MKタクシー中村壽男著「とっておき京都」 感想文コンクール作品紹介
目次
世界各国のVIPやハリウッドスターからしばしば「ご指名」を受ける中村壽男による書籍、「とっておき京都―NO.1ハイヤードライバーがこっそり教えます」 が祥伝社より、2007年4月に発売されました。
書籍の発売に合わせ、MKタクシーは、感想文コンクールを開催。入賞作品等を一挙紹介します。
祥伝社黄金文庫「とっておき京都」とは
祥伝社のノンフィクション文庫レーベルである「祥伝社黄金文庫」より、発売されました。
著者はMKタクシーのハイヤードライバーである中村壽男、イラストはイラストレーターのすげさわかよです。
内容(「BOOK」データベースより)
ハイヤードライバーとして勤続25年。
各国要人やハリウッドスターたちの京都案内を務める名物ドライバーが、観光地を満喫する裏技や本当は教えたくない穴場、1度は行きたい名店など、京都の魅力をたっぷり語ります。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中村 壽男
1952年、京都市生まれ
1981年、エムケイ株式会社入社
1990年、ハイヤー課発足とともにハイヤー課所属京都の街に関する該博な知識と高度の運転技術、そして絶対にNOと言わないきめ細やかなおもてなしの姿勢が、高い評価を得ている。
世界各国のVIPやハリウッドスターが京都を訪れる際は、しばしば「ご指名」でドライバーを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版記念企画「感想文でハイヤー観光プレゼント」
字数 :400字程度
応募期間:2007年4月~6月
最優秀賞:中村社員によるハイヤー観光7時間
優秀賞 :MKタクシーのハイヤー観光3時間
2007年6月30日までの募集期間中に、合計16名の皆様よりご応募いただきました。
社内での審査の結果、最優秀賞1名様、優秀賞3名様を選考させていただきました。
最優秀賞の高野様には中村社員によるハイヤー観光京都市内7時間が、優秀賞の大塚様、保坂、森本様にはハイヤー観光京都市内3時間が贈られます。
皆様のご応募ありがとうございました。
受賞作品の紹介
最優秀賞 京都市 高野様
京都に生まれて数十年。最近ようやく、積極的に京都の名所を回るようになった。桜の咲く春や紅葉の燃え盛る秋は、休日はあってなきが如し。
仕事に行くより早く起きて出かける。朝一番にお寺に飛び込むことも立錐(りつすい)の余地も無い観光のメッカで誰もいない森閑とした時間を持つことも出来る。それが京都人故に出来る、京都人にしかできない最高の贅沢というものだ。
ただし、タクシーなんて贅沢はできない。
時刻表を眺め、調整し、最後の手段は、この足にモノを言わせるという強行軍だ。タクシーでなくても平気、と自分に言い聞かせて歩きに歩いて。
ああでも、それもこの本を読むまで。一度でいいからこんな風に素敵な観光をしてみたい。年のせい?否、それだけじゃない。中村さんの細やかな心遣いは、京都人の心意気ここにあり!と思わせる。地面にしっかりと足をつけて生きる京都(人)の素顔と、着飾り化粧した千年の古都の魅力を同時に楽しませてくれる。そう思うからだ。
行ったことのない場所、何度も行っているのに見落としているもの、この本を読んで、そんなものがどれだけ見つかったことか。
中村さんの案内でそんな取りこぼした宝石を、ひとつひとつ拾い上げてゆく旅ができたらなぁと思うのである。
選評
京都に対する思い、また、どのような目線で本書を評価してくださっているかを基準に選考が進みました。
その中で、朝一番の誰もいないお寺の贅沢さを知っている方にこのような評価をしていただけたこと、また文章のリズムも良く、読中・読後の心の動きが伝わってくることなどにより最優秀賞を決定させていただきました。
高野様にはぜひ、「そんな取りこぼした宝石を、ひとつひとつ拾い上げてゆく旅」をしていただければと存じます。
優秀賞1 東京都 大塚様
夫との初デートは祇園祭だったな。
遠い昔の記憶が甦ってくるのを感じながら本書を手にした。
関西に暮していた我々にとってMKのロゴとハートマークはつとにお馴染み。
著者プロフィールのお顔を拝見。
京童がそのままオトナになったごと表情に心和む。
さあ、どんなガイドを……?
折々の季節に折々の表情。
あの、夏の暑さ、冬の寒さ。行間に漂ってくる。
名刹から、ほんのちょっとした街角の佇まいまで…
…ああ、宗忠神社の桜、みんなに教えないで!
