祇園祭の粽(ちまき)は食べられない?由来・買い方から「ちまき投げ」の歴史まで

祇園祭のちまきは厄除けのお守りです。京都は、玄関に祇園祭の厄除けちまきを掲げている家をよく見かけます。
なぜ祇園祭でちまきが厄除けとされているのかの由来から、かつて山鉾巡行の華であった「ちまき投げ」などについて解説します。

玄関に並べられたの厄除けちまき 2016年7月23日 撮影:MKタクシー
なぜ祇園祭でちまきが厄除けなのか
祇園祭で粽が厄除けになる理由は、蘇民将来伝説によります。
八坂神社の祭神であるスサノヲが旅の途中で蘇民将来という人の世話になり、お礼に蘇民将来の子孫は疫病にかからないと言い残しました。
蘇民将来とその子孫は、目印として茅の輪を付けるよう伝えたことから、茅の輪のかわりに粽を使うようになったのです。
厄除けちまきは蘇民将来の子孫ということを示しているのです。
現在は山鉾ごとに厄除け以外にも山鉾の由来にちなんだ縁結び(芦刈山、綾傘鉾、保昌山)、安産(占出山、綾傘鉾、船鉾、大船鉾)、学問成就(油天神山、白楽天山)などのご利益が設けられています。

船鉾の厄除けちまき 2023年7月14日 撮影:MKタクシー
食べられない祇園祭のちまき

郭巨山の厄除けちまき販売 撮影:MKタクシー
ちまきといえば、あんこの入った餅を笹で包んだ和菓子を思い浮かべるのが一般的でしょう。
祇園祭で売られているちまきは笹の葉を開いても中身はわらが入っているだけです。
祇園祭の粽は厄よけのために門口に飾って邪気を払うものです。
京都の家やお店の玄関に祇園祭の厄除け粽がつるされている光景はよく見かけます。
厄除け粽の有効期間は1年間。もちろん食べ物ではありません。
知らない人が笹をほどいて、餅が入っていないと文句をつけたという話も祇園祭の風物詩です。

綾傘鉾の厄除けちまき 2024年7月16日 撮影:MKタクシー
京都人にとっては当たり前なのですが、仕方ないことです。
「ちまき、どうですか~」という愛らしい少女たちの掛け声を聞くと買ってしまいそうになります。
1つあれば大丈夫ですので、買い過ぎないようにご注意を。

祇園祭礼図 出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム https://colbase.nich.go.jp/collection_items/kyohaku/A%E7%94%B2368?locale=ja
ちなみに、最近では「食べられる」粽も売っています。
2007年から、食べられる“生ふ”の厄除けちまきが黒主山から売り出されました。
食べられる粽は評判を呼び、黒主山以外の会所でも売られはじめ、どんどん広がりつつあります。
今では結構多くの山鉾で売られるようにはなっていますが、人気で早々に売り切れてしまうことも多いそうです。祇園祭の粽を食べてみたいという方はお早めに。

綾傘鉾の厄除けちまき 2016年7月16日 撮影:MKタクシー
かつては鉾から投げられていた厄除けちまき
もともと厄除けちまきは宵山などで求めるものではありませんでした。
山鉾巡行中に沿道の民家の二階に手渡したり、山鉾の上から観衆に投げ与えたりしていました。
以前の山鉾巡行は河原町通や御池通のような大通りではなく、寺町通や松原通を通過していたため、民家に直接手渡しできたのです。民家からはお礼に飲み物などが差し入れられる光景が見られました。
山鉾から投げるちまきは「投げちまき」「ちまぎ投げ」と呼ばれ、山鉾巡行の風物詩でもありました。最盛期には山鉾巡行中に一基で数千本の厄除けちまきがまかれたといいます。
また鉾についた厄をちまきに込めて投げることで、厄が転じて厄除けになるという意味もありました。

蟷螂山の厄除けちまき 2022年7月15日 撮影:MKタクシー
しかし、山鉾巡行の観覧者が増えるに従い、投げられた厄除けちまきを巡って混乱が起こるようになりました。
1965年には京都府警が安全のためにちまき投げの自粛を申し入れたものの伝統を守りたい山鉾側はちまき投げを継続しましたが、ついに1977年からちまき投げは禁止となりました。
根強い要望により、1979年に本数を限定してちまき投げが復活しましたが、本数を限定したことが逆に争奪戦を助長し、実際尹事故が起こったこともあり1983年にちまき投げは全面禁止となりました。
ちまき投げがあったころは、今と山鉾巡行もかなり違っていたのでしょう。

大船鉾の厄除けちまき 2023年7月22日 撮影:MKタクシー
今は厄除けちまきは宵山期間の7月14日~16日(前祭の場合)に手に入れることができます。今はネット販売をしている山鉾もあります。
厄除けちまきはおおむね1,000円~1,500円程度でお求めできます。

京都高島屋の「祇園祭と京のまち写真コレクション」 2023年7月16日 撮影:MKタクシー
おわりに
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