2013イギリス語学留学vol.2 大満足の授業と現地の交通事情|MKタクシー芝原宏
目次
1992年に始まり、時代に合わせて改善・強化し続けてきたMKの海外研修。
京都MK山科営業所の芝原宏社員によるレポートを紹介します。
MKの海外研修制度
第22期となる今回は、京都MK上賀茂営業所の清野透社員、山科営業所の芝原宏社員、ハイヤー課の川口益民社員の3名がイギリスで2ヶ月間学びました。
海外研修出発式
2013年9月13日に京都MK本社で「第22回海外研修出発式」を行いました。
出発直前インタビュー
海外研修を志望された理由は?
ESD(Englishi Speaking Driver)としての力量を向上させ、お客様に御満足いただける仕事ができるようになりたいと思い、志望しました。
国際親善に少しでも力になれたらと思っています。
出発が近づいてきましたが、今の気持ちは?
ロイヤルベイビー誕生、東京五輪開催決定等の好ましい環境にある反面、日本の外交問題や、経済復興の不備などの不安材料があります。
私自身初めての海外長期滞在なので、不安でいっぱいです。
最後に意気込みを一言
世界一との名声を持つ英国のタクシー業過を自分の目で見てきます。
多くのことを学び、MKタクシーの活動に反映されることが使命だと感じています。
海外研修レポート
ホームステイ先に着く前に迷子に
十数年間ESD(英会話ドライバー)社員の一人として、1ヶ月に1~2回のペースで英語を使って観光地のご案内をさせていただいてはおりました。
それでも、イギリス英語にはあまり慣れていなかったことと、全く違う土俵で自分の力がどの程度通用するのかわからないことで、とても不安でした。
まさに予想通りリスニング力が劣っており、とても苦労しました。
イギリスのホームステイ先のお宅に到着してすぐに、翌日からの通学路を覚えるために歩き出しました。
何も資料を持たずに、ホストマザーからの口頭での説明だけで飛び出したのです。
ゴシック建築の家並が特徴の住宅街でした。
午後3時頃の到着だったかと思いますが、長時間の旅でいくぶん疲れがあったのと、長い間夢見ていた英国留学が実現した喜びと興奮で、我を忘れていたのでしょう。学校への通学路を覚えるどころか、家に帰れなくなってしまいました。
道に迷ってしまったことで動揺し、暗くなってきたこと、雨がきつくなってきたことで、2時間ほどの間に数年分の疲労を経験しました。
5~6人の方々に尋ねましたが、ホストペアレンツの苗字すら知らずに聞いているので、全く要を得ません。
何千人もの社員の方々に背中を押していただいて、はるばる英国に来ているのに、初日にこの有様か。
ほとほと情けなくなりました。
同じお名前のご主人様がいらっしゃるお宅の奥様が、教会で活動されている方で、私のホームステイ先まで送ってくださいました。
後日、私が助けを求めた方の一人が「家には戻れたかい?」と話しかけてくださいました。
私はその方を覚えていなかったのですが……。
このポーツマス(ロンドンから電車で1.5時間ほど南西方向にある港町)の風景と人々の親切を一生忘れないだろう、と思いました。
感動の日々が続いたホームステイ先
「とんでもない問題児をかかえることになった」とホストペアレンツは感じたでしょうが、この1ヶ月間、終始変わることなく全面的にサポートしてくださいました。
ここのホストファーザー(Davidさん)とホストマザー(Fayさん)の初老のご夫婦にも、心から感謝しています。
英国でのお食事は今一つ、と感じる方も多いようですが、190㎝ほどの大男のDavidさんは、いつも午前中から夕食の準備をされていました。
1ヶ月を通してまさに感動の日々でした。
心配していた通り、リスニング力の不足から授業は毎日大変でした。
でも、ここの学校も実にすばらしいところで、先生の丁寧なご指導に加えてスタッフの方々にも大変お世話になりました。
何と通学初日に歯の具合が悪くなり、すぐにポーツマス大学の歯科クリニックに案内してくださいました。
そこでも迅速的確な処置をしていただき、費用は無料。
この土地の人々には、足を向けて眠れないだろう、と感じました。
120%の満足度の授業
レッスンは一般コースの最上クラス。毎日必死にぶら下がっている感じでした。
ハイヤー課の川口さんと同じクラスでしたが、コース受講期間中、上賀茂営業所の清野さんも含めてオールイングリッシュで通しました。
課題も多く、帰宅後も勉強に追われる日々でした。