この夢のツアー、でもバスやマイカーじゃ辿れないこと、関西在住だったからこそ我々は知っている。
系統番号、ルートの複雑な京都のバス。
時間帯毎に刻々と変る市街中心部の交通規制と、それに伴う渋滞、パーキング捜しの困難さ。
ヨソ者の手に負えるものではない。
まさしくハイヤーだから、タクシーだから提供できる、そんな行程。
貧乏学生じゃないいまなら、こんな素敵に贅沢な旅も許されていいかしら……?
想い出行きの、鮮やかなドライブをどうもありがとう、中村壽男さん!
優秀賞2 神奈川県 保坂様
行きたい京都がまた増えてしまいました。
老境に入ってからの楽しみは夫との旅行です。京都はまだ数えるほどしか行っていませんが、ガイドブックはもう何冊読んだことでしょうか。最近は二人とも足腰が弱り、本で想像をふくらませることも多くなりました。
『とっておき京都』はとても心のこもった本でした。有名だから、いわれがあるからということだけではなく、ああ、こんなところなら一度でいいから見てみたいな、ここに行けたらいい思い出になるだろうな、と思わされるところが、京都には本当に数え切れないほどあるのだと、知らされました。
中村運転手がお客様をもてなす人柄が、そのまま観光のポイント選びにも現われているのでしょう。そして、京都を心の底からお好きなのだなと感じさせられました。
あと何回、二人で旅をできるかわかりません。でも、京都にはもう一度行ってみたいと思います。
優秀賞3 大阪市 森本様
この本の最大の魅力はあたかも自分がハイヤーに乗って、一流ドライバーのお任せで京都を巡っている体験ができるところです。
たとえば冒頭の二条城。簡単な歴史解説の後、堀、唐門、二の丸御殿、お庭、と進んで行くわけですが、その一々に中村さんが立って、時には指をさし、身振り手振りで説明してくれている雰囲気がよく伝わってきます。普通のガイドブックの解説風ではなくご自身の考えや経験談が随所にちりばめられていて知らず知らず引き込まれていってしまうのです。
移動する道すがらもまるでハイヤーに乗っているように昔の町家の油屋さんに寄り道して買物をしたり、午後にはお勧めの甘味処で白玉あんみつを食べたり、これがまた中村さんの勧め方が上手なのか、すげさわかよさんのイラストがそうさせるのか、何故か菜種油が欲しくなったり無性に白玉あんみつが食べたくなったりしてしまうのです。
この本を読めば誰でも「ああこれはもう実際に行くしかない」と、いてもたってもいられなくなってしまいますよ。
入選外作品
① 大阪府 有吉様
私は二十数年前、四年間京都の大学に通っておりました。ですから京都は思い出深い、大好きな街なのですが、現在は高校生と中学生の二人の娘を持つ身。なかなか落ち着いて足を運ぶことができません。
そんな折、書店で目に止まったのがこの本です。ナンバーワンハイヤードライバーさんがこっそり教えてくれる「とっておきの京都」ってどんな所なのだろうと興味津々で読み始めましたが、随所に京都を知り尽くした中村さんの「豊富な知識」と「おもてなしの心」があふれ出ており、何度も読み返しました。今まで何気なく訪れていた場所には、実はこんないわれがあり、そしてこの季節にはこんな素晴らしい景色を見ることができるのだ、ということを初めて知り、京都の奥の深さを改めて実感しました。
外国から来られたお客様がとても満足してお帰りになるのもうなずけます。
中村さん、どうぞいつまでもお元気でご活躍下さいますよう。
私もぜひ、大学時代の友人達と京都で再会し、ゆっくりと京都の休日を堪能できる機会を作ろうと思います。
② 福岡県 太田様
思いがけず京都を訪れる機会を恵まれて、五月二十一、二十二の両日、MKタクシーで十三時間貸切の観光し、見聞を新たにした。
初日、下鴨神社、上賀茂神社、正伝寺、光悦寺、源光院、龍安寺。二日目は、琵琶湖疏水記念館、南禅寺、月桂冠大倉記念、サントリー京都工場、嵐山・渡月橋と巡った。
京都観光に先立って、中村さんの標記著作から主要観光先を選定し見どころを抜き書きして携行した。
抜き書きを手に特に印象深いのは、龍安寺で石庭の石がどこから見ても十五個全部みえず不審に思った。帰宅後再精読して六十六頁にそのことを記載されており納得した。
つくばいは意外と小さく解説なしでは見落としがちである。鏡容池の存在を知り、初めて一周。琵琶湖疏水記念館には初めて訪れて、事業の意義を知らされた。南禅寺の方丈庭園など回遊式で新しい発見であった。中村さんの本のお陰である。
最後に中村さんならではと思うのは、「メモは財産」「絵書づくり」を基としたガイドブックとは一味違う、生きた知識で案内されていること、この本の真骨頂と思う。
③ 鹿児島県 澁田様
娘が京都の大学に行き、卒業後も京都に就職したため、京都との付き合いは今年で八年目になります。娘の京都への憧れはいつからだったのか、親としては唐突な感じも否めませんでしたが、本人は希望通りの未知を進めて満足しているのでしょう。
この縁で、私も幾度となく京都へ行っており、観光シーズンを避けてのものが多いながら、京都の魅力を感じてきた一人です。あらかた見た気になっていましたが、本の中で中村さんがしきりに絶賛する龍安寺は、私が鑑賞力のない若かりし頃に行ったきりで、ここに行かずして京都は語れないと改めて思い知り、今度行く際は、絶対に参拝してこようと思っております。
