フットハットがゆく【322】「なんたん何でも学ビーズ」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【322】「なんたん何でも学ビーズ」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2020年9月1日号の掲載記事です。

 

 

なんたん何でも学ビーズ

 

京都府南丹市園部町の田舎に引っ越し、縁あって4月から地元の子ども教育番組制作をボランティアで手伝っています。
コロナ禍の中、(当時)学校にいけない子どもたちのために…、ということで制作が始まりました。
『なんたん何でも学ビーズ』というYouTube番組です。
地元権威の先生による『漢字教室』。養蜂家の『ミツバチ教室』など、僕は撮影と編集を担当しています。
最近始まったコーナーに『園部の歴史クイズ』なるものがあります。
昨年がちょうど園部藩立藩400年にあたり、その記念に作られた歴史小冊子をもとに、動画で子ども用クイズ形式に再編したものとなります。
僕自身いろいろと撮影に回り、新しく住み始めた地域の歴史を知り、それを伝え、貢献できることにやりがいを感じております。

 

引っ越す前に長く住んだ京都市は大観光都市で、歴史も文化も世界遺産級だったわけですが、それに比べると園部はハッキリといって、派手さではかなり見劣りがします。が、小規模な中にも味はあります。
先日取材に行ったある城跡は、山の上にわずかな石垣と堀の跡しか残っておらず、草木ぼうぼう、キツネの穴だらけ。
古い井戸跡を覗けば大きなムカデ、小さな祠にカメラを向ければ毒蛇のマムシがニョロニョロ。
しかし逆に、こういうちょっとした堀や石垣から昔の情景を思い想像するのも楽しいものです。
いろいろ空想しますところ、キツネ、マムシやムカデは、どこの山にもいるかというと、いるところにはいますがいないところにはいませんので、こういう昔の城跡などは勇ましい侍の怨念が宿っていて、だから肉食系の生き物が集まってくるのではないかと、勝手に妄想したりしています。

 

さて園部には、日本最古と最後があると教えてもらいました。
最古の天満宮といわれるのが『生身(いきみ)天満宮』。これは菅原道真が太宰府に流された際、ゆかりのあった園部の人物が道真を慕い、生祠を建てたのが始まり。
道真の死後、その怨念を鎮めるために北野天満宮はじめ各地に天満宮ができましたが、生前からあったということでその名の通り『生身天満宮』が最古ということになるそうです。
そんな話は、この園部に来て初めて知りました。
そして日本最後の城といわれるのが園部城です。
何と完成は明治2年。園部藩は3万石弱の外様大名のため、徳川幕府時代はずっと城の建築許可が下りず、園部陣屋として存在していました。
しかし、大政奉還後の明治政府に申請したところ、まだ幕府軍と交戦中だった新政府は園部を戦略上の要害と考え城の建造を許可、ついに念願の園部城ができました。
が、数年後に廃藩置県が行われ、園部藩はなくなり、城も役目を終えたということになります。
よって、日本で最後にできた城、なのだそうです。
もちろんその後、多くの城が再現、復興建造されたものもありますが、実際の城としては園部城が最後なのです。ということも園部に来てから知りました。
小さな田舎町ですが、まだまだ発見できることがありそうです。

 

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