成に勤めさせていただきます。

有難うございました。

 

 

おわりに

今回は、前回のMKのトラベルコーディネーターと共に神社仏閣をめぐるフィールドワークに加え、このPBLの最終プレゼンテーションとして、マーケティング分析を用いた貸切観光の価値を広く認知させるための施策について提案いただきました。
学生の皆さんに企画、提案いただいた内容については、MKにおいて今後の広告宣伝活動や貸切観光ツアーの商品化など、実現化に向けて取り組んでいく予定です。

MKタクシーでは向学心を持つ学生の皆さんの知識の醸成に繋がるような取り組みのお手伝いをさせていただいています。

トラベルコーディネーターの採用ページ

 

過去実施した産学連携レポート記事

▼神戸国際大学との産学連携|MKホスピタリティ勉強会レポート

▼京都橘大学との産学連携フィールドワークレポート│MKタクシーの貸切観光体験で新たな可能性を探る

 

京都新聞社 記事

▼京都の大手タクシー、貸し切り観光ツアー企画を充実 コロナ後も見据えた顧客開拓策とは

 

京都橘大学について

京都橘大学は、2021年4月に、経済学部、経営学部、工学部を新たに設置しました。

ここでは、専門性を身に着けることはもちろん、自ら課題を発見し、周囲の人々と協働して解決する力を育みます。
新学部の開設によって、本学は8学部15学科の総合大学となり、これまで以上に多様な学生がひとつのキャンパスに集います。文系・理系の壁を越えて学びあい、語りあい、新たな価値を見出し、総合的な視野や知識を習得し、グローバル社会で活躍する人材を輩出してまいります。

■学園創立と建学の精神
学園名/学校法人京都橘学園(1902年学園創立)
創立者/中森 孟夫
建学の精神/「力を実業教育に注ぎて、将来自営独立の実力を得しめん」
■大学概要
大学名/京都橘大学(1967年大学開学) 607-8175 京都市山科区大宅山田町34
学長/日比野 英子
教学理念/「自立 共生 臨床の知」
■学生数 5,446名 (学部:5,344名、大学院102名)*2021年5月現在。

▼京都橘大学WEBサイト

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