おそらく長年の経験が生きているのでしょう。ホストペアレンツの食卓での会話が授業の予復習に役立ちました。
7名ほどのクラスで、クラスメートは皆20代の若者たち。自分の力で将来を開拓しようとする人々で、大変刺激になりました。
全てを通じて120%の満足度。
自分の力不足でふがいなさを痛感したものの、何も不満はありません。
イギリスの交通事情
ただ一つ、しようと思っていてできなかったことは、車の運転です。
レンタカーで行こうか、と考えていた自動車博物館へは結局、電車とタクシーにしました。
この土地の交通事情は、
- 車両は左側通行ですから、右ハンドル車が9割以上(ポルシェ、フェラーリなどもそうでした)
- ドイツ車が約50%でコンパクトな車の方が多かったです
- ディーゼル車、マニュアルシフト車が多い(約80%)
- 英国車(ジャガー、MG、ベントレーなど)は少数で、町並みによくマッチする旧型のミニなどを時折見かけるくらいでした
- そういえば、日本より経年車が多く、クラシックカーとでも呼べる車も現役でした
- 3でも挙げましたが、ミディアムクラスのメルセデスやBMWも、ディーゼル、マニュアルが多かったです。もちろん、右ハンドル
- 日本、米国で大流行のハイブリッド車は少ない。プリウスは在英中1台しか見ませんでした
- 列車もディーゼル車。駅構内に自転車の保管場所があります
- ラウンドアバウトと呼ばれる交差点(京都の桂坂ロータリーのようなもの)が多い。
- 国道はモーターウェイ(米語ではハイウェイ)的なものが多い。もちろん無料ですが。日本では北海道の道路事情に近いかも
- もちろん、タクシーの自動ドアはありません。特に若い世代の方々は一人で乗り込む場合でも助手席に座ります
- タクシーのセダン型車両は半数程度で、ミニバンやワゴン車も多いです
- いわゆるロンドンタクシーはポーツマスで2割程度。ここのロンドンタクシーは他の車両と同じメーターが付いており、料金は高くないです。
今はロンドンタクシーを生産する会社が何と日本企業とのこと。なお、近年のロンドンタクシーは旧型のマーチを縦、横、高さ、それぞれ3割ほど大きくした感じのものです。都タクシーさんが使っているタイプの車両は少なくなってきているとのこと。
ロンドンでロンドンタクシーに乗りましたが、費用は京都の中型車の料金ぐらいで特に高くはないです - ロンドンタクシーの乗務員はやはり運転も接客も一流です。普通のタクシーに乗っても、運転手さんは皆さん感じのよい方々でした
- 業界の景気は数年前より少し劣る、とのこと(オリンピックなどの関係かと思います)
- ダブルデッカーバスも多いです。また、普通の路線バスでも4時間ほどかけて100㎞以上移動する車両もあります。
などなど、報告することは山ほどあります。
女性のタクシードライバーは多くはなかったですが、駅員さんは男女同数ぐらいいらっしゃった感じです。
交通に関わる方々は、皆さんとても感じがよく、毎日うれしいことばかりでした。
私の印象としては、自動車は道具として使い、適度に大事に長く使うものと考えているようでした。
少し困るのは、コンビニ、自販機がないことなどで、用を足したいとき、貸し家(To Let)の看板を少々恨めしく感じたりしました。
家族と時間を大切にする生活
1日の時間の流れを大切にして、家族のまとまりも大事に考えられているようです。
私の感覚からすると、「昭和の生活」のよいところがたくさん残っている、という風に見えました。
通学の途中に歩道にあったしみが、日本列島のように見えて、少々ホームシックなのかと苦笑していました。
授業の最終日にレッスン内容に騎士(Knight)が登場。
その後、図書館にも行って調べたのですが、うまくまとめられませんでした。
でも「タクシー」というタイトルの本(ロンドンタクシーのドライバーの自叙伝)を古本屋で見つけました。
図書館では日本文化の本(能、狂言などを含む)を見つけ、現在整理中です。
おわりに
MKでは、外国語で観光案内をできるドライバーを養成するため、1992年から海外留学制度を開始しました。
営業所でもネイティブ講師によるサロン型の勉強会を毎月数回開催しています。
充実した研修制度によって育成したESD(Englishi Speaking Driver)は、海外からのVIPの対応や国際会議の送迎など豊かな経験を積んでいます。
海外からの大切なお客様の対応の際は一度MK観光タクシーにご相談ください!