「借景」という美意識は日本人ならではの感性ではないでしょうか。そんなすばらしい庭園がある古都「京都」は守られるべき存在だと思います。時代の流れで厳しい状況があるとは思いますが、歴史を語る「風景」がいつまでも存続できるように願ってやみません。
④ 京都市 徳岡様
MK新聞の記事に「とっておき京都」の本の紹介に目がとまり、日ごろから友人をご案内する時にはMKのホームページを参考にしてご案内させていただくことが多くその内容に毎回喜んでいただいておりますので、その虎の巻ともいえる観光コースの№1ドライバーがどのようにお客様をご案内されるコースを選ばれるのかととても興味がありました。
ようやく手に入れた本は予想にたがわず、中村さんの人柄があふれている素敵な本でした。
京都の旅行の本は沢山あふれていますが、実際にお客様を年間何百回もご案内されているだけに、読んでいるだけで現地に赴いているような気持ちで読ませていただきました。
有名な竜安寺のお庭も回遊式のとても素敵な四季を通じて楽しめる庭がある事も、二条城の大手門の歴史等身近にありすぎてとおり過ごしている素敵なところへ早速足を運んでみたくなりました。
また、中村さんの(他の運転手の皆さんもそうだと思いますが)お客様をご案内された後のノートの記入やお客様をご案内されるときの心構えや準備等当たり前にさらりとこなしておられ、尚且つプラスアルファのサービスを提供されている辺りこちらも、タクシーの仕事のみならず、お客様に接する仕事をしている者にとってとても大切な事を、再確認させられる読み物でした。
いつかは中村さんのハイヤーに乗せていただきたいそんな思いに駆られる時間を過ごさせていただきました。
中村さんには大変な事とは思いますが、是非続編を期待いたしますとともに、京都の魅力を話していただける機会があればこちらも是非伺いたいと思います。
⑤ 京都市 細田様
<中村さんに教えて頂きたいことと、御願いしたいこと>
13年前に一度Harvard大学の教授の案内でお世話になり、尽きることのない面白い話、ユーモアたっぷりのジョーク、そして、本でも紹介されている手製の絵葉書などで本当に楽しい一日を過ごしました。Harvard大学の教授に京都観光で何が最も印象的だったかと訊ねたら、躊躇なく、中村さんが最も印象的だったと言われました。
私が中村さんの車に乗ったのはこの一度だけですが、それ以来、中村さんとMKタクシーのファンになり、海外のお客様の案内をMKタクシーに御願いしています。一期一会と言う言葉を感じます。
今回もMKタクシーに乗って、この本と感想文のことを知って、早速購入し、書かせて頂いています。米国の知人の女性の案内を御願いして、私は同伴できなかったのですが、大変喜んで頂きました。その後、その女性が両親と一緒に再度来日して、その女性から、半日だけ京都で過ごせるので、Toshiさんの案内ならば京都の良さを半日で満喫できるので、ぜひ、Toshiに頼んで欲しいと言われて、再びお世話になったこともありました。
中村さんに教えて頂きたいことは、中村さんの英語での京都の案内は、ユーモアたっぷりで、大変面白いのですが、どうやって、そのような説明の英語の文を作ったり、入手されているのかと言うことです。
京都の日本語での解説や本などは多くありますが、それをユーモアも含めて英語で説明したものを見つけるのは、易しいことではないと思います。たぶん、自分で作ったオリジナルの英文と、あちこちの英語の説明の文など、いろいろなものを集められた結果だとは思いますが、その過程を教えて頂けるとうれしいです。
教えて頂きたいことの第二は、13年前のことで、うろ覚えになっていますが、ハーバード大学の教授を相手に、ビクトリア女王の話、アメリカのプロ野球のベーブルースの話や、たしかサッカーの話もされていて、相手を飽きさせることなく、日常会話をされていたのが、大変印象的でした。
京都の話だけではなく、相手に合わせた話題も多くお持ちでした。あのような話題は、どのようにして、入手されているのでしょうか。さまざまなラジオやテレビの英会話の番組で勉強されているのでしょうか。
中村さんに御願いしたいことは、ぜひ、「とっておき京都」の英語版を作成して頂きたいと言うことです。今回も、「とっておき京都」を読みつつ、中村さんが身振り手振りも交えて、やや汗をかきつつ、英語で説明されている情景が思い浮かんできました。ぜひ、この本の内容を英語で読みたいと思いますので、いつか英語版を作って頂きたいと思います。できれば、中村さんが海外のお客様を案内されるときに渡して頂ければ、お客様はきっともっと京都のファンになり、日本のファンになり、海外の方がもっと日本のことを好きになって頂けると思います。
現在の複雑で、難しい国際情勢の中で、日本の味方になる海外の方を増やすために、ぜひ、御願いします。
⑥ 広島県 岡田様
以前、ロンドンのタクシーに乗ったとき、確かにプロのドライバーの彼らを目の当たりにして「これがかの有名なロンドンタクシーの運転手さんなのか!
