フットハットがゆく【323】「岡崎オウハン」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【323】「岡崎オウハン」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2020年10月1日号の掲載記事です。

 

岡崎オウハン

4月から飼い始めたヒヨコが成長して、卵を生むようになりました。
田舎暮らしを始めた中で、ニワトリを飼うというのは第一の夢でした。
家庭菜園を作り、野菜を美味しくいただき、野菜屑や人間が食べない葉っぱはニワトリの餌に。
ニワトリが産んだ卵は美味しくいただき、卵の殻や鶏糞は菜園の肥料に。
このような循環型ライフを夢見て、それが現実となったので本当に嬉しく思います。

 

僕が飼っているのは岡崎オウハンという国産種で、黒と白のまだら模様。
年間300個の卵を産むとされ、僕はメスを3匹飼っています。
外国産のニワトリなどに比べ性格がおとなしいとされる岡崎オウハン。
普通、ニワトリを3匹飼うと、1匹がいじめ役、1匹がいじめられ役、余った1匹もいじめられ役をいじめるという…。
お尻をつつかれて血だらけになってしまうので、いじめ役か、いじめられ役のどちらかを隔離したり、つついても怪我をしないようにクチバシを切ったり、などの対処が必要になるそうです。
その点、うちのオウハンズは温厚で3匹とも仲が良いので助かっています。
温厚といっても、ひとたび庭でカエルやムカデを発見したならものすごいことになります。
ジュラシックパークの肉食恐竜ヴェロキラプトルを彷彿とさせる、どう猛なハンターとなり、獲物をつつき殺して丸呑みにします。
なんとも頼もしい限りですが、外敵も多く、野良猫、野良犬、イタチ、キツネ、などに襲われないよう、細心の注意を払っています。
と言いつつ、庭に放して目を離すと、すぐにお隣さんの庭に紛れ込んでしまいます。
お隣さんには池があり、カエルが多いのです。何度注意しても、ニワトリはいうことを聞きません。
そもそも、ニワトリは「十歩」歩いたら忘れる、と言われていて、しつけなど難しい鳥なのです。
植えたばかりのブロッコリーの苗を食べてしまったり、赤く実ったプチトマトを食べてしまったり…。
ウンチを我慢できない生き物ですので、縁側から家に入り込んで部屋にフンをしてしまったり…など、コラーッと怒ったところで、何も聞きません。
それでも、よく僕になついていますし、やっぱり可愛い、庭で遊んでいるところを見ると癒されます。
飼ってよかったと心底思っています。

 

ところで最近、野良の子猫を飼い始める羽目になりまして、生後数週間の子がうちの屋根裏に放置されたので、やむなく保護して、飼うことにしました。
この子もメスで、なかなかのおてんばです。噛みグセが強くかなり痛いです。
ちゃんと怒ってしつけなければいけないのですが、子猫の記憶力は20分ほどしかないらしく、20分以上かけて怒っても、子猫はなんで怒られているのか分からなくなるそうです。
猫のしつけは難しいですが、仕草など可愛くて本当に癒され、飼ってよかったと心底思っています。

 

20分前のことを忘れるネコと、十歩前のことを覚えていないニワトリと、僕はこれから先どんな思い出を作っていくことになるのでしょうか?(笑)

 

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