アジアからの観光客の小娘である私にも、こんなにもキッチリ対応してくれるのだ。
さすがだなあ。」と、感激したものであった。
中村さんの本を読んで、ロンドンのタクシーどころじゃない、日本のタクシーの運転手さんのプロのスピリットを思い知った。
「こんな人が日本にいるのだ。」
私は、京都ともタクシーとも全く縁のない、ただの一読者なれど、同じ日本人として嬉しく感じた。自慢にさえ思った。
どこの世界にも一流のプロというものがある。
京都という、日本を代表する観光地で中村さんのようなプロの運転手さんがいらっしゃることは、日本のイメージアップにもつながるのではないか。
中村さんの肩書きは「ハイヤーの運転手」だけではない。
運転手であり、ガイドであり、コンシェルジュともいえるお仕事ぶりである。
本を読んでぜひともハイヤーでの京都観光をしたくなった。
そのときにはぜひ中村さんを指名させていただきたい。
⑦ 京都市 長沢様
いつか、友達を案内したい。
私は旅行などで来られる観光客に対して京都のいったいどこに魅力があるのだろうと思っていました。
中村さんの書かれた本を通じて京都の歴史や寺院のことなどを知ることができて歴史の勉強が苦手な私にも簡単に読むことができ、またイラストや写真も多く、わかりやすかったです。
読み進めていくうちに、こんなに素晴らしい所がたくさんあるのに、今まで気づかなかった自分がもったいないと思いました。
四季折々の京都の魅力に触れられる時間のある学生時代に「京都のよさ」を再発見してみたいと強く思いました。
大学生になり、夏季休暇には、どこに行こうかと、今までは毎年パンフレットを見て悩んでいました。
そんな時、他府県の出身の友達に京都のことを聞かれ全然知らないことに気づき恥ずかしく思いました。
歴史ある京都に生まれて20年が経ちました。
これから、この歴史ある京都についてもっと学んでいけたらと思います。
そして、紹介できるようになって友達をとっておきの場所に案内できるようになりたいです。
⑧ 新潟県 星様
私は、京都大好きでこの「とっておき京都」が京都の月刊誌に紹介されていたので、お取り寄せし興味深く拝読いたしました。
読むほどにあたかも自分が名所、名刹を巡っているかのごとく、風景等が脳裏にやきつくのです。中には京都弁が出てくるなど趣が一段と引き立ち、やさしく和やかな京都を感じました。それに春夏秋冬と季節ごとに、しかも二十五年のハンドル歴からのここぞという名所、名刹を案内してくれるので、利用するならMK社NO.1ドライバーさんご指名という気さえ起こします。
挿入写真は、残念ながら白黒ですが、これがカラーならばどんなに美しい京都かと思え、「京都へ行こう」という気持ちさえ湧きました。各種祭りについても見ただけでは分からない物語など意味あいが、また、連れて行きたい名店等が語られ、京都力に一歩近づくことができましたし、京都の魅力をたっぷり味わえ幸せを感じました。
最後に誌上からは、NO.1ドライバーさんが案内されているお客層は、ハイレベルの方か有名人の方ばかりに思えるのですが、私のような一般庶民層でもご指名できるのかとも思いましたし、宿泊ホテルや旅館等のクラス別でお断りされるのではという心配さえいだきました。私の思いすぎでしょうか。
ともあれ、魅力たっぷりの語らいありがとう。
おわりに
MKタクシーのトップハイヤードライバーである中村壽男社員は、数々のVIPのお供を担当してきたドライバーです。
長らく第一線で活躍してきましたが、2021年をもってドライバーとしては引退した。
以降はこれまでの経験を活かし、観光ガイド、サービス、語学、運転技術など多くの面で後進の指導にあたっています。
MKタクシーには、中村壽男以外にも、数々のVIPのお供や国際会議の送迎を担当したドライバーが揃っています。
ハイヤードライバーの場合は指名料として2,000円が必要になりますが、是非ご指名